◆ことばの話2825「郡家」

先月、鳥取に出張で行った際のこと。途中の駅で見かけた駅の駅名看板に、
「郡家」
と書いてありました。
「ぐんけ」
かなと思っていたのですが、看板のひらがなは、
「郡家(こおげ)」
でした。車内アナウンスも、
「コーゲ」
と言っていました。へー、そういう読み方をする地名なのだ、と勉強になったのですが、もう一つ、勉強になったのは、
「こうげ」ではなく「こおげ」
という表記です。「お」なんですね。近くには、
「東郡家駅」
もありました。出張で、よその土地に行くと、いろいろ勉強になり、新鮮です。


2007/3/17
(追記)

去年3月、ちょうどこれを書いてから1年経った時期に、小学館から『ウソ読みで引ける難読地名』(小学館辞典編集部・編、篠崎晃一・監修)という本が出ました。大変面白い試みだと思ってすぐに買ったのですが、全部読むのは大変で、「ツン読」になっていた本、これをパラパラ見ていたら、「郡家」が出てきました。82ページに、
「郡家(こうげ)」=鳥取県東南部、八頭(やず)町の地名。旧町名。段丘の上に位置し、高下(こうげ)と呼ばれたことに由来するという。
と記されていました。地名の由来もわかって、クイズのネタ本としてもいいですね!
2009/1/26


◆ことばの話2824「健全な」

「女性は産む機械」
発言で辞任要求を突きつけられている柳沢厚生労働大臣。今度は、
「結婚して子どもを2人以上産むという健全な家庭」
と言うような発言をして、また日本テレビが「問題視」していました。
確かに「健全」という言葉は、その背後に「健全でない」というものの存在がうっすらと見えます。その「健全でない」ものに関しては否定しているのです。それは「五体満足」という表現が、実は「五体不満足」を否定して成り立っているような感じです。(乙武君を除く)
さて、「女性は産む機械」に関しては、もういっそのこと、
「男性は産ませる機械」
とでも発言して今朝(2月6日)の読売新聞朝刊の4コママンガ「コボちゃん」のように、
「ぼく、じつはロボットだったんだ。全員、機械から生まれたんだって」
と言って遊んでもらいますか。それとも、
「あれは、『女性は産む機会が大切』と言いたかった」
とか、
「『助成は産む機会』のつもりだった」
とか、そういう言い訳は・・・きくわけないなあ・・・。


2007/2/6
(追記)

野党側の追及に対して、安倍総理周辺の声として
「総理は頭にきている」
と、2月7日の日本テレビ「ニュースD」で伝えていました。「頭にくる」理由がわかりません。「柳澤大臣が軽率だ」というので頭に来ているのならわかりますが。「言葉狩りだ」という声も出ているそうですが・・・、そうなんでしょうか?

