◆ことばの話2945「154キロ」

高校野球が始まりました。去年の「ハンカチ王子」(もう1年前なのか!)のような人がいるかどうかはわかりませんが、「ああ、夏だなぁ」という感じがします。
そんな中、昨日(8月9日)、智弁和歌山を4対2で破った仙台育英の佐藤由規投手は、なんと150キロ台の剛速球を投げていたという話になり、Kアナウンサーが
「すごいですよね、高校生で154キロなんて・・・」
「そうだよな、確かにすごいよな」
と返事をしていると、夏休み明けの隣の席のHアナウンサーが、
「154キロ!そんなに太ってるんですか!?」
なわけないだろ!野球のピッチャーで「154キロ」と言ったら、
「球速」
に決まってるじゃないか!朝青龍じゃないんだから・・。当のHアナウンサーは、
「いやあ、154キロも体重があって、どうやって投げるのかなあ・・・と思って・・・」
たしかに投げにくかろ、そんなに体重があったら。佐藤投手、写真で見ても全然太ってないし。せいぜい70キロ(グラム)ぐらいではないの?
でも身長がものすごく高いかもしれないよ。ダルビッシュなんて身長196センチもあるんだぜ!体重は・・・・84キロ!やせてるなあ。(日刊スポーツグラフ『2007年プロ野球選手写真名鑑』による)
あ、阪神のジャン投手は116キロもあるわ。もうちょっとだな、154キロまで・・・。って、別に、体重そんなに増やさなくても大丈夫だから、ソップ型で・・・・相撲取りじゃありません、投手です。マウンド上で一人相撲を取ることはありますが、ボークなんかで。
いやあ、しかし高校野球は楽しいですね。でも、「テレビは読売テレビ」を見てくださいね。お願いしときます。
2007/8/10


◆ことばの話2944「してちょんまげ」

読売テレビ『情報ライブミヤネ屋』の名物コーナー、辻学園調理技術専門学校の林 繁和教授「愛のお料理塾」で、林先生が生徒の奥さんに、
「○○してちょんまげ」
といいました。いやあ、懐かしいなあ。これはもちろん、
「○○してちょうだい」
という意味で、その語尾を遊び心で「ちょんまげ」に変えているのですね。まだこんな言い方をする人がいるんですねえ・・・いや、私の身近にも、こういう言い方をよくする人が、もう一人いたぞ。それは『ズームイン!!SUPER』や『ウェークアップぷらす』『たかじんのそこまで言って委員会』でおなじみの辛坊治郎解説員です。この人はよく、
「許してちょんまげ」
などと口にしています。ちょっと待てよ。辛坊さんは51歳、林先生もたしか同じぐらいの年齢であったのでは?と思い調べてみると、やっぱり!林先生は53歳でした!
ということは、この「○○してちょんまげ」という言い方は、現在50歳代前半の男性に特有の言い方ではないか?という気がしてきました。
Googleで「してちょんまげ」を検索すると、なんと1万9900件も出てきました!(8月8日しらべ)
まだ、実際に使っている人は2人しかチェックしていませんが、今後に注目してちょんまげ!
2007/8/8


