◆ことばの話2625「高齢化社会と高齢社会」

「ミヤネ屋」の特集のナレーションを読みました。東京都東大和市の特別養護老人ホームの職員が入居者の女性に性的な暴言を吐いたとされる事件に関するものでした。その中で、
「日本はこれからさらに高齢化社会が進み・・・」
という一文があったので、ディレクターに、
「高齢化社会と高齢社会の違い、知ってる?」
と聞いたところ、
「え・・・高齢社会に至る過程が高齢化社会では・・?」
という答えだったので、
「高齢化社会と高齢社会は明確な定義があるんだよ。たしか高齢者が人口の7%を超えると高齢化社会、14%を超えると高齢社会じゃなかったかな。厚生労働省か何かの定義によると。」
と言いながら、インターネットで検索すると、出てきました、
国連では65歳以上の人口が全人口の7%を超えれば「高齢化社会」、14%を超えれば「高齢社会」と定義しているのだとか。国連かあ。日本は昭和45年(1970年)に7%を超え、平成6年(1994年)には14%を超えたとのこと。じゃあ、堂々たる「高齢社会」ですね。
厚生労働省の『高齢者白書2006年版』(ネット版)によると、
『我が国の総人口は、平成17(2005)年10月1日現在、1億2,776万人となり、前年(1億2,778万人:推計人口の遡及補正後)に比べて2万人減少(△0.02%)し、戦後では初めてマイナスに転じた。65歳以上の高齢者人口は、過去最高の2,560万人となり、総人口に占める割合(高齢化率)も20.04%と、初めて20%を超えた。高齢者人口は平成32(2020)年まで急速に増加し、その後はおおむね安定的に推移する一方、総人口が減少することから、高齢化率は上昇を続け、27(2015)年には26.0%、62(2050)年には35.7%に達すると見込まれている。都道府県別の高齢化率は、三大都市圏で低く、それ以外の地域で高い。平成16(2004) 年現在、最も高い島根県で26.8%、最も低い埼玉県で15.5%となっている。今後、高齢化率はすべての都道府県で上昇し、37(2025)年には、最も高い秋田県で35.4%、最も低い沖縄県でも24.0%に達すると見込まれている。今後我が国の高齢化は、大都市圏を含めて全国的な広がりをみせることとなる。』
とありました。14%の「高齢社会」どころか、20%を超えているのですよ、現状は5人に一人が65歳以上。「高齢社会」の上はなんと呼ぶか・・・そう、ご想像通り、
「超高齢社会」
です。これは全人口に占める高齢者の割合が21%を超えるとそう呼ばれます・・・って、もう目の前じゃない。もしかしたらもうなっているかもしれない「超高齢社会」。
しかし、こういった定義ができた時の65歳以上と、現在の65歳以上の人では、ちょっと内容が違うようにも思いますから、数字だけでああだこうだと言っても始まらない気もしますけどね。大変なことは間違いない、ですね。
2006/8/17
(追記)

NHK放送文化研究所の塩田雄大さんからメールとファックスをいただきました。ファックスは東京新聞の2005年11月6日の記事。タイトルは『「孫引き」の危うさ』です。それによると、この記事を書いた日比野守男氏が、2005年の『厚生労働白書』に、
「国連では従来、六十五歳以上の人口の占める割合(高齢化率)が7%を超えると『高齢化社会』、14%を超えると「高齢社会」とされているが・・・」
と書いてある文章を見て、厚生労働省に1956年の国連の文書を見せてもらって確認したところ、
「高齢化率が7%を超えれば「aged」(高齢化した)とあるだけで、それ以外の記述はなかった。つまり国連は高齢化社会の定義をしただけなのである。厚労省は誤りを認め、来年の白書から訂正する。」
ということなのだそうです。
え!そうなのか!知らなかったなあ。塩田さん、ありがとうございました。
でも何らかの定義は必要ですし、もう国連の定める「高齢化社会(人口の7%)」なんかとっくの昔に越えてしまったということは事実なので、新たな定義が必要でしょうね。平成上に書いた平成18年版の「高齢者白書」(ネット版)にこんな記述がありましたが、これが、
「厚労省は誤りを認め、来年の白書から訂正」
したということでしょうか?
『コラム1「高齢社会」「高齢化社会」とは?
一般に、高齢化率が7%を超えた社会を「高齢化社会」、14%を超えた社会を「高齢社会」と呼んでいる。
「高齢化社会」という用語は、1956(昭和31)年の国連の報告書において、当時の欧米先進国の水準を基にしつつ、仮に、7%以上を「高齢化した(aged)」人口と呼んでいたことに由来するのではないかとされているが、必ずしも定かではない。
また、「高齢社会」については、高齢化率が7%からその2倍の14%に到達するまでの期間(倍化年数)が、高齢化の進展のスピードを示す指標として国際比較などでよく使われている(「第1章 第1節 5(2)高齢化の国際比較」参照)ことから、高齢化率14%を一つの基準として、これを超えたものを「高齢社会」と呼んでいるものと考えられる。
なんだか、素直に誤まりを認めたと言うよりも、ごまかした感じがするなあ・・・。
2006/8/24
(追記2)

