◆ことばの話2650「戦略的価格設定」

9月15日の読売新聞・朝刊で、
「戦略的価格設定」
という言葉を目にしました。任天堂が「Wii(ウィー)」という新型ゲーム機を12月2日に売り出すことを発表したのですが、その価格が2万5000円(希望小売価格)なんだそうです。これは他社の同じようなゲーム機、たとえばソニー・コンピュータエンタテインメントが11月に発売する新型機が6万2790円マイクロソフトが売り出す、現行機の廉価版2万9800円大きく下回る価格で、それを指して「戦略的価格設定」と書いてあったのですが、これの意味はどうなんでしょうか?
赤字覚悟ではないと思いますが、かなり利幅を抑えて、ゲーム機の個性や内容よりも「価格」を武器に戦う姿勢である、ということなのでしょうか。
Google検索(9月20日)では、
「戦略的価格設定」=832件
でした。家電製品のサイトや、経営関係のサイトで使われているようでした。

2006/9/21


◆ことばの話2649「夜のお菓子」
出張で浜松に行ってきました。おみやげはもちろん、おなじみ、
「夜のお菓子・うなぎパイ」
このおみやげを会社で食べようとしたときに、
「なぜ『夜のお菓子』と言うのか?」
という話になり、私は、
「そりゃあ、ウナギの粉が入っているから、精力剤になっているんだろ」
といったところ、そのうなぎパイの袋の裏に印刷された文字を見ながら、新人のTアナが、
「いえ、違うみたいですよ。ここに『夜の調味料ガーリックを配合』って書いてありますから、ガーリックが入っているから『夜のお菓子』なんじゃないですか?」
ええ!?なんだって!し、知らなかった・・・そうだったのか・・・。
静岡出身のHアナウンサーに聞いてみると、
「そうですよ。もちろんウナギで精力が付くのは当然ですが、さらに、ガーリックが入っているから『夜のお菓子』ですよ。シゾーカ県人としちゃー、常識だら。」
そうだったのか、常識・・・静岡県人じゃないから、仕方なかんべ。
そんな中で今回、浜松駅の売店で、
「真夜中のお菓子・うなぎパイV.S.O.Pブランデー」
という「ブランデー入りのうなぎパイ」も見つけたのですが、そのことをHアナウンサーに話すと、
「え!?・・・それは知らないです・・・」
とのことでした。これで1勝1パイだ!

2006/9/20


◆ことばの話2648「アンビバレンスか?アンビバレンツか?」

朝日新聞社の『一冊の本』(2006年9月号)を読んでいたら、写真家で作家の星野博美さんという方のコラム「光のゆくえ」の第42回「破壊王」という文章の中に
「アンビバレンス」
という言葉が出てきて、「あれ?」と思いました。私の記憶ではこの言葉は、
「アンビバレンツ」
ではなかったか?と思ったからです。『岩波国語辞典』は「アンビバレンス」でした。また『広辞苑』は「アンビヴァレンス」でした。『新明解国語辞典』を引くと見出しは、
「アンビバレンス」
しかなく、その意味の説明の中に、
「アンビバレンツ」
がありました。『日本語新辞典』を引くと、
「アンビバレント」
が見出しで、「アンビバレンス」「アンビバレンツ」はありませんでした。『明鏡国語辞典』も「アンビバレント」でした。『新潮現代国語辞典』は、見出しにこの言葉はなし。『日本国語大辞典』
「アンビバレンス」(名詞)
「アンビバレント」(形容動詞)
で出ていました。
名詞形の「アンビバレンス」に「な」を付けるだけ。「アンビバレンスな」と形容動詞化できるので、あえて「アンビバレント」「アンビバレンツ」という形は必要とされていないのでしょうかね?Google検索(9月14日)では、
「アンビバレンス」= 7万7600件
「アンビバレンツ」= 4万9300件
「アンビバレント」= 7万5100件
「アンビヴァレンス」= 787件
「アンビヴァレント」= 2万6000件
「アンビヴァレンツ」= 1万5100件
でした。うーん、謎は解明されたわけではありません。まだ、調べますね。

2006/9/20


◆ことばの話2647「フェアトレード」

(これも、随分前に書きかけたまま、放っておいたものですが・・・)
4月13日の産経新聞に、
「フェアトレードコーヒーでアフリカの生産地支援」
「『キリマン』飲んで国際貢献」
という見出しの記事が載っていました。この見出しの
「フェアトレード」
とは、
「公正な取引」
のことです。数年前に初めてこの言葉を知ったのは、ワインを買ったときでした。南アフリカのワインだったと思います。こういう言葉が取り上げられるということは、実はそれだけ、
「フェアでないトレード」
がはびこっているということの現われでもありますね。なんだか言葉だけが先行すると、またこの「フェアトレード」を騙るやつらが出てくるかもしれないという気もしますが、理念は間違っていないと思うので、物を買う際にはちょっと気をつけてみてみたいと思います。
Google検索では(2006、9、12)、
「フェアトレード」=111万件
でした。

2006/9/12


◆ことばの話2646「和製ホープ」

9月15日の読売新聞朝刊のスポーツ欄。大相撲秋場所で栃東が稀勢の里に、気迫の「押し」で勝ったと載っていました。その記事の中で、小結・稀勢の里のことを指して、
20歳の和製ホープ」
と書かれていて、見出しもそれを取って
「ひざ痛なんの 和製ホープに意地」
とありました。しかし、「和製ディマジオ」「和製ジーター」とか、「和製」のあとに「固有名詞」が来るならわかりますが、「ホープ」は「普通名詞」ですよね。なんかヘンな感じ。
「外国人力士優勢の今」なので「日本人が頑張れば盛り上がる」という思いを秘めているそうですが、なんだかヘンです。Google検索(9月15日)では、
「和製ホープ」=2400
でしたが、大体「稀勢の里」=「和製ホープ」で使われていて、他の力士にはあまり使われていないようです。とすると、ニックネームか?あ、和製ホープは「豊真将」にも使われていました。いずれにせよ、新しい言葉のようです。


2006/9/15
(追記)

9月20日の朝日新聞夕刊に、
「長身俊敏『和製アンリ』」
という見出しで、サッカーのU−19代表の中京大中京高校・伊藤 翔選手(183センチ、50メートル6秒1)を紹介していました。この場合は、
「その動きからフランス代表FWになぞらえて『和製アンリ』と呼ばれる」
ということで、正統な使い方だと思います。
2006/9/20