◆ことばの話2943「『くるむ』と『つつむ』」

新人の吉田奈央アナウンサーが、ニュース原稿を読む研修中に、
「道浦さん、これは『つつむ』ですか?それとも『くるむ』ですか?」
と質問してきました。その原稿には、
「毛布に包まれて」
とありました。普通に読めば「つつむ」ですが、たしかに「くるむ」と読める文脈です。辞書を引くと、「くるむ」は漢字で書くと、
「包む」
で、「つつむ(包む)」と同じなんですね。知らなかった。で、うーんと考えて、
「毛布の場合は『くるむ』だろうね。『つつむ』は、もっと複雑な折り方ができるような感じだけど、『くるむ』はもっと大まかな感じがするな。それにしても、よく気付いたね。」
そう話していたら、泊りの小林杏奈アナウンサーが席にやってきて、原稿の下読みを始めました。耳を澄ましていると、
「毛布につつまれて」
と読んでいたので、
「それはね、『くるまれて』だよ」
と指摘すると、
「そうなんですか。実は先日も『ズームインSUPER』の原稿で『包む』にルビが『くるむ』と振ってあって、どうしてもそれで読んでくれと言われたんですが、『くるむ』と『つつむ』の違い、使い分け方はどうなんですか?」
と質問してきました。
「うーん、どうだろ?毛布や布団は『くるむ』だよね。紙は『つつむ』よね。風呂敷も『つつむ』よな。ということは、その『包む』ものの『厚み』がポイントじゃないだろうか?『厚いもの』は『くるむ』で、『薄いもの』は『つつむ』なんじゃないかな?毛布のように厚手のものは『くるむ』で大雑把にくるくると巻いたりするだけだけど、薄いものだと複雑に折りたたんだりして『つつむ』ことができるんじゃないかな。ほら、赤ちゃんの『おくるみ』なんかは、『くるむ』だろ、『つつむ』じゃなくて。あの『おくるみ』のことは最近は『アフガン』って言うんだけどね。」
と言うと、「なるほど」と納得していました。
『日本国語大辞典』を引いてみました。
「くるむ」=巻くようにして、中につつみこむ。つつみ巻く。
「つつむ」=(一)ある物を別の物で覆ったり囲んだりする。(1)物の全体を布、紙などの中におおいかこむ。おおってその中にいれる。 (2)まわりをとりかこむ。周囲をとりまく。(3)土を盛ったりして水の流れを囲んでせきとめる。堤をきずいて水を防ぐ。(4)中に含むものをもつ。ふくむ。(5)謝意または慶意や弔意を示すために、お金をのし紙などにくるんで渡す。(二)人の感情や表情を打ちにおさえて、外に表われないようにする。 (1)表面にあらわさないで心の中にかくす。心にひめる。涙をこらえることにもいう。(2)感情の高ぶりをこらえる。堪えしのぶ。(3)他人の思わくを気づかって用心する。人目をはばかる。遠慮する。つつしむ。気がねする。

ほお、「つつむ」の方が、意味が広いですね。「くるむ」は割合、単純です。こんな違いがあったんですねえ。
やっぱり、国語辞典は引いてみるものですね!
2007/8/4


◆ことばの話2942「低臭にんにく」

近くのスーパーで買い物をしていたら、野菜売り場で、
「低臭にんにく」
というものを見つけました。にんにくは好きだけど、食べた後にあの臭いが人にうつるような気がして、気を使う人が買うのでしょうか?日本人て、気ィ使いーですねえ・・・。
そうすると、「低臭」のにんにくがあるのなら、
「高臭にんにく」
もあるのでしょうかね?もう、にんにくの匂いが好きで好きでたまらない人用に・・・。
近くの棚を見回しましたが、「高臭にんにく」はありませんでした。でも、にんにくを食べたら、「口臭」は、にんにくの匂いになるのはたしかです。「口臭にんにく」・・・ちょっといやな感じですが。Google検索では(8月5日)、
「低臭にんにく」= 324件
「高臭にんにく」= 0件
「口臭、にんにく」=1160件
でした。
2007/8/5


