◆ことばの話2505「チームパシュート」

トリノオリンピック、終わっちゃいましたが、まあ、金、一つ取れてよかったですね。
冬季オリンピックだと、ふだんは見たことがないような競技も目に入ってきます。その一つが、
「チームパシュート」
というスケートの競技でした。どうすればどっちが勝つのか、最初はよくわからなかったのですが、どうやら3人チームで滑っていて、その3人目が、相手より早くゴールすれば良いみたいですね。トリノからの新種目のようです。
この競技の名称なんですが、日本テレビ系列は、
「チームパシュート」
と言ってるようなんですが、新聞や他局を見ていると、
「パシュート」「団体追い抜き」
などとなっているところもあるようです。「パシュート」という言葉の意味がわからないんですが、「団体追い抜き」だとわかりやすいですね。
Google検索だと(2月20日)
「チームパシュート」= 2万4000件
「パシュート」= 4万6400件
「団体追い抜き」= 9万4300件
「団体パシュート」= 358件

Yahoo辞書には
「チーム・パシュート」 (2005年4月1日)
『スピードスケートの団体追い抜き競技。2006年のトリノ・オリンピックから正式種目となる。3000メートルの持久力と1500メートルのトップスピードに優れた選手を軸として、そのスピードを維持する中継ぎ的な2人の選手の計3選手でチームは編成される。ホームとバックの二つのストレッチから2チームが同時にスタートして3人が先頭を入れ替わりながら、女子は400メートルリンク6周(男子は8周)を滑走し、3番目にゴールした選手の記録で順位を争う。スピードスケートの団体競技ではショートトラックがあるが、こちらは1レースで4〜6人が同時に滑り、タイムよりも上位選手が次ラウンドに進出するための選手同士の位置取りや駆け引きがレースの魅力。チーム・パシュートでは先頭の選手の風裏にほかの2人が入って滑ることで体力の消耗を防ぎ、最終的には3番目の選手の記録で順位が争われるというところに特徴がある。オリンピックには来季ワールドカップの実績に応じて8か国が出場できる。』
と載っていました。
また2005年11月8日「東奥日報」の電子版「ニュース百科」には、「団体追い抜き」の名称で、説明が載ってました。
2006/3/2


◆ことばの話2504「お客様ご意見電話」

子どもが「ハ○ピーセット」を食べたいと言うので、久しぶりに「マ○ド」へ行きました。
トレーに敷いた紙のマットに何気なく目を移すと、地平線まで広がるアメリカ・ワシントン州のジャガイモ畑の写真に、
「ファーストフード。そのおいしさや安心は、スローにつくられています。」
と書かれていました。「ファーストフード」が「スロー」に作られているというのは、一瞬「フーン」と思わせますが、でもなんだか矛盾しているような。スローに作られているのなら「ファーストフード」ではなく「スローフード」と呼ばなくてはならないのではないでしょうか?
そして表記に関してですが、「ファストフード」ではなく「ファーストフード」と「−」が入っています。たしかに「ファストフード」と発音している人を聞いたことがありませんが、文字は大体「ファストフード」だと思っていました。でもそうとも言い切れないんですね。ファストフードの代表格「マク○ナルド」でも「ファーストフード」を使っているのですから。
さて、それはさておき、その紙マット(シート)には、
「弊社へのご意見はフリーダイヤル0120-010-○○○(携帯電話からもご利用いただけます。)お客さまサービス室へ。」
とありました。ホオ、最近は携帯電話からもフリーダイヤルの電話にかけられるようになったんだ。まあ、ファストフード店に来る人は携帯電話の使用率も高いだろうからな、と思いましたが、その続きに書かれている文言を見て、おやっと思いました。ご意見の受付時間が、
「午前9時から午後5時まで」
と書いてあったからです。
携帯電話からもフリーダイヤルにかかるようにしてサービスに努めている割には、受け付け時間がお役所のように「9時から5時まで」というのは、なんだかサービスが徹底していないな、もっと夜遅くまで受け付ければいいのに。せめてお店が開いている時間までとか・・・と思ったのです。
しかし、少し考えて納得が行きました。午前9時から午後5時までの理由は、
「夜になると、酔っ払いからの電話が増えるからではないか?」
ということです。まともに相手をしていられないと。5時を過ぎると飲み屋さんもオープンしますからね。それに夜は太陽の動きがないから時間の経過を体感しづらく、ついつい意見や苦情以外のことまで話してしまって、効率の悪い長電話をしてしまうのではないでしょうか。そんなものの相手をしていては仕事にならないと。だから9時から5時なのではないでしょうか。
受け付ける人の身にもなってくれ、ということですね、きっと。(違うかもしれないけど)
2006/2/22


