◆ことばの話2170「ババアか?ババァか?」

もう2か月以上も前の話ですが・・・石原慎太郎・東京都知事の「ババア発言」をめぐる裁判の判決が2月24日に東京地裁でありました。これは石原都知事が、『週刊女性』2001年11月6日号のインタビューで、
「これは僕が言ってるんじゃなくて、松井孝典(東大大学院教授)が言ってるんだけど、文明がもたらしたもっとも悪しき有害なものはババアなんだそうだ。女性が生殖能力を失っても生きてるってのは、無駄で罪ですって」
などと述べたというもの。これに対して、首都圏の女性131人が石原都知事を相手に、慰謝料、計約1400万円の支払いなどを求めた訴訟を起こしたものです。判決で、河村吉晃裁判長は都知事の発言を「個人の尊重を定めた憲法の理念と相いれない」と批判する一方で、「原告個々人の名誉が傷つけられたとは言えない」として請求を退けました。
その内容は言うまでもないのでさておき、私が注目したのは、まさにこの裁判の争点となった一つの言葉、
「ババア」
の表記についてです。これが新聞によって、
「ババア」「ババァ」
の2種類あったのです。つまり大きい「ア」か、小さい「ァ」か?ということです。どちらが妥当なんでしょうか?(もちろん「ババア」「ババァ」という言葉をこういうふうに使うことは妥当でないことは、裁判長の言葉を待たずして、常識的判断として言うまでもありません。今回はなかったけど「ジジイ」だっておんなじです。)
私の考えるところでは、名詞としては「ババア」と大きい「ア」ですが、罵る語として、
「このババア!」

というように呼びかけに使う場合のみ「ババァ」もありだと思うのですが。
Google検索(5月1日)では、「ア」と「ァ」の区別はつかないらしく、どちらも、
17万8000件もありました。
いずれにせよ、品のない言葉です。公の立場にある人が、インタビューに答えるというような公の席で使うには不適当と言わざるを得ないでしょう。
2005/5/1
(追記)

久しぶりに「笑点」を見ていると「こん平」さんがいません。ご病気だとは聞いていましたが・・・。それはさておき、この番組の中では、
「ババア」
「ジジイ」
という言葉が飛び交っています。石原さんも「笑点」での発言なら、許されたのかもしれませんね・・・。
『戦後政治の崩壊〜デモクラシーはどこへゆくか〜』(岩波新書)の中で、北海道大学の山口二郎教授は、
「石原慎太郎は、日本におけるポピュリズム政治の象徴であり、外国人・女性・障がい者などに対する差別、偏見を公然と表現することで悪名高く、民主主義の国ではありえない現象」
と指摘しています。言われるまでもなく、確かにそうなのですが、最近は日本以外の国でも、この手の政治家が出てきていることも付け加えておきます。
2005/5/1
(追記2)

大滝秀治さんと岸部一徳さんが親子役で出ているキンチョーのコマーシャルの、新しいバージョンではお隣の「オバハン」が大滝さんに文句を言いに来る。そして最後に、
「ジジイ!」
と言い放ちます。なんだか毒のあるCMです。
ちなみにもう1本のCMは、お寺の裏の縁側に、綺麗な和服の女の人を呼び出して、水性キンチョールの効能を読む大滝さん。それを木の間からコッソリとのぞく息子の岸部さん。効能を途中まで読むと、その和服美人が、
「そんなつまらないことを言うために、私をこんなところに呼び出したんですか。」
それを聞いて、効能を読むのをやめて、
「フフ、ハッ、ハハハハハ」
と笑いながら、照れ隠しに急に扇子をパタパタし始める大滝さん。縁側に座って足をブラブラさせている大滝さんが、ものすごくかわいいCMです。
2005/5/6



◆ことばの話2169「ドラフト4巡目」

(もう、2か月以上前の話になってしまいますが・・・)
阪神タイガースの安芸キャンプで、桜井広大選手がキャンプ最後の紅白戦でホームランを放ち、1軍残留を決めたというニュースを、2月25日の「あさイチ!」で紹介していました。その中で桜井選手についての説明で、
「2002年ドラフト4巡目」
という紹介があって、あれっ?と思いました。
「これって、以前は『ドラフト4位』と言わなかったか?」
ということです。そこでスポーツ担当のディレクターに聞くと、
「自由獲得枠ができてから表現が変わったんです。自由獲得枠で選手を取ると、ドラフトで取れる人数が減り、自由獲得枠を使って取れる上限の2人を取ると、次は『ドラフト4巡目』からしかドラフトに参加できないんです。だから桜井のように『ドラフト4巡目』というのは、全部ドラフトだけで取った球団で言うと『ドラフト3位』にあたるんです。」
「ふーん、それはいつから?」
「もう3年くらい前からですかね。2001年11月のドラフトからですね。高校生なんかは自由獲得枠を使わずにドラフト1位から言ったりしますね。つまり、『即戦力』の『社会人や大学選手』は、これまでも『逆指名』というのが1993年からあったんですが、それが自由獲得枠でドラフトの前にもう決まっちゃうと。それ以外の『高校生』など『即戦力ではなく育てる選手』が『ドラフト○巡目』ということでしょうね。」
「3年以上前にそうなっていたのに、ボクが今頃それに気づいたというのは、なんでかな?」
「その頃に『ドラフト○巡目』に取った選手が、そろそろ育った来たんじゃないですか。パリーグなんて最近は『ドラフト○巡目』の選手が、たくさん試合に出て活躍していますよ。」