◆ことばの話2941「舞妓ハンとお茶屋さん」

公開中の映画『舞妓Haaaaan!!』(aの数がよくわかりません・・・)、読売テレビも出資していて、うちの清水健アナウンサーもチョビッとだけ出演しているといいます。まだ見ていませんが。小さいので見えないかもしれません(ウソ)。
ところで、この映画のタイトルの「舞妓はん」、これに「ちょっと待てよ」と思いました。
「舞妓」のあとに「はん」をつけていいのか?「さん」ではないのか?という問題です。
これに関しては以前、京阪電車のコマーシャル「おけいはん」が登場した時に、「『はん』でいいのか?」という問題を取り上げました。ずいぶん前です。えーっと、「平成ことば事情210おけいはん」ですね。2000年12月28日です。6年半前かあ。
そこで、今一度、「はん」の付くルールを確認してみましょう!それによると・・・
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なにわことばに詳しい「なにわことばのつどい」の中井正明さんに聞いてみました。
「あのー、“おけいはん”というような言い方を、船場ことばで言うんですか?」
「言いいまへんな。あれはインチキです。普通はイ段の音に“はん”はつきません。もともと大阪弁の尊称の最上級は“さん”です。“さま”は言いません。“天皇さん”“おひーさん”“お月さん”も、みんな“さん”です。また“はん”は“さん”よりも敬意が下ですから、目下から目上に向かっては使いません。例えば、部下は“社長さん”とはゆうても“社長はん”とはいいません。“社長はん”というような言い方が許されるのは、その社長を子供の頃から知ってる大番頭ぐらいでしょう。また、お金を借りる場合に“森川はん、金貸して!”ゆうても貸してくれません。“森川さん、お金貸して”と丁寧にゆうて初めて貸してくれます。“いとはん”にしても親しすぎますな。丁寧に“いとさん”とゆうべきでっしゃろ。それが“しきたり”です。」
なるほどー。さらに中井さんは、方言指導をしている鳴尾よね子さんの記事も送ってくれました。それによると、
「最後の音がイ段、ウ段、ンの場合「ハン」はつけしません。」
とあります。また、牧村史陽編「大阪ことば事典」の「ハン」の項を見ると、以下のように書かれています。ちょっと長いけど引用してみましょう。
「敬称サンの段階。吉田ハン、松本ハン、お千代ハン、お玉ハンから、オバハン、オマハン、(中略)・・・さらに生国魂ハンなどと神様までも親しんでハンづけにする。ところが必ずハンとなるかというと、そうばかりでもなく、竹ヤン、源ヤン、おたやん、などの場合にはヤンである。また、山口ツァン、竹内ツァン、菊池ツァン、松ツァン、・・・奈良の大仏ツァンなどツァンということもある。しかし荒木サン、村上サン、藤井サン、森サン、金サン、お君サン、聖天サン、弁天サンなどは、どこまでもサンであって、ハンともヤンともいわない。おじさんも同じことで、オッサンとはいうが、オジハンとはいわない。谷崎潤一郎の「細雪」の中に、ゴリョンハン、トォハンという語が出てくるが、これも無理な発音であって、ゴリョンサン、トォサンというのが正しく、ハンと言えば大阪弁になると思ったミスである。(中略)以上をまとめると次のようになる。すぐ前の音がイ段・ウ段・ンの場合は“さん”のまま。ア段・エ段・オ段に限っては“はん”になる。(中略)大阪で生まれて大阪で育ったものでないとこの用法の会得はむずかしい。」

なお、後日「ミヤネ屋」のナレーションで、京都の花街・宮川町のまさに「舞妓はん」の話題が出てきました。その時に、
「お茶屋さん」
のアクセントが「平板アクセント」の、
「おちゃやさん(LHHHH)」
なのか、それとも「中高アクセント」の、
「おちゃやさん(LHLLL)」
なのか?が気になったので、宮川町のおかみさんに聞いたところ、「平板アクセント」の、
「おちゃやさん(LHHHH)」
でした。祇園によく「パトロール」に行く先輩のMアナに聞いても、「平板アクセント」でした。そうすると、「お茶の葉っぱ」を売っている店の呼び方は、「中高アクセント」なのでしょうか?それとも、それも「平板アクセント」なのでしょうか?新しい課題が増えました。また、調べておきます。
2007/8/5

(追記)

大変遅ればせながら、『舞妓Haaan!!』のDVDを借りてきて見ました。公開から1年おくれですが。アベサダヲさんは舞台の人だなあと感じました。おもしろかったです。清水健アナウンサー(シミケン)の出演シーンは、セリフもあって、結構長く(感覚的には20秒ぐらい)映っていて、「ホオウ」と思いました。
でも・・・その次の金曜日の「金曜ロードショー」のテレビで放送したのです!もう1週間待ったら、借りなくて済んだ・・・いやいや、そんなケチなことを言うのはやめましょう。やはりDVDだから、全部カットなしで見られたし。しかし最近は、映画がDVDになるのも早いし、テレビで流されるのも早いですねえ・・・
2008/9/2