2007/2/7


◆ことばの話2823「液体物」

日本の空港から海外に向かう場合に、3月1日からテロ対策として、
「液体物」
の機内持ち込みが原則できなくなりました。このニュースで出てきた「液体物」という言葉に違和感を覚えました。なぜ「液体」ではないのか?というと、
「チューブに入ったクリーム状やジェル状のもの、エアゾールなど」
も規制の対象になるからということなんですね。単なる液体だけでなく、そういったものも含めるから「液体」ではなく「液体物」なんだと。でも「液体物」なんて言葉、何気ないようでいて、今までなかった言葉ですよね?
国土交通省のサイトを見ると、去年(2006年)の12月19日に、航空局監理部航空保安対策室の名前でこの件のお知らせが出ていました。それによると、
『本年(2006年)8月10日に明らかになった「英国での航空機爆破テロ未遂事件」を受け、12月7日、国際民間航空機関(ICAO)は、来年3月1日までに国際線で適用すべき暫定的な保安措置として、液体物の機内持込制限に関するガイドラインを各締約国に通知。我が国においても、国際的な協調の観点から、本ガイドラインに沿った新ルールを来年3月1日から国際線に導入することを決定。今後、航空会社、空港設置管理者等関係者と協力のうえ、広報活動を通じ、利用者に周知を図っていく予定。』
として、具体的な制度の内容としては、
『(1)液体物(ジェル及びエアゾールを含む)を手荷物として客室内に持ち込む際の制限であり、受託手荷物には適用されない。
(2)あらゆる液体物は、100ml以下の容器に入れる。(100mlを超える容器に100ml以下の液体物が入っている場合でも不可)
(3)それらの容器を再封可能な容量1L以下の透明プラスチック製袋に余裕をもって入れる。
(4)旅客一人当たりの袋の数は一つのみ。(そのプラスチック製袋を、検査場において検査員に提示しなければならない)
(5)医薬品、ベビーミルク/ベビーフード、特別な制限食等については、適用除外。(液体物の機内での必要性について照会されることがある)
(6)手荷物検査を効率的に実施するため、上記プラスチック袋及びラップトップコンピューター等電子機器はバックから取り出し、上着類は脱いで別々に検査員に提示。
(7)保安検査後の免税店等で購入した酒類等は機内持込が可能。しかし海外で乗り継ぐ場合は、その国のルールに従い没収される可能性有り。
ということでした。テロ防止のためとは言え、厳しいチェックです。3月1日、実施初日の関西空港では、このチェック強化によって、午前中の便は軒並み30分程度、離陸が遅れたそうです。
3月1日からの実施を前にした2月下旬のニュースで、この「液体物」という言葉が出てきた時には、原稿の中で1回、
「液体や、クリームやジェル状の液体物」
というふうに説明を付けるように報道デスクに要請して、そういう原稿でお昼のニュースを読ませました。
しかし、おそらくあっという間に普及しそうな気がしないでもないなあ、液体物。
Google検索(3月1日、日本語のページ)で
「液体物」=4万7400件
もありました。

2007/3/1


◆ことばの話2822「幕内と幕の内」

山形放送のHアナウンサーから問い合わせがありました。これをうちのHアナウンサーが受けました。(山形とは違う苗字のHアナです)質問内容は、
「大相撲の力士に関してなんですが、幕内力士のことを『まくのうち』ということがありますよね。これに『力士』をつけた場合には、『まくのうち・りきし』でしょうか?それとも『まくうち・りきし』でしょうか?」
というご質問だったとのこと。Hアナウンサーからそれを伝え聞いたのですが、うーん、正直言って、あんまり考えたことがなかったな。
考えること約30秒、チーン!まるで昔のアニメの一休さんみたいにひらめきました(この比喩も、最近の若い人にはわからないみたい。アニメの『一休さん』、最近、再放送してないもんね)。
つまりこういうことですね。
「幕内力士=幕の内」
「幕内力士」のことを「幕の内」と呼ぶので、
「幕の内力士」
とすると重複表現になってしまうので駄目だと。(「幕の内」と言うと、その後の「弁当」が出てきそうだし・・・。)
これは、相撲協会の確認は取っていませんが、そういうことなのじゃないかしら、と考えたのでした。
2007/3/19


◆ことばの話2821「素材の味を生かした」

新人アナが配属されて1年、すでに各番組で目一杯、頑張っています。そんな一人、Tアナウンサーのグルメリポートでのひと幕。
その日は「ゲテモノ」のリポートで、何かの虫の佃煮を食べた時のこと。仕事でのリポートですから、
「ゲッ」
と吐き出すわけにもいかず、そんな彼女が、落ち着いてマイクに向かって吐き出したひとことは、
「フム・・・素材の味を生かした味ですね。」
素材って・・・・どんな味やねん!?
と、おそらくテレビを見ていた視聴者の皆さんは全員「突っ込み」を入れたことだと思います。東北出身の彼女の「巧まざるボケ」の一面でした。
2007/3/4