◆ことばの話2635「ペテン師と詐欺師」

読売テレビの事業局の主催でいろいろなイベントが行なわれていますが、この間ポスターを見ていたら、鹿賀丈史・市村正親主演で、
「ペテン師と詐欺師」
というミュージカルが、11月8日から12日まで梅田芸術劇場メインホールで行なわれると書いてありました。2005年度トニー賞に輝くブロードウェイ・ミュージカルとのことですが、このタイトルに出てくる「ペテン師」と「詐欺師」はどう違うのでしょうか?
うーん、直感ですが「詐欺」の方が「ペテン」よりも重そうな感じがするなあ。刑法に「詐欺罪」というのはあっても、「ペテン罪」なんて聞いたことがないですよね。
辞書を引いてみましょう。『新明解国語辞典』は、
「ペテン」=[口頭]詐欺。(例)「ペテンにかける(=だます)、ペテン師」
あらら。「詐欺」の口頭語なだけ?
「詐欺」=他人をだまして金や品物をとったり、損害を与えたりすること。(例)「詐欺にあう、詐欺罪、詐欺師」
うーん、他の辞書は?『岩波国語辞典』は、
「ペテン」=だますこと。いんちき。(例)「ペテンにかける」
そう、「いんちき」の方が「詐欺」より「ペテン」に近いイメージがありますねえ。ところで「ペテン」ってもともと何語なんだろ?イメージとしては、倒置語のような感じがするな。たとえば「女」を「なおん」、「メシ」を「シーメ」とか言うような。とすると、もとの言葉は、
「テンペ」
かな?「テンペ」って、なんじゃ?うーん。『新潮現代国語辞典』を引きました。
「ペテン」(中国語・「弓并(で、一字)子(peng tzu)」の転という)だますこと。あざむくこと。また、その方法。(例)「ペテンにかかつたやうな気がしてならない」(「金と銀」)
あ、やっぱり倒置語なのか!で、もとは中国語なのかな。『明鏡国語辞典』は、
「ペテン」=ウソをついて人をだますこと。また、その手段。(例)「ペテンにかける」「ペテン師」▽中国語からか。
ここにも「中国語」説が載っていますね。ネットで検索したところ、『語源由来事典』というところに、
http://66.102.7.104/search?q=cache:vCsfd9RqWt4J:gogen-allguide.com/he/peten.html+%E3%83%9A%E3%83%86%E3%83%B3&hl=
ja&ct=clnk&cd=1
「『ペテン』は詐欺を意味する中国語『bengzi』が訛ったとされる。」
と記されていました。
結論!「ペテン」は、「詐欺」の俗語、ということで。


