◆ことばの話2845「キャリーバッグかキャリーカート」か?

「大阪ほんわかテレビ」のナレーションを録音中のM先輩から内線電話です。
「あのさあ、旅行なんかの時に持ち運ぶカバンで、下にコロコロが付いてるのってあるじゃない、あれって何て呼ぶのかなあ。」
「ああ、『キャリーバッグ』ですか。」
「うん。それは『キャリーカート』とも言うのかなあ。スタッフは原稿に『キャリーカート』って書いて来てるんだけど・・・。」
「ちょっと待ってくださいね、調べますので・・・。ああ、どうやら、最初からカバンに車輪がついているのは『キャリーバッグ』ですねえ。そのバッグの下の金属の骨組みで車輪がついているものを『キャリーカート』って呼ぶみたいです。」
Google検索(2月23日しらべ)によると、
「キャリーバッグ」=  123万件
「キャリーカート」=   16万2000件
「キャリーケース」=  52万件
2007/4/28


◆ことばの話2844「迎えに来てくれれる」

会社帰り。駅を降りると、雨。
ま、春雨だからぬれて帰るか。それほど遠くもないし・・・
などと思いながら歩いていた私の耳に入ってきた、携帯電話で喋る若者の声。
「うん。迎えに来てくれれると、ありがたい。」
なに?「くれれる」?それってもしかして、
「『くれる』の可能形」
なのか?最初の「れ」は「受身」で、2つ目の「れ」は可能かな。でも「『くれる』の可能形」というのが、なんだかおかしい。普通は、
「迎えに来てもらえると、ありがたい」
でしょうな、やっぱり。
ヘンな言い方が出てきますねえ・・・それにしても、これも一種の「れ足す言葉」ですかねえ?「れ足す」言葉に関しては、「平成ことば事情161&1926」の「れ足す言葉」も、ぜひお読みください。
2007/4/28


◆ことばの話2843「ジューイチか月」

4月22日NHKの夜7時のニュースを見ていたら、カゲ読みをしている女性アナウンサーが、京都の市営住宅の火事で幼い女児2人が死んだというニュースで、
「11か月」
を、
「ジューイチカゲツ」
と読んでいましたが、これは正しくは、
「ジューイッカゲツ」
ではないのでしょうか?そう思っていたら、同じニュースを伝えた翌朝(23日)の日本テレビ『ズームイン!!SUPER』の男性ナレーターが、
「ジューイチカゲツ」
と読んでいました。
これ以外にも最近、民放でも「ジューイチカゲツ」というような読み方を、時々耳にします。一体、どうなっているのでしょうか?
2007/4/23


◆ことばの話2842「酒井順子『都と京』の言葉から」

『負け犬の遠吠え』で一躍、超有名になった(もっと前から有名ではありましたが)エッセイストの酒井順子さんの本『都と京』(新潮社)を読んでいて、丁寧な文章の中に見られる酒井さんらしい表現をピックアップしてみました。

・「ポンチな発想」(130ページ)・・・ポンチですか・・・「アホボン」というようなことなのでしょうか?
・「キョドりながら」(140ページ)・・・周囲から見ると「挙動不審」な動作を取ることを「キョドる」というのは、おそろく1980年代後半の若者言葉ではありますまいか?
・「東京資本」〜京都の人は、「東京資本」という言葉を嫌うのでした。(143ページ)・・・そう言えば「東京資本」という言葉、聞いたことありますね。逆に「関西資本」もありますね。「上新電気」がたしかコマーシャルで「唯一の関西資本」と強調していたような気がします。これって「東京資本」を嫌うということの裏返しの戦略か?
・「ピンポンバー」〜ピンポーンと呼び鈴を押して入る秘密っぽいバー。(148ページ)・・・初めて知りました。そんなところ、行ったことないな。「ピンポンパン」なら知っていましたが。
・「日本人のチンコロねえちゃん」(153ページ)→「ポンチな発想」に通じる「チンコロねえちゃん」。うーんなんだか言葉の響きが下品だ。どんなねえちゃんなんだ?

丁寧で上品な文章の中に、こういった若者表現?と言うよりちょっと時代を感じさせる昔の表現かな、それと下品な表現が混じると、
「ドキッ!」
としますね。
2007/4/28


◆ことばの話2841「父親たちの星条旗」

クリント・イーストウッド監督の硫黄島2部作の1作目のこの映画。公開された去年の秋に、わりと早めに見に行きました。ポップコーン買ってシネコンに入ったら、このスクリーンの定員がたったの70人。平日の午前中てこともあり、客は平均年齢65歳ぐらいか!?真剣な人ばかりで、ポップコーンを手に、往生しました・・・予告編の間に、静かに急いでハムハムとポップコーンを食べ切りました!
で、なんで今頃この映画のことを・・・と言うのは、書きかけたまま、ほったらかしだったからですよね。GWでちょっと時間が出来たから書きつないだというわけです。映画を見て感じたことどもを。

*まず、なぜ「父たちの」ではなく「父親たちの」なのか?
最近の若い人は自分の「ファーザー」を指して言うときに、「父」ではなく「父親」と言う傾向があることとも関係しているのでしょうか?
*名誉とは?英雄は大衆から望まれて作られる。
*戦争では近しい人がたくさん死ぬ。イーストウッド監督の視点は・・・
*十字勲章のちゃちっぽさ!
*戦争後のPTSDは、ベトナム戦争と共通。英雄の祭りあげられ方とPTSDはアポロの宇宙飛行士と同じ!アポロ11号の月にさした星条旗は、24年前の硫黄島と同じ行為・構図。征服がアメリカ人のDNAか?

日本側から見た視点で撮られた『硫黄島からの手紙』も楽しみです。(もう見ましたが・・・4月28日現在。去年の12月初旬に見ました。)さっそく関連本2冊購入。
イーストウッド監督、あの年ですごいですね!歴史はどちらの立場で見るか語るかで、真実かどうかも変わってくることを、同じテーマで2本映画を作って表すというのは、ありそうで、なかなかないのではないでしょうか?
小説では辻 仁成さんと江国香織さんの『情熱と冷静のあいだ』が、恋愛小説で二人の男女の作家が「男目線」と「女目線」(恋人同士の)で、それぞれが別々に書いた点でユニークでしたが。
2007/4/28