ふーん、そうなのか。
自由獲得枠に伴って出てきたのが「ドラフト○巡目」だったわけですね。よくわかりました!
2005/4/29



◆ことばの話2168「お量」

Jリーグの取材を終えての帰り、遅い夕食をとろうと飛び込んだうどん屋さんでのこと。
もう夜10時だし、あまりおなかにもたれるものもなぁ・・・うどんにしとくか。今日は暑かったし、冷たいヤツで。でもちょっとボリュームないと、おなか減るかなあ。じゃあエビ天の乗ってる、ぶっかっけ天。おろし大根も付いてて、なかなかいいな。お、お稲荷さんの付いたのもある。お稲荷さん、好きなんだよねえ。定食か。ええい、つけちゃえ。
と、心の中でひとりごちて、
「えーと『ぶっかけ天おろしうどん』。おいなりさんつけて、定食で。」
と注文すると女性の店員さんが、こう言いました。
「おりょうの方、大盛りにできますけど…」
!?オリョウ・・・!「お量か」!?
「結構です…普通で。」
と答えました。
おりょう、そちは丁寧語を間違えて解釈しておるようじゃのう。お脳の方が、ちと心配じゃぞ。「量」に「お」はつけなくてもよいぞ。いや、つけなくてもよいのではなく、つけてはおかしい。
お、しかしちゃんと持ってきたな。ツルツルツル・・・ウム、なかなか美味であるぞよ。
ペロリと平らげてしまったぞ。
ああ、うまかった。
して、いくらじゃったかいの、たしか860円だったな。
よいよい、900円で。釣りはいらぬ、取っておけ・・・・え?なに?税込み903円です、って?3円足りない?
ではホレ、千円札じゃ。ちゃんと釣りは渡せ。97円だからな。え?なに?なんだって?さきほどは取っておけとおっしゃった?状況が変わったのじゃ。ごちゃごちゃ申すな。わずらわしい。

などと、「お量」という言葉を耳にした途端、頭の中はなぜかお殿様とおりょうの、架空の会話が展開されて行ったのでした。
「お量」をGoogleで検索すると132件ありました。使われ方は、

*「ミルクお量も安定しません。」
*「機山ワインは地元・塩山のタクシーのおっちゃんのおすすめです。さっぱりしていておいしいです。なかなかどんなお量にでも合っていいんじゃないかなー。」
*「そのかわりレオ、ご飯、お量は少し減るからね。」げ。そりゃあないよ、朝子かあさん。
そんな猫の生活も魅力的。