『ことばのくずかご88年版』(見坊豪紀、稲垣吉彦、山崎 誠:筑摩書房)に、
「六十五歳以上の老人の全人口に対する比率が七パーセントに達したら高齢化社会と呼ぶ。一四パーセントに達すると高齢国家と呼ぶ。」(「学士会報告」1987年4月号36ページ「老化をめぐるあれこれ」今堀和友)
と載っていました。14%を越えたら「高齢国家」(高齢社会)って、随分前から言われていたんですね。
2006/9/12


◆ことばの話2624「佐渡島をめぐるエトセトラ」

新人のKアナに、お昼ご飯の際にこんな質問をしました。
「佐渡島はどこにある?」
「ええー佐渡島ですかあ・・・日本海」
「正解!じゃあ、佐渡島にある鉱山は、何の鉱山?」
「鉱山ですかあ・・・・鉄?」
「ブブーッ。不正解。佐渡といえば『金』でしょうが。では第3問!佐渡島の有名な民謡は?」
「えー・・・民謡なんてあるんですかあ?・・・・江刺追分?」
「なんで北海道なんや!『佐渡おけさ』やろ!知らんか?」
「全然、知りません。」
同じく新人のTアナに聞いたところ、同じ答えでした。
なんでこんな質問をしたかというと、その昔、同じ質問にこう答えた人がいたからです。
「佐渡島はどこにある?」
「え?地中海」
「なにー!!?」
「あ、間違いました、瀬戸内海」
「アホか!『日本海』やろが。じゃあ佐渡で有名な鉱山は?」
「うーん、銀山!」
「・・・じゃあ、佐渡で有名な民謡の名前は?」
「・・・・佐渡民謡」
本人の名誉のために名は秘しますが、以前、これについては書いたような気がします。(「ことば事情879黒ブタとうずら」を参照)
それに比べれば、第一問ができただけでもマシなのかなあ・・・。
念のため2年目のMアナウンサーにも同じ質問をしたところ、第1、2問はクリアー。3問目の答えは、
「佐渡踊り?」
でした・・・。アチャー・・・。大丈夫か、読売テレビアナウンス部!!
2006/8/11


◆ことばの話2623「よいお盆を」

お盆を控えた金曜日の午後7時前、私が保育所に1歳半の娘を迎えに行く途中、ビルから出てきた20代後半と思われる女性と小学4年生ぐらいの男の子。女性はおそらく塾の先生でしょう。その先生が男の子に向かって、こう、言うのが聞こえました。
「よいお盆を!」
それを耳にして「えっ!?」と思って振り返ると、男の子も先生に対して、
「よいお盆を!」
と返していました。いやあ、
「よい週末を」
「よいお年を」
という言い方は聞いたことも言ったこともありますが、「よいお盆を」というのは初めて聞きました。なんだか取って付けたような感じだなあ。「お盆」の「休み」をつけて、
「よいお盆休みを」
だと、やや違和感は少なくなるのですが。
Google検索してみると(8月16日)、
「よいお盆を」= 1万4000件
「よいお盆休みを」= 9470件
と、なんだ、結構使われているではないですか!でもなんだか、
Good ○○○」
という英文を直訳したような感じがするなあ。
私たち放送局の現場勤務だと、あんまり「お盆」とか「ゴールデンウィーク」とか関係ないから、世間一般では「よいお盆を」という言葉が使われていたのに、気づかなかったのでしょうか?かくいう私、お盆の送り火の16日、泊り勤務です・・・・。みなさん、よいお盆を・・・ってもうおわりだなあ、お盆。ボン・ジュール。
2006/8/16


