◆ことばの話2900「『とめど』と『おいど』」

6月13日の読売新聞の言葉のコラム「日めくり」「とめど」という言葉について取り上げていました。
『「ど」は「限度」の「度」?』
というサブタイトル。あ、そうか「とめど」は漢字ではどう書くのか?という話ですね。読んでみると、
「止め度」
と書くのは、「間違い」!正しくは、

「止め処」「止め所」(あるいは「留め処」「留め所」)

だそうです。このパターンの「〜ど」という言葉には、
「隠処(こもりど)」「臥所(ふしど)」「目処(めど)」
などがあると書いてありました。
あ、なるほど、そうか。
大阪人ならもう一つ、忘れてはならない言葉がありますよ!
「御居処(おいど)」
です。「おしり」のことですね。私は、
「まいど、おいど、マクド」
と、全部「3拍・中高アクセント」だということの例として、10年前からずっと「おいど」を支持してきたのですが、日常会話で「おいど」を聞くことがなくなってきました。残念。
初めて「おいど」という言葉を聞いたのは7歳のとき。つまり今から38年ほど前です。1969(昭和44)年です。その時に思い浮かべたのは、
「深くて暗〜い、井戸」
でしたが。こわいよー、お井戸
こういう漢字を書くと知ったのは、わりと最近、10年ぐらいまでのことです。
この漢字表記は、大阪の皆さんは覚えておいてくださいね!
2007/6/14


◆ことばの話2899「着衣を身に付けた状態」

奈良県のほとんど三重県に近い町のラブホテルでの殺人事件。遺体の状態についての5月8日の新聞の表現は、

(朝日)着衣に乱れはなかった
(読売)服を着たまま、あおむけに倒れていた
(毎日)着衣をつけて仰向けに倒れていた
(産経)上下の肌着姿で、着衣の乱れはなかった
(日経)肌着姿で仰向けに倒れていた


でした。読売テレビでは、原稿が、
「着衣を身に着けた状態で」
と伝えたのですが、私は、
「『着衣』は『服を着た状態』のことを指すのだろうから、『着衣を身に着けていた』は重複ではないか?服を着ていたのか、それとも裸だったのか、はたまた下着姿だったのか、具体的にするべきではないか?」
とデスクに聞いたところ、
「詳しい状況はわからず、警察の広報は下着のようなものを身につけていたと言っているのですが、それが下着なのか、近頃はやりの下着風街着なのかはわからないのです。服を着ているとも言えず、下着姿とも言えないという中での苦肉の策でして・・・」
とのことでした。つまり、
「少なくとも全裸ではなく、何かを身につけていたということだけは表したい」
ということと、もう一つは、
「最近の女性は、一見して下着なのか外着なのかわからないような洋服を身に着けているケースがある」
ということが、今回の「着衣を身に着けた状態で」という表現になったということなんだそうです。
表現一つとっても難しいものですね・・・。

2007/6/14


◆ことばの話2898「初コラボ」

6月14日の『ズームイン!!SUPER』で、竹内まりやと原 由子が初共演したという記事の見出し紹介していました。その時のキャッチフレーズが、
「初コラボ」
でした。「コラボレーション」を略した「コラボ」が、もうすっかり定着したということですかね。私はまだ慣れませんが。これはそのまま、
「初共演」
でいいんじゃないでしょうか?
略語としては3文字の「コラボ」になっていて、
「コラボレ」
という4文字略語じゃないのは、「関西風」だと言うことですかね?
というのも、これまでは「関西が3文字略語が多く」て、「関東は4文字略語」の方が多かったと思うんですが。そう言えば、
「メタボリック症候群」
も、最近毎日のように新聞紙面で、
「メタボ」
「3文字略語」で登場していますね。先日の用語懇談会で大阪の産経新聞の委員の方が、
「最初は『メタボリ』としたが、その翌日から『メタボ』になった」
という話をされていたのを思い出しました。

2007/6/14


◆ことばの話2897「食べてみてください」

泊り明けで朝5時59分からのニュースを読むために5時起きし、テレビを見ていたら、日本テレビの『あさいち430』を放送していました。本当はCSの番組なんですけどね。その中で最後に「お取り寄せ」のコーナーがあるのですが、そこでビッグサイズの「コロン」と「ビスコ」を紹介していました。グリコの商品です。たしかに、すっごく大きなサイズのものでした。それを試食する場面で女性アナウンサーが、
「食べてみて下さい」
と言いました。もちろん、ほかの女性キャスターに対しての言葉なので、「身内」に対するものなのですが、「だからへりくだった」という感じではありませんでした。おそらく、
「召し上がってください」
という敬語を知らなかったのではないか?と感じられました。というのもその後に、この週末に東京ビッグサイトで、『あさいち430』も出展する「ケーブルテレビショー」が行われるということを告知した際に、今度は「視聴者」に対して、
「ぜひ来てください」
と言っていたからです。これは、
「いらっしゃってください」または「足をお運びください」
と言うべきところでしょう。
本人は丁寧に言いたいんでしょうが、残念ながら敬語の使いどころがわからない、もしくは敬語を知らないということでしょうか。そんなに難しいかなあ・・・。

2007/6/14


◆ことばの話2896「ハニカム構造」

夜のニュースの直前のコマーシャルを見ていたら、「アース・ノーマット」のコマーシャルを放送していました。聞くともなく聞いていたら、
「ハニカム構造」
という言葉が。
はにかむ構造?はにかむのか?ハニカミ王子との関係は?
といろんなことが頭の中に駆け巡りましたが、とりあえずニュースの本番に集中し、ニュースの後に調べてみると、ありました、ありました、ハニカム構造。どこかで聞いたことがあったな。「蜂の巣」と関係してたんだっけ?ハニカミ王子は関係ないみたい。
「ハニカム(Honeycomb)構造」とは、六角形を並べる形で作られた構造のこと。「ハニカム」は英語で「蜂の巣」という意味。六角形や三角形・四角形は、円や他の多角形と異なり、同一の形を隙間なく敷き詰められる形をしており、丈夫な構造を作ることができる。」とのこと(ウィキペディアより)
ちなみに「アースノンマット」は、
「ハニカム構造により薬剤がすばやく拡散し、有効成分トランスフルトリン(ピレスロイド系)が優れた殺虫効果を発揮します。」
そうです。

2007/6/14
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