2006/9/9


◆ことばの話2634「タンババとカニババ」

先日の東京出張からの帰り、新幹線をJR京都駅で降り、近鉄に乗り換えて「丹波橋」駅まで来たところで、電車の中でケータイでしゃべっている20代初めぐらいの女性の声が耳に入りました。彼女は、
「うん、今、タンババ」
と言いました。え、何?タンババ?タンババと40人の盗賊?それはアリババ。
一瞬あとに気づきました。そう、「タンババ」とは、
「丹波橋(タンババシ)」
のことだったのです。そんな略し方、するかあ!「シ」しか短くなってないやんか!
こういった略し方は若者の間でよく使われているのでしょうか?たとえば、
「ヨドヤバ」(淀屋橋)
「ニッポンバ」(日本橋)
「テンマバ」(天満橋)
「キョウバ」(京橋)
なんて言ってるんだろうか?東京だと、
「スイドウバ」(水道橋)
「イイダバ」(飯田橋)
「ニホンバ」(日本橋)
とか言ってんでしょうか?
Google検索してみたところ(9月9日)、「タンババ」ありました!「同志社ナビ用語集」というサイトです。
http://72.14.253.104/search?q=cache:ikjOhmOICqsJ:www.dnavi.com/dterms/
index.cgi%3Ffunction%3Dindividual%26id%3D140+%E2%80%9D%
E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%90%E3%83%90%E2%80%9D&hl=ja&ct=clnk&cd=6
「タンババ」=「丹波橋の略称。京阪と近鉄が接続している。最近特急が止まるようになった。桃御とちがい周りには何も無い。( 2002/06/22)
やっぱり「丹波橋」のことを「タンババ」と言うのですね!4年前の記録だけど。あの彼女は、同志社大学の学生なのかもしれませんね。
「ヨドヤバ」「ニッポンバ」「テンマバ」「キョウバ」、それに東京の「スイドウバ」「イイダバ」「ニホンバ」も、ざっと検索してみましたが、見当たりませんでした。学生用語、若者語として京都に存在しているようですね、「タンババ」のみ。あ、じゃあ大阪大学に近い「石橋」「イシバ」と呼ばれているのかな?・・・検索したけど見当たりませんでした。「ババ」という響きがいいのかもしれませんね。
さて、この「タンババ」の話を会社でしたところ、Hアナウンサーが、
「道浦さん、『カニババ』って知ってますか?」
うーんと、「かにみそ」のこと?
「いや、カニミソではなく、赤ちゃんのウンコのことを、大阪では『カニババ』って言うんですよね。こないだ僕も初めて知りました。』
そうだったか。そう言えば、そんなことを聞いたような気がするぞ。牧村史陽『大阪ことば事典』を引くと、
「カニババ」(蟹糞)=カニクソ。産児の初めて出す糞。」
とありました。ふーん。『日本語新辞典』も引いてみると、
「かにばば」(蟹屎)=カニババ。新生児が生後初めてする大便。黒っぽくて粘り気がある。胎便。かにくそ。
『新明解国語辞典』『岩波国語辞典』にも載っていました。ということは、大阪弁ではなく共通語ですね。
早稲田大学の学生時代、大学の本部と文学部キャンパスの間の交差点の地名が、
「馬場下町」
で、関西出身の学生は入学後しばらく「クスクス・・・」と頭の中で思っていた(と思う)のですが、「カニババ」における「ババ」は、「ババ」=「大便」は関西弁ではなく、全国共通語なんですねえ。あら、「丹波橋」から随分話がそれました。

2006/9/9


◆ことばの話2633「パパ、チタ」

9月5日、ちょっと言葉が遅いように思っていた1歳7か月の娘が、初めて、
「文章」
をしゃべりました!
それは、うんちのオムツを私が替えたあとに、
「お父さんがオムツを換えてくれた」
ということを、台所にいるママに報告する言葉で、
「パパ、チタ」
というものでした。「主語(パパ)」と「動詞(チタ=した=してくれた)」の2語からなる、「立派な文章」
です。
こうやって言葉のネットワークが次々につながって行って、そのうち、片言だったことなんて片鱗も見せないようになって行くんでしょうね・・・。人間の脳の成長って、不思議ですねえ。
でもまだ、5回に1回くらい、「パパ」と「ママ」を取り違えて言うんですけどね。
平成ことば事情2619「いやや」、207「そうでっか」も、合わせてお読みください。

2006/9/6

(追記)

9月16日現在の語彙は、
「て!」「てーてーてー」「あけて!」という意味。「わー!」「こんばんはー」「おはー」「おはよう」という意味です。
また10月30日現在の語彙として、
「にいにい」(お兄ちゃん)、「ねえねえ」(お姉ちゃん)、「てて!」(手をつないで!)、「あっこ」(だっこ)、「バッバー」(バイバイ、さようなら)、「プープー」(くまのプーさん)、「ぞ」(ゾウさん)、「ブー」(自動車、特にバス)、「チー」(チーズ)、「にゅうにゅう」(牛乳)など、随分語彙は増えました。でもいまだに、ネコもクマもトラもパンダも馬もキリンも、もちろん犬も、
「ワンワン」
です・・・。
2006/10/30

(追記2)