◆ことばの話2622「ものたりなそうか?ものたらなさそうか?」

「週刊えみいSHOW」の番組収録を前に台本を読んでいたMアナウンサーから、
「道浦さん、『ものたりなそう』ですかね?それとも『ものたりなさそう』ですかね?」
と質問を受けました。つまり「さ」が入るかどうか、という問題です。
「ちょっと待てよ。確か、似たような話しを書いたことがあるぞ」
と「平成ことば事情」を検索すると、「1504知らなすぎるか?知らなさすぎるか?」というのが出てきました。これこれ。これを読めば分るかな。
読んでみると、語尾の「ない」を助動詞としてとらえるか、形容詞の活用語尾としてとらえるかで、「さ」が付くかどうかが変わってくるということですね。つまり「助動詞」だと「さ」が付いて「形容詞」だと付かない。
この場合「ものたりない」は、もともと「物」+「足りない」「足りない」の「ない」は助動詞ですから「さ」が付く。ところが、既に複合動詞として「ものたりない」という一語の形容詞になってしまっているので、「さ」は付かない。そのはざまで揺れていると考えられます。
そのようにMアナウンサーに説明したところ、
「なるほど!分りました。でもなんだかかみそうなので、『ものたりない感じ』にします。」
とのことでした。なんじゃ、そりゃ!
2006/8/11


◆ことばの話2621「数字の読み方2006夏」

えー、数字の読み方で、いろいろと意見が分かれるものがございます。
たとえば「七」は「シチ」なのか「ナナ」なのか、とか「九」は「ク」か「キュー」なのかとか。
そういった気になった数字の読み方などについてここ2年ほどでメモしておいたものを、ここに集めて記録しておきます。