◆ことばの話2503「くみしやすい」

2月24日、お昼前のニュース。いわゆる「堀江メール」をめぐる一連の民主党の対応に関して、テレビ朝日の政治部の記者がリポートで、
「前原氏の方が、くみ・しやすい(HL・LHHL)」
と言ったのですが、それを聞いて隣の席のHアナと、
「ん?」
と顔を見合わせました。「くみ・しやすい」ではなく、正しくは、
「くみし・やすい(LHH・HHL)」
でしょう。『新明解国語辞典』を引くと、漢字では、
「与し易い」
とありました。「与し」と「易い」に、意味上は分かれます。ことばの意味は、
「相手として扱いやすい(恐れるに足らない)。『組し易い』とも書く」
とあります。
『NHK日本語発音アクセント辞典』を引くと、アクセントは、
「くみしやすい(LHHHHL)」
となっていました。
「せざるをえない」
が間違って、
「せざるを・おえない」
と言う人がいるのと同じような間違いではないか、と感じました。注意しましょう。
2006/2/24


◆ことばの話2502「小学2年生のパソコン・テレビライフ」

去年の秋、長男(小学2年生)の保護者面談に出た時に、担任の先生がそのクラスで行なわれたパソコンやテレビなどに関するアンケートの結果を教えてくれました。
それによると、クラスの児童33人中パソコン持っている子は30人。毎日パソコンする子は2人、たまにする子は22人。そして、自分の携帯電話を持っている子は5人。
たまにパソコンをする人が、小学2年生でも3分の2もいるんですね。まあ、学校でもパソコンを教える時間がありますからね。私たちの時代とは違います。
毎日テレビを見る子は25人。たまに見る子が8人。テレビを見る時間は、30分以内は5人、2〜3時間が13人、3時間以上6人。
こんなものでしょうかね。3時間以上の子は、ちょっと多いかな。
よく見る番組の種類は、
「アニメ」=26人
「歌番組」=5人
「スポーツ番組」=19人
「ニュース番組」=21人
思った以上にスポーツ番組やニュースを見る子が多いですねえ。私なんか子供の頃は、マンガしか見ていませんでした。父や祖父がニュースを見ていると、
「チャンネル変えてー!」
とおねだりしたものですが。
アンケートの前日にテレビゲームをした人は8人。
就寝時刻は、午後9時までが2人、9〜10時が21人、10〜11時が6人、11時以降が2人。
3分の2は、午後10時までには寝ています。そのぐらいじゃないと、朝起きられないでしょうね。
その朝、自分で起きた子が16人、起こしてもらった子が12人、目覚ましで起きた人が5人ということでした。
なかなか詳細なアンケートですね。子どもたちの生活の輪郭がわかりました。
2006/2/22


◆ことばの話2501「かっきりときっかり」

平成ことば事情2489「駅徒歩フラット3分」を書くために「フラット」という言葉を『新明解国語辞典』で引いていたら、用例に、
「十一秒フラット(=かっきり)」
というのが出てきて「うん??」となりました。この、
「かっきり」
という言葉です。私ならここでは、
「きっかり」
と言いますね。
『新明解国語辞典』「かっきり」を引くと、
「かっきり」=(一)必要とされる(定められた)数値と一致して過不足が無い様子。(例)「一時かっきりに着いた」「三万円かっきり渡す」(二)他との境界などが紛れもなく明快に見分けられる様子。「青い空に山の尾根筋がかっきりと浮かび上がる」
なるほどね。一方の「きっかり」は、
「きっかり」=(一)だれの目にも明確で、紛れるところが無い様子。(例)「雲が晴れて稜線がきっかりと見える」(二)ちょうどきりのいい時刻・数量であることを表す。「きっかり一00グラムだ」「十時きっかりに出発する」
使い方はほぼおんなじですね。だって、
<かっきり>「青い空に山の尾根筋がかっきりと浮かび上がる」
<きっかり>「雲が晴れて稜線がきっかりと見える」
例文まで双子のよう。
<かっきり>「一時かっきりに着いた」
<きっかり>「十時きっかりに出発する」
この二つのことばは、「き」と「か」が入れ替わっていますね。(今頃、気づくか)つまり、
「○っ△り」(かっきり)
「△っ○り」(きっかり)
ということです。入れ替わってもほとんど意味も使い方もおんなじ。他にこんなものはあるのかな?
Google検索(2月15日)してみたら、
「かっきり」= 3万7800件
「きっかり」=55万1000件
おお!やっぱり圧倒的に「きっかり」の方が、使用例が多い!これに「時間」というキーワードを追加してみよう!
「かっきり、時間」= 2万7000件
「きっかり、時間」=44万9000件
どちらかというと「きっかり」は時間、「かっきり」はお金のようなイメージがあるな。「がっちり(買いましょう)」からの連想かなあ。
皆さんはいかがでしょうか?「かっきり」の語感は。「カックラキン大放送」も思い出してしまいました。
2006/2/21