あと、「カワイ」(=こわい)、「イタイ」(=痛い)、「カユイ」(=かゆい)も言いますよ。
ついでだから上の息子(現在9歳・小3)の小さい時の発言のメモもまとめておきましょう。
<2003年>
*2月3日(5歳)
「今日(保育所に)本物の鬼、来んねんで!」
と言うので、
「どのくらい大きいの?」
と聞くと、大きく息を吸い込んで、
「あんな、1メートル!」
と言ってました。それは・・大きいな?鬼は2人来るそうで、
「何色?」
と聞くと、
「赤とブルー。でもなあ、ブルー言うても緑やねん。」
と言ってました。昔は緑も青と呼んだことから考えると、「青鬼が緑」でも不思議はないですね。朝青龍と朝赤龍。五人揃ってゴレンジャー。関係ないか。
*4月29日(5歳)
「自由のめがね」
*5月15日(5歳)
妻が、
「そのセンスは、あなたの子やわ」
と言ったところ、当の息子が
「え!センス?扇子パタパタ」
*6月18日(5歳)
「子どもはエンゼルやなあ」
といったのを耳にした長男が、ニヤリと笑いながら、
「なに?エンゼルとグレーテル?」
*7月21日(5歳)
長男が眠りながら、なにやらムニャムニャ。
「ちょー、見して、見して!どんなん?見えへん!」
わりとはっきりとした声で。そりゃ見えないだろ、目をつぶって寝てるんだから。それとも目をつぶっているから(夢の中で)見えるのか?一体何を見ようとしていたのか、気になる・・・。
*10月30日(6歳)
フジテレビの「トリビアの泉」を一緒に見ていた長男がひとこと。
「イモリって、いつもいるなあ。」
井森?いたっけ?…ああ、それはタモリや!
<2004年>
*4月24日(6歳)
回転寿司店に行った時のこと。息子がインターホン注文しました。
「おいなり、わさび抜きで!」
「おいなりさんには、わさびは入ってないやろ」
と言うと、
「入ってるで!こないだ、入っているの、あったもん!」
そういえば確かに先日、ワサビ入りのおいなりさんを食べたなあ。あることは、あるんだな。普通は入っていないけど。そう思っているとまた息子がインターホンに向かって、
「プリンとパンナコッタ、わさび抜きで!」
それは絶対、ない!それにしても最近の回転寿司店は、寿司以外にもいろいろメニューがあるなあ。
*11月4日(7歳)
アニメの「ポケットモンスター」(ポケモン)にハマっていた息子。そのポケモンに、
「ゴローニャ」
というのがいると聞いた私が、
「イタリアに、ゴローニャという街があるねんで!」
と言ったところ、しばらく考えて、
「ボローニャやろ」
と一言。してやられました。
<2005年はなくて2006年>
*2月6日(8歳)
一緒にお風呂に入っていた時に息子からの質問。
「アリストテレスってどんな人?」
またいきなり、何を聞くんや!と思いながら、
「まあ哲学者やな!」
と答えたら、
「ふーん」
と納得していました。
****************************************
こうやって見ると、大人が思いもつかないおもしろいことを言うのは、
「5歳まで」
だなあ。貴重な数年間なのですね。

さて、1歳9か月の下の娘の言葉です。
最近の口癖は、口をとがらせ声低くして、まるで「あっかんべー」を言うような口調で、
「いややよおー」
と言います。これはけっこう、かわいいです。
2006/11/15

(追記3)

1歳9か月の娘、朝、兄と母の3人で家を出て、まず兄が小学校へ行きそのあと保育所に着きました。そして先生に会った時に、
「にーに、バイバイ、した」(訳:お兄ちゃんとバイバイをした)
と文で話をしていたと、妻から報告がありました。ついに3語の文章に突入!まだ助詞は無理だけどね。
2006/11/21

(追記4)

