◆ことばの話2440「棗」

去年11月末、紅葉狩りに京都へ行った時のこと。南禅寺と知恩院の紅葉を見て、少し戻ったところにある博物館に入りました。(本当はトイレ休憩だったんですけど。)お茶に関するものを展示してある、こぢんまりとした博物館でしたが、そこで見たものは、ふだんめったに触れる事のないものだったので「へえー」と感心させられました。中でも、

「棗」

という漢字は初めて見ました。なんだかトゲトゲしいですね。このややこしい字体で、
「なつめ」
と読みます。そこにはたくさんの「棗」が展示してありました。「なつめ」というのは時々耳にしましたが、それが何なのかは、よく知りませんでした。でも、この展示を見てわかりました。
「茶葉入れ」
のことなんですね。
「武野紹鴎の創案になると言われている。」
と記されていました。
「武野紹鴎」という人も、名前だけは聞いたことがあるような。さらに、
「利休棗には大中小があり、大棗は黒棗と通称される。」
とありました。千利休が考案した「棗」もあるんですね。茶道には疎いもので・・・。
当時、いかに「お茶」が高級なものであったか、それだけにどれほど大切にされていたかということがよくわかりますね。勉強になりました。結構なお手前でした。

2006/1/15

(追記)

実はこの博物館で見たもので、勉強になったことは、他にもいくつかありました。メモを記しておきます。

*「すんころく」
タイの港町「スワンカローク」の訛り。「宋胡録」と当て字。スコタイ王朝時代16世紀の作。「宋胡録柿香合」(すんころくかきこうごう)。マンゴスチンの実をかたどった香合。ということは「宋胡録柿」=「マンゴスチン」ということですね。「すんころく」って初めて知りました。

*天鵞絨(ビロード)
そのまま音読みして「てんがじゅう」とも言うようです。「ベルベット」とも。

*更紗(さらさ)
ポルトガル語の「SARASA」か、スペイン語の「ZARAZA」が語源。「木綿布」「印花布(いんかふ)」とも言う。

ふーん、そうなのか。大変勉強になりました。

2006/1/24
(追記2)

わたくし、「ある博物館」と申し上げましたが、パンフレットが出てまいりました。「博物館」ではなく「美術館」でした、「野村美術館」。その秋季特別展、
「茶の湯の裂地(きれじ)」
の後期展示を拝見したのでした。また、行ってみようかな。
2006/3/2


◆ことばの話2439「タグのアクセント」

仙台の生後11日の新生児誘拐事件で、1月6日の21時前のニュースを読んでいた、日本テレビ系列の宮城テレビの女性アナウンサーは、「タグ」を「平板アクセント」で、
「タグ(LH)」
と読んでいましたが、なんだか引っかるアクセントでした。
英語の原語に近ければ、「頭高アクセント」ではないか?と思ったのですが、あとで英和辞典を引いてみると、なんとアクセントが付いていません。そして『NHK日本語発音アクセント辞典』には「タグ」は載っていません。
読売テレビのアナウンス部で、アナウンサー9人に聞いたら、新人の男性アナ一人だけが「もしかしたら平板かも・・・」
といっただけで、あとの8人は「頭高アクセント」と答えました。
思うに「タグ」の「グ」は「具」のイメージがあるのかもしれません。でも、「漁具」「文具」「武具」も全部、頭高アクセントですね。
一応、読売テレビ・アナウンス部では「タグ」は「頭高アクセント」で読みます!
それにしても赤ちゃん、無事に見つかって、良かった!
2006/1/15


◆ことばの話2438「盲腸ガン」

1月11日の読売新聞・訃報欄に、沖縄の人間国宝の太鼓奏者・島袋光史さんが85歳で死去したと出ていました。この死因が、なんと、
「盲腸ガン」
そんなところがガンで死ぬなんて…はように切っておけばよかったのでは…と、なんだか複雑気分になりましたが、「盲腸ガン」というのは果たしてどんなガンなのか?ネットで検索しました。GOOGLEでは(1月12日)、
「盲腸ガン」=34件
「盲腸がん」=95件
「盲腸癌」=259件
そして詳しい説明を見てみると、
『大腸ガンは、発生部位によって盲腸ガン、結腸ガン、直腸ガンに分けて呼ばれており、日本では結腸ガンの中のS状結腸ガンと直腸ガンでの発生が多いようです。近年、日本における大腸ガンは増加傾向にあります。』
ということで、いわゆる「大腸ガン」を細かく分類すると