*2004年9月24日
戦争中、「参謀第二部」のことを「G2」と呼んだとのこと。脚本を書いてる「G2」とは関係ない。
*2004年12月31日
NHK「ゆく年くる年」の男性ナレーター。
「山古志村から避難してきた929人(キューヒャクニジュークにん)が仮設住宅で生活している」と。「キュー」と「ク」が混在。
*2005年1月16日
NHK「BS2」で、スポットCMで女性アナが、「BS2」
「ビーエス・トゥー」
と言った。「ツー」ではなく。英語読み。
*2005年1月17日
天皇陛下が、
「阪神淡路大震災10『周』年」
と、兵庫県公館での追悼式典で。村田よしたか防災担当大臣も、
「10周年式典」
と言った。正式の式典名がそうなのかも。放送では普通、震災のような出来事の場合「周年」は使わないようにしている。また、天皇陛下は、
「意義深いものだ」
という言葉を、
「いぎ・ふかい(HL・LHL)」
と。「深い」は濁らなかった。
数字とは関係ないけど、1月17日の震災10年でうちの番組に出演してくれた、神戸出身の歌手・平松愛理さんが歌った曲『美(うま)し都、WE LOVE KOBE頑張ろや』の歌詞で、
「青春を賛歌する都」
という部分があったけど、これって、
謳歌する都」
ではないのかな?と思いました。
*2005年1月22日
「足場作業板」の数え方は、「1スパン」。数え方の単位。
*2005年3月9日
読売新聞が洋数字を採用。その関連で「100歳」「107歳」「100」「107」は、横に3つのアラビア数字が並んでいたが、その横に出ていた記事の3セクの社員「674人」「553人」は、「6」「7」「4」人、「5」「5」「3」人が、縦に並んで書いてあった。同じ3ケタの数字なのに、なぜ?
*2005年3月13日
日本テレビの『バンキシャ』に出てきた明治30年生まれの最高齢の女性が「1月19日」を、
「1げつ19にち」
と「がつ」ではなく「げつ」と言っていた。また、「お守り5体」と字幕スーパーが。お守りの数え方は「体」なのか?
*2005年3月18日
「4次」の読み方は「ヨンジ」か?それとも「ヨジ」か?
*2005年4月3日
こぶ平の「林家正蔵」、なぜ「九代」「九代目」ではないの?
*2005年10月31日
東京のJR中央線の車掌さんの車内アナウンスで、
「長い座席はシチニンがけです」
「七人」(シチニン)と!
*2005年11月7日
ふらっと入った居酒屋に置いてあった「芋焼酎」の名前が、
『不阿羅王』(ファラオと読むみたい)『拾伍歩』(じゅうごねんのあゆみ)』
となかなか凝っている。これに対して同じ焼酎でも「麦焼酎」は、
『九代目』『茶屋』『源次郎』
とシンプルだった。あんまり数字に関係ないけど。
*2005年11月22日
ABC『本当は怖い〜』で線維筋痛症について取り上げていました。その際に女性ナレーターが、「11か所」を、
『じゅういちかしょ』
と、二回も読んでいました。「ジューイッカショ」でいいのでは?
*2006年2月16日
フィギュア・スケートの男子選手、関西大学の高橋選手。
「ジャンプを一本とんだら」
と。スケートでもジャンプの数え方は「1本、2本」なのか。また、後輩の織田信成選手は、「大舞台」を「おお舞台」と言った。
*2006年2月26日
「実験用マウス」の数え方(助数詞)は、「一頭、二頭」だと思う。「実験用ラット」「匹」。「ラット」と「マウス」はどう違う?
*2006年4月9日
佐藤俊樹『桜が創った日本』(岩波新書)で、
「明治零(ゼロ)年代」(78ページ)
「明治ゼロ年代」(82ページ)
という表現が出てきました。これは、
「明治元年が九年までをさす呼び方」
なんだそうです。
*2006年4月10日
「票」の数え方について。「20万票(ビョウ)」、「3万票(ビョウ)」と、「ん」のあとは「ビョウ」になる。しかし「4」だけは「ヨンヒョウ」と濁らない。これはもともと「4票」は、「シヒョウ」で、「(よ)ん」じゃなかったから「ビョウ」ではなく「ヒョウ」となる。「3階」は「サンガイ」と濁るのに「4階」は「よんかい」と濁らないのと同じだろう。
でもなぜ「3俵」「4俵」は「サンピョウ」「ヨンヒョウ・ヨンピョウ」と半濁音なのか?また「3件(ケン)」と「3軒(ゲン)」、「3階(サンガイ)」と「3回(サンカイ)」の違いについても明確な答えが欲しい。ふつう「一匹、二匹」もしくは「一羽、二羽」と数えるウサギは、なぜ「一兎、二兎」という数え方もあるのか?
*2006年4月10日
警察は「110番」、消防・救急車は「119番」というのは誰でも知っているが、この日のニュースでは「118番」というのが出てきた、これは「海上保安部の電話番号」なのだそうだ。むやみにかけないように。
*2006年4月16日
キッコーマン・すきやき肉豆腐のCMで、
「半分こ、四分(よんぶん)こ、八分(はちぶん)こ」
と歌っているが、果たして「四分こ」「八分こ」などという言葉はあるのか?聞いたことがない。
*2006年4月23日
坂本冬美の『夜桜お七』。これは「おナナ」ではなくもちろん「おシチ」。それはさておき、この曲の前奏は、『学生街の喫茶店』と同じだ!
*2006年5月7日
日本テレビの豊田順子アナウンサーが、お昼のニュースで、
「1600時間」
をコンパウンドして
「センロッピャクジカン(LHHHHH・HLL)」
と読んでいた。
*2006年5月11日
JR大阪駅で、
「まもなくナナ16分発・普通京都行きが、ナナ番乗り場にまいります。」
と女性ナレーターの声で。
*2006年5月20日
読売新聞のドナルド・キーンの連載。『私と20世紀のクロニクル』のタイトルの「20世紀」にルビで、
「にじっせいき」
とありました。
*2006年5月23日
「回」と「階」のアクセントの違いについて。「回(カイ)」は「カ」の次で下がる。「階」は平板。ただ「20」と「30」は「(ニ・サン)ジッ」の次で下がるのもあり。
*2006年5月23日
阪急・十三駅のアナウンス。
「まもなく3号線に、通勤準急が到着いたします。」
「3線」ではなく、「3線」。
*2006年6月19日
ABCの浦川アナウンサーが、「7年前」を、
「なな年前」
と。「シチ年前」ではなく。私も「なな」派です。
*2006年6月21日
近くのスーパー・ダイエーで、野菜や果物の数え方チェック。
「キーウイ=1玉」「メキシコ産アボガド1玉」「じゃがいも大1玉」「キャベツ1玉」「レタス1玉」「ブロッコリー1株」「ライム、レモン、パプリカ、ミャンマー産アボカド1個」「たまねぎ二個1ネット(網入り)」
「アボガド」ですが、メキシコ産は「玉」でミャンマー産は「個」。「玉」の方が大きいのかな?それに「メキシコ産」は「アボガド」と「ガ」で濁り、「ミャンマー産」は「アボカド」と「カ」で濁らず。本当は「アボカド」だけど。そもそも、ミャンマーから「アボカド」を輸入してたんだなあ。知らなかった。
*2006年7月1日
「15階建て」のアクセントは「平板アクセント」。2語意識がない。
「ジューゴカイ・ダテ(LHHHH・HH)」
*2006年7月1日
テレビ朝日の火災保険金をめぐるニュースで「1500万円」をコンパウンドして、「1語意識」を持って、
「センゴヒャクマン・エン(LHHHHHL・LL)」
と読んでいた。しかし、このぐらいの金額になると、「2語意識」を持って、
「セン・ゴヒャクマンエン(HL・LHHHLLL)」
の方が妥当では?
*2006年7月17日
「117」の時報は、「20秒」「30秒」「40秒」がすべて「頭高アクセント」だった。しかし将棋や囲碁の持ち時間の告知は、「20、30、40秒」すべて「中高アクセント」だなあ。
2006/8/9
(追記)