これまでに1歳10か月の娘が歌える歌は、「犬のおまわりさん」の最後の、
「わんわん、わわん」
の部分と、輪唱の「カエルの歌が聞こえてくるよ」の最後の、
「グワッグワッグワー」
の部分とか、キューピーのタラコ・スパのコマーシャルソングの最初の部分、
「あーこー、あーこー」
(本人は「たーらこー、たーらこー」のつもり。「た」の「T」の音が出ないので、「たらこ」が「あーこ」になっている。)
のところなどだったのですが、最近、「チューリップ」を歌うようになってきました。
最初の部分の、
「さいたー、さいたー、チューリップのはーなーがー」
のことを、
「あいたー、あいたー、ぷーふっふのー、あなーがー」
と歌っています。「さいた」の「さ」の子音「S」の音がやはり出にくいので「あいたー」になり、「はな」の「は」の子音「H」が出ないので、「あーなーがー」になっていますが、特にむずかしいようなのが「チューリップ」で、
「プーフッフ」
になっています。「チュー」と口を尖らせてはいるのですが、出て来る音は「プー」です。
また、なまえは「なおこ」というのですが、自分のことを、
「なおなお」
と呼ぶようになってきました。これまでは自分のことを指差すだけだったのに。日に日に成長しているようです。
2006/12/11


◆ことばの話2632「には」

9月6日、福井放送の川島秀成アナウンサーからメールが来ました。
「本日、秋篠宮妃紀子様が男児をご出産されましたね。その中で気になる(というか、毎回宮内庁の会見で疑問に思っていたのですが)表現がありました。それは・・・『秋篠宮紀子妃殿下には・・・』の『には』です。どうして『妃殿下は』ではなく『妃殿下には』なんでしょうか?自分なりに考えてみると『紀子様においては・・・』の省略された形なのかなとも思います。ただ省略する理由が見つからなくて・・・。どうしても、毎回あの言い回しの会見を聞くと『変な日本語・・・』」と思います。なぜこういった時に『には』と言うのでしょうか?」
という質問でした。
この「には」は、結婚披露宴の祝辞なんかでも耳にしますよね。で、たしかにちょっと「ん??」と思うような言い回しです。そこで、こんな返事を出しました。
「お尋ねの件ですが、私も若い頃は気になりました。特に結婚式の披露宴の司会をしている時などに、『ご両家のお父様お母様には、まことにおめでとうございます』というような、『には』を聞いて不思議に思っていました。でもその後あなたと同じように、『におかれましては』という意味だろうと思って、気にならなくなってました。今『日本国語大辞典』を引いて見ますと、載っていました。
『には』(2)尊敬の対象となる人物を主語として表わすことを避け、間接的に尊敬の意を表す。もとはその住む所などを示す語を受けたが、後には人物を示す語を直ちに受けるようにもなった。・・・におかせられては。
(例)「大将殿には平らかにおはしましき」(宇津保物語)、「大殿には、かやうの御ありき」(源氏物語・葵)
というふうに載っています。つまり伝統的な遣い方ということでしょう。『〜におかれては』という考え方は合ってましたね。皇室関係や、本当に丁寧な敬語の世界におかせられましては、いまだに生きている言葉遣いと申せましょう。」
川島アナから返事が来ました。
「早速のご返答、ありがとうございます。『には』だけを辞書で引いて出てくるんですね。自分で調べればよかったなと反省しております。『には』という表現は、あまりにも伝統的&本当に丁寧な場合にのみ使われるということで、なじみがなく、使用頻度がそれほど多くないために変に聞こえてしまうのかもしれませんね。ありがとうございました。」
ということでした。めでたし、めでたし。
2006/9/6