というような感じ。132件という数字は、あまり当てになりません。実際はもっと少ないものと思われます。

2005/4/29



◆ことばの話2167「ほおとほほ2」

先日、系列のアナウンス責任者会議に出席した時に、出席者からこんな質問が出ました。
「ほっぺたの『頬(ほお)』のことを、『ほほ』と言うのも耳にしたり目にしたりするんですが、これはどちらが正しいんでしょうか?」
実はその少し前、新人用のアナウンス・テキストの見直しをしていた際に、発音練習の文の中に、
「ホホ」
というのが出てきたのです。検討をしていたアナと一緒に、これは「ホホか?ホオか?」を『新明解国語辞典』(三省堂)を引いて調べたところ、そこには、
「ほほ(頬)」=「ほお」の新しい言い方。
と載っていました。つまり本来は「ほお」だったのが、新しく「ほほ」という言い方が出てきて、それが定着しつつあるということですね。
なぜ、そうなったかについての私の考えは、まず、
「ほほえみ」
という言葉にカギがあるのではないかということです。「ほほえみ」は漢字で書くと、
「微笑み」
ですが、「微笑む」という仕草は、ニッコリと軽く笑みを浮かべる感じ。「笑み」は、ほっぺたにエクボが出来たり、頬の動きがポイントで特徴的です。そこで「ほほえみ」の「ほほ」が「頬」の読みとして取って代わり、
「頬笑み」
と解釈されて、
「頬」=「ほほ」
と認識されるようになったのではないでしょうか?
また、「ほお」という音、ローマ字で書く、
「HO−O」
ですから、「HO」を長音化して、
「ホー」
と言いがちです。すると、感嘆詞としての、
「ホー」
という感じになって、「頬」を表しているように聞こえない。そこで、「HO」の音を繰り返して「頬」の存在感を高めたいというような気持ちも込められて、「O」の前に繰り返して「H」を入れることで、
「ほほ」=「HOHO」
となったのかもしれません。同じ母音が続く場合には、後ろの方の母音をキッチリと言い直さないと、だらしない長音になってしまい、言葉の明瞭さが欠けるのです。
また、旧仮名遣いの「いふ」は、現代仮名遣いでは「いう」となることから逆に類推して、「ほお」の元の形は「ほほ」と考えてしまう人もいるのではないでしょうか。
それと、これは関係あるかどうか判りませんが、
「菜穂子」
という名前を「ナホコ」と読むか「ナオコ」と読ませるか、両方のケースがありますよね。そこからの類推で、「ホ」か「オ」かは、揺れているのではないでしょうか。つまり「ホオ」と読むのだけれども表記は「ほほ」とするのだと思っているとか、逆に「ほお」と書いても「ホホ」と読むと思っていたりとか。混乱していると思います。
先日購入した大塚愛の「黒毛和牛上塩タン焼680円」という曲のシングルCDのカップリング曲(レコードだとB面にあたるのか?)の「本マグロ中トロ三00円(緑色)」という曲の歌詞の中に、こんな一節がありました。

「ねえ 気づかないうちに あたしのほほはピンク色」

ここに出てきた「ほほ」は「頬」ですね。やはり若い人の間では「ほほ」という言い方がかなり浸透していると考えていいのでしょうかね。
『岩波国語辞典』『明鏡国語辞典』『日本語新辞典』『三省堂国語辞典』『日本国語大辞典』は、いずれも「ほほ」は空見出しで、「『ほお』を見よ」となっています。ただ、『新潮現代国語辞典』は、
「ほほ(頬)」=(現代語では「ほお」と「ほほ」の二種がある)
とした上で、「『ほお』を見よ」となっていました。「現代語では」ということは、もともとは「ほお」だが、今や「ほほ」も認めているということなのでしょうね。でも、うちのアナウンサーは「ほお」を使いましょう。

2005/5/1
(追記)

「心の四季」(吉野弘・作詞、高田三郎・作曲)という合唱組曲の練習をしていたところ、1曲目の「風が」という曲の歌詞の中に、
「ほほ」
が出てきました。吉野弘の歌詞は、
「光が葡萄の丸い頬をみがく夏がそれだけ輝きを増す」
と、漢字で「頬」と書いてあったのですが、実際の楽譜では八分音符(♪)の上に、
「ほほをみがく」
と書いてあったのです。短いリズムで、もしこれを「ほおを」とすると「O」の母音が3つも続くことになり、せっかく刻んだリズムが崩れて、長音になってしまう恐れがあるからでしょうか?それで作曲の高田先生が「ほほ」として「H」の子音を発音させるようにされたのでしょうか?
高田三郎さんは、残念ながら既にお亡くなりになりましたが、今度、編曲者の須賀敬一さんにお会いすることがあったら、伺ってみたいと思います。グリークラブの先輩なので。

2005/6/23
(追記2)

アチャー!やってもた・・。平成ことば事情1592「ほおとほほ」(2004、2、15)で、おんなじネタを取り上げていました・・・・。
その時は「おもいっきりテレビ」のニュースコーナーで、大阪の女子学生が通り魔に「頬」を切られる事件を報じた久能さんは、
「ほほ」
と言ったのですが、字幕には、ひらがなで、
「ほお」
と出ていたというもの。「ほほ」「ほお」どっちが正しいか?日本新聞協会が出している『新聞用語集』を見ると、
「ほお」
となっていたと。『新明解国語辞典』もちゃんと引いていました。さらにほかの辞典も引いていました。
「『日本国語大辞典』「ほほ」を引くと、「→ほお」となっていて、「ほお」を引くと、最初の所に(現在は「ほほ」とも)とありました。やはり時代の流れとしては「ほお」→「ほほ」なんですね。この「ほ」の用例として挙げられている10世紀終わりの『枕草子・一0九「見ぐるしきもの」』は、
「寝腫れて、ようせずは、ほほゆがみもしぬべし」
とあるので、表記は昔は「ほほ」だったのでしょう。
ということは、もともと「ほほ」と書いて「ほお」と読んでいたものが、言文一致で「ほお」と書くようになってから、過剰修正で「ほほ」と読むようになったのでしょうか?
「なほこ」と書いて「なおこ」と読んだり、「かほり」と書いて「かおり」と読んだりするケースとの関連はどうなのでしょうか。(平成ことば事情1514「シクラメンのかほり」参照)
さらに『日本国語大辞典』をよく読んでみると、「音」の歴史「音史」として、
「古くはホホ、平安後期以降はホヲからホオ、さらにホーとなり現代に至る。現在はホホ形にも。」
とありました。平安期には「ヲ」と「オ」の発音は違ったのですね。そう言えば「平成ことば事情1200『を』の発音」を読むと、『広辞苑』に「平安中期までは『を』と『お』の発音は異なった」と書いてありました。
「ホ」の発音は時代によって揺れている、ということが言えるのではないでしょうか。」
と、今回よりも突っ込んで辞書を読み込んでいました。えらい!でも、たった1年ちょっとでそれをコロっと忘れるなんて・・・アホッ!
2005/6/28
(追記3)