8月17日の夜11時台のフジテレビのニュースで、宮崎県から台風中継をしていた女性リポーターが、
「8世帯(はっせたい)」
と言っていました。「はちせたい」ではなく。
また、8月22日のNNNお昼のニュース(ニュースD)で、テレビ信州から中継していました。その中で、7月の集中豪雨で土石流に襲われた長野県の小学校が「34日ぶりに」授業を再開したというニュースで男性アナウンサーが、
「さんじゅうよっかぶりに」
と言っていました。「さんじゅうよんにち」ではなく。

2006/8/24
(追記2)

2006年9月13日、日本テレビ「ニュース・リアルタイム」の男性ナレーターが、神戸の公園で銅線1200メートルを盗まれた事件で、「1200メートル」をコンパウンドして、
「センニャク・メートル(LHHHH・HLLL)」
と言ってました。同じく9月13日のNHKお昼のニュースの登坂アナウンサーは、「19日」をコンパウンドして「中高アクセント」で
「じゅう・くにち(LH・HLL)」
と読んでました。一方9月14日の日本テレビ「ニュース・リアルタイム」の笛吹雅子キャスターは、
「じゅう・くにち(HL・HLL)」
と読んでいました。カナダの銃乱射事件で。
2006/9/14
(追記3)

9月10日の朝、NHK大阪で放送していた『かんさい想い出シアター』では、1978(昭和53)年に放送された『新日本紀行』を流していました。ちょうどその年の9月30日をもって廃止された、京都市の市電=路面電車と、その町に住む人たちの思いを伝えていました。
そのナレーション(NHKは語りと言うそうですが)を担当していた富本アナウンサーは、「9月30日」という日付の「30日」「頭高アクセント」で、
「サンジューニチ(HLLLLL)」
と言ってました。また「佇まい」という言葉も、「中高アクセント」の「たたずまい(LHHLL)」ではなく、
「たたずまい(LHHHH)」
「平板アクセント」だったので「え?」と思いましたが、アクセント辞典を引いてみると2番目のアクセントとして「平板アクセント」も載っていたので、「へえー」と思いました。30年弱という期間でも、アナウンサーのアクセントは変わるのだなあと思いました。恐らく今は「平板アクセント」で「たたずまい(LHHHH)」と読む人は、60歳以下の人(つまり現役の局アナ)ではほとんどいないことでしょう。
2006/9/19
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