◆ことばの話2631「合挽きミンチ」

7月29日の「ウエークアップぷらす」で、米国産牛肉の輸入再開の話題を取り上げていました。その中で辛坊治郎キャスターが、
「米国産か国産かをちゃんと表示してあれば選べるけど、外食レストランなどで合挽きミンチで料理された中に出てきたら、混ざっていてもわからない」
というような発言をしました。ゲストも頷いていましたが、私は「おや?」と思いました。発言の内容についてではなく、
「合挽きミンチ」
という言葉についてです。この言葉は以前「関西弁だ」と聞いたことがあったからです。だとすると全国ネットの「ウェークアップ」で「合挽きミンチ」と言っても通じないのではないか?と思ったからです。確認のため、食べ物関係の言葉にとっても詳しいNHK放送文化研究所の塩田雄大さんにメールで尋ねました。
「『合挽きミンチ』は『隠れた関西弁』なのでしょうか?それとも『共通語』なのでしょうか?『ミンチカツ』が関東では『メンチカツ』と言われているのは知っていますが、豚肉と牛肉が混ざった『合挽きミンチ』は全国どこでも『合挽きミンチ』なのでしょうか?ご教示ください。よろしくお願いします!」
すぐに返事が来ました。
「塩田です。少なくとも『合い挽きミンチ』の使用率が関東では極端に低いということは、想像として言えそうです。ただ、データがありません。関連するものとして『ほべりぐ』のものがありました。
No.17408[DB]ミンチ
No.17275「たね」か「ねた」か
http://hougen.atok.com/cafebbs/showcafebbs.sv?did=4&start=17327

また、武庫川女子大学の佐竹秀雄先生にも伺ったところ、
「『合挽きミンチ』について関西方言であることは多分間違いない。豚肉と牛肉が混ざった挽き肉は、関東では単に『合挽き』もしくは『合挽き肉』と言っていたと記憶している。関西は牛文化なので、単に『ミンチ』と言えば牛の挽き肉、豚の挽き肉は『豚ミンチ』、鳥の挽き肉は『鳥ミンチ』と言っていたので、豚と牛のミックスの場合は同様に『合挽き』の『ミンチ』の意味で『合挽きミンチ』が成立したと考えられる。したがって、関西弁であるのは間違いないと思う。『合挽きミンチ』は、私の語感では比較的新しい言葉のような気がしたが、妻は結構昔から使っていたようだと言っている。』
とのことでした。関西弁であるのは間違いなさそうですね。
そのことを辛坊キャスターに伝えると、
「うそっ!!?じゃあ、標準語では『合挽きミンチ』のことを、なんて言うんだ?」
と驚いていました。佐竹先生によると、関東では単に、
「合挽き」もしくは「合挽き肉」と言う
ということですね。
2006/9/6

(追記)

NHK放送文化研究所の塩田雄大・専任研究員が、10月29日放送のNHKラジオに出演され、
「ミンチとひき肉」
について語ってらっしゃいました。一人でもセンニン研究員・・・千人力。
それによると、NHK放送研究所では2004年にインターネットを使って1741人から、
「ミンチを買う」「ひき肉を買う」
のどちらを使うか聞いたところ、「ミンチ」は西日本、特に関西で多い傾向が出たということです。データによると、
「ミンチを買う」=11%
(北海道3%、東北0%、関東2%、甲信越0%、東海8%、北陸5%、関西48%、中国19%、四国12%、九州・沖縄13%)
「ひき肉を買う」=おそらく89%(引き算で。ラジオでは触れていなかった。)
ということでした。
また、ミンチをフライにしたものは、関西では「ミンチカツ」、関東では「メンチカツ」と言うのもよく知られていますが、塩田さんは、
「『ミンチ』は外来語。肉を細かく刻むことを英語で、
『ミンス(mince)』
と言うが、これが明治時代に日本人(関西人か)の耳には「ミンチ」と聞こえたのだろう」と言います。そしてなぜ関西では「ミンチ」を使うのか、ということに関しては、「想像なんですが・・・」と断りながら、
「『肉』と言った時に、西日本では『牛肉』を指すことが多いことから、『豚肉などのひき肉』に『肉』という言葉を使いにくかったので、新しく外来語の『ミンチ』を使って、豚肉や鶏肉の挽いたものにも使えるようにしたのではないか?」
と話してらっしゃいました。
「想像なんですが・・・」と控えめにおっしゃってますが、恐らくそのとおりでしょうね。大変参考になりました!ちなみに「ミンス(mince)」という単語には
「控えめに言う」
という意味も、英和辞典に載っていました。
2006/11/3
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