◆ことばの話2265「いいこと考えた!」

たしかに、子どもの頃には口癖のようによく使ったが、大人になってからは言わなくなってしまった言葉に、先日、出会いました。それは、

「いいこと考えた!」

という言葉です。ちょっと節をつけて、歌うように言います。フィットネスクラブの通路で紙飛行機を折って飛ばしていた、小学校低学年と思しき男の子3人のうちの一人が、そう言っていました。
子どもって、すぐに「いいこと」を考えられて、うらやましいなあ、と素直に思いました。ま、たいして「いいこと」でもないのかもしれませんが、当人にとっては、すんごく「よい考え」なんでしょうね。
大人になると、なぜ「いいこと考えた!」と言わなくなるんでしょうね。「いいこと」を思い付かなくなるからかな。だとすると、ちょっと悲しいですね・・・。
2005/7/30


◆ことばの話2264「にわか雨があるでしょう」

系列局のあるアナウンサーから、天気予報での、
「にわか雨があるでしょう」
という表現について、
「『にわか雨が降るでしょう』の方が正しいのではないか?」
という質問がありました。
「うーん」と考えました。そして、
「にわかに降る雨のことを「にわか雨」という名前・名詞で表している」
ことに思い当たりました。だから、
「にわか雨が降るでしょう」
だと、「降る」が重なってしまう。だから、「にわか雨が降る」とは言わないのではないでしょうか。「にわか雨がある」で思い出したのが、「ある」と「いる」の違いです。
「ある」は時間を超えて「存在」を表し、「いる」は限られた時間に限られた場所に一時的に存在していることを表すと考えられます。
昔話のおきまりのコメントに、
「昔むかし、あるところに、おじいさんとおばあさんがありました。」
というのがありますが、これも、昔は「ありました」でしたが、最近は、
「昔むかし、おじいさんとおばあさんがいました」
に変わってきていると聞きます。
「ある」より「いる」の方が刹那的ですよね。時代がそうなってきているのでしょうかね。
2005/7/30


◆ことばの話2263「蛇の目でおむかい」

6月17日のNHK「ラジオ深夜便」を聞いていると、「音羽ゆりかご会」の方が、こんなことを言っていました。
「北原白秋作詞・中山晋平作曲の『雨ふり』の曲の歌詞で、『蛇の目でおむかえ』と歌う人が多いが、正しくは『蛇の目でおむかい』である。」
へえー、そうだったのか。
私も「おむかえ」だと思っていました。「おむかい」が正しいのですね。
Google検索(7月30日)してみると、
「蛇の目でおむかい」=13件
「蛇の目でおむかえ」=56件
「蛇の目でお迎い」=8件
「蛇の目でお迎え」=674件

やはり一般的には「おむかえ」(「お迎え」)の方が多いですが、ちゃんと「おむかい(お迎い)」としている方もいらっしゃいますね。
梅雨の時期は終わってしまったけど、勉強になりました。
2005/7/30


◆ことばの話2262「常備菜」

新人アナの研修の先生をしている時に、
「常備菜」
という言葉が出てきました。
「ジョービサイ」
しかし、若い男性である新人クン2人は、この言葉を耳にしたことがないようでした。
Googleで検索してみると(7月9日)、
「常備菜」=2万6400件
も出ていました。
『新明解国語辞典』で「常備」の用例では、
「常備薬」「常備兵力」
の2つしか載っていませんでした。『新潮現代国語辞典』の「常備」の用例は、
「常備役」「常備薬」
の2つ。『岩波国語辞典』は、やはり、
「常備薬」「常備軍」
の2つ。『日本語新辞典』も『岩波国語辞典』と同じでした。『明鏡国語辞典』は、
「常備薬」
だけ。(「常備する」という用例はありましたが。)小さな『三省堂国語辞典』には、
「常備軍」「常備兵力」「常備薬」
と3つも載っていましたが、「常備菜」は載っていませんでした。
つまり私の手持ちの中小辞書には「常備菜」は、載っていないのです。
日本一大きな『日本国語大辞典』はどうでしょうか?引いてみると・・・あ、ありました!
「常備菜」
が載っていました。見出しにはないけど。「常備」の中の用例として載っていました。
そして、ほかの中小辞書が「常備」の用例として載せていた「常備薬」「常備兵役」「常備兵」「常備軍」は、全て見出しを立てて載せていました。
ということは「常備菜」は、まだ見出しを立てるほどではないが、一応載せておこうか、というような語と考えればいいんでしょうかね。
ネットで2万6000件以上も出てきていることを考えると、次の改訂あたりでは「見出し」を立てて出てくるかもしれませんね。
2005/7/30


◆ことばの話2261「落氷雪」

5月に出張で函館に行った時のこと。街中で見かけた看板には、こう書いてありました。

「落氷雪にご注意ください。」

ほう、「落氷雪」。初めて見かけた言葉です。北国の人にとっては、普通の言葉なんでしょうか。5月だったので、おそらくもう実際の「落氷雪」の心配はないでしょうが。
Googleで検索したら(7月30日)、
「落氷雪」=108件
やはりそう多くはありません。北海道には多いのでしょうかね。北海道警察=道警のホームページで見かけました。
看板を見ても、その看板の文字を見ても、その地方の特徴が感じられて、楽しいものですね。もっとも、「落氷雪」は楽しくなくて危ないもののようですが。
2005/7/30