「大腸ガン」=直腸ガン+結腸ガン+盲腸ガン

ということのようです。症状としては、
『肛門から離れた盲腸ガンや上行結腸ガンでは血便を自覚することは少なく、貧血症状が現れて初めて気がつくこともある。』
とのことでした。
「盲腸ガん」について、友人の医師O君にメールで、
「『盲腸ガン』なんてガンがあるの?」
と聞いてみたところ、当然、
「ありますよ。」
という答え。さらに、
「大体、盲腸は切っちゃえばいいのでは?」
という私のシロウト的な、乱暴な疑問についても、
「『盲腸』というのは大腸の一部分で、盲腸はおなかの右下に位置する、大腸の一番初めの部分です。盲端(行き止まり)になっていることがこの名前の由来です。この先端にぶら下がっているのが『虫垂』です。だから、ここを原発とする癌はもちろん存在します。一般に「盲腸」と言っているのは虫垂炎のことで、虫垂は確かに不要なものですが、でも、なにも症状がないのに腹を切ってほしい人はいないでしょ?だから、むやみやたらに切ったりはしないのです。」
という大変丁寧な答えを送ってくれました。そうでした、いわゆる「盲腸炎」って言ってるのは「虫垂炎」でしたね。知っているつもりでも、いざと言う時にはわからなくなっちゃうものですねえ・・・。
最後になりましたが、島袋さんのご冥福をお祈り申し上げます。合掌。
2006/1/15
(追記)

4月13日の読売新聞スポーツ欄に、
「闘病 森千夏 応援しよう」
という見出しが。
森 千夏さん(25)は、陸上・砲丸投げの日本記録保持者だそうですが、今、
「虫垂がん」
の闘病生活中なのだそうです。アテネ五輪直前に下腹部に痛みを感じて発熱した森さんは、その時は「膀胱炎」と診断され、五輪出場後に帰国して入院、去年7月に手術を受けたところ、虫垂付近に悪性の腫瘍が見つかったのだそうです。
しかし国内では「虫垂がん」の症例が少ないために、その治療法に関する情報を求めているという記事でした。
「盲腸がん」も少ないかもしれませんが、「虫垂がん」はさらに少ないのでしょうね。良い治療法をご存知の方は、是非「森 千夏を応援する会」までお知らせください!詳しくは森さんの母校・東京高校陸上部のホームページ(http://www5b.biglobe.ne.jp/~makenki)
をご覧ください。
2006/4/13
(追記2)

「追記」でおしらせした、女子砲丸投げ・アテネオリンピック代表の森 千夏さんが、8月9日、「虫垂がん」で亡くなりました。26歳。若すぎます・・・ご冥福をお祈りします。合掌。
2006/8/10


◆ことばの話2437「スタッフ募集の貼り紙」

先日近くのスーパーに行ったところ、そのスーパーの中のお花屋さんにスタッフ募集の貼り紙が。そこには、
「スタッフ募集・週5日入れる方」
とありました。週5日「来られる方」ではなく、
「入れる方」
であるところに目を引かれました。「ファックスを入れる」という表現に近いのでしょうか?「人員補充」だから「入れる」なんでしょうかね?もっとも「ファックスを入れる」の場合は「電話を入れる」という言い方と同じく、「仕事」に関連した場合に使うということですが、「スタッフ」も仕事だから、いいのか。
もう一つ考えられるのは、販売員の勤務時間を一人では埋められないので、その空いている時間を埋めるための要員なので、「入る」という表現になったのかも。そして、「入らなくてもいい時間」も、結構あるということも伺えます。そういう意味では、まさに「パートタイム」なのでしょうね。
ちなみに時給は750円でした。
2006/1/15


◆ことばの話2436「クリスピー・ライスバー」

皆さんは、
「クリスピー・ライスバー」
って、ご存知ですか?先日、地下鉄・御堂筋線に乗ったら車内広告で書いてありました。外装が「外国のチョコレートの箱のよう」で、しゃれています。どんなものなのか、よく見てみると、
「おこし・浪の詩」
とあるではないですか!つまり、大阪の伝統的なお菓子である
「おこし」
を「新感覚」でこさえた、
「薄くてスティック状のおこし」
のことのようなのです。そうかあ、「クリスピー・ライスバー」ですか。以前、会社の近くの京橋駅の広告に、
「クォリテイ・バンク」
というのがあってよく見たら、
「質屋」
だったのと、ちょっと似ていますが、一度是非、味わってみたいと思いました。
2006/1/13