もう一つ、『丸谷才一の日本語相談』(朝日新聞社)を読んでいたら、「丁寧はテイネイかテーネーか」という項に、こんな記述が。
「わりに言はれていないことですが、発音は字で書けるとは限らない。小学唱歌に『埴生の宿』といふのがありますが、あの『埴生』は本当はハニフとハニウのあひだでせう。ハニューはをかしい。『頬紅』はホホベニとホオベニの中間。ホーベニはをかしい。」
とありました。
発音の面でも、「ホホ」と「ホオ」の中間と考えている方もいらっしゃるということですね。
もう一つ、『丸谷才一の日本語相談』(朝日新聞社)を読んでいたら、「丁寧はテイネイかテーネーか」という項に、こんな記述が。
「わりに言はれていないことですが、発音は字で書けるとは限らない。小学唱歌に『埴生の宿』といふのがありますが、あの『埴生』は本当はハニフとハニウのあひだでせう。ハニューはをかしい。『頬紅』はホホベニとホオベニの中間。ホーベニはをかしい。」
とありました。
発音の面でも、「ホホ」と「ホオ」の中間と考えている方もいらっしゃるということですね。
2005/6/28
(追記4)

昔は「ほほ」と書いて「ほお」と読んでいた。こういった音のことを
「ハ行転呼音」
と呼ぶそうです。「うるはし」が「うるわし」、「買ふ」が「かう」というように、語中・語尾のハ行の音節が他の行で発音されるようになった現象をいうとのこと。もとの発音から転じて他の音に変わったことを「転呼」と言うのだそうです。「ハ行転呼」の現象は、平安時代後期には完了したそうです。
2005/7/14
(追記5)

角田光代『キッドナップ・ツアー』(新潮文庫)の中では、
「ほほ」
が出てきました。
「でもなぜかおとうさんの背中にほほをくっつけて」(177ページ)
というものです。

これは2006年の7月に書きかけていたものです。そのまま、ほったらかしになっていました。その間に新しい「ほほ」を見つけました。
歌手の城みちるが、1月6日のNHK−BS「イルカに乗った少年」という往年のヒット曲を歌っていましたが、その中に
「ホーラごらんよ 吹く風も 静かに頬(ほほ)をなでるだろう」(だったと思う)
という部分で「ほほ」が出てきました。
2007/1/8
(追記6)

「スピッツ」のアルバム『ハチミツ』の中の『ロビンソン』を聞いていたら、歌詞の中に、
「片隅に捨てられて 呼吸をやめない猫も
 どこか似ているので 抱き上げて 無理矢理に頬よせるよ」

「頬」が出てきましたが、歌っている歌詞は、
「ほほ」
でした。それにしてもこのアルバム、もう10年前のものなんですねぇ・・・つい2、3年前の感覚でいたのに・・・。
2007/5/23



◆ことばの話2166「オーツカイでーす」

4月24日、千葉県市原市のコンサートから初の全国ツアーを始めた、歌手の大塚愛さん。かわいいですよね。4月28日の東京厚生年金会館でのコンサートの模様をワイドショーで紹介していました。そのツアーのステージでの冒頭自己紹介が、こう聞こえました。
「オーツカーイでーす」
へ?「お使い」?なんの?「オーデカーケデースカー」「レレレのおじさん」だけど・・・て、もちろんこれは、
「大塚愛で−す」
と言ったのですが、なんだか「愛」の「ア」の音が、その前の「大塚」の「カ」の音とくっついちゃって、
「カーイ」
になって
「オーツカーイ」
と聞こえたのですね。まあ、かわいい。後輩のアナウンサーだったら「カツゼツが悪い」と叱るところですが、別にいいよね、アナウンサーじゃないんだから。
それにしても大体ツアーのタイトルが、
「コンドルのパンツがくいコンドル」
というおやじギャグ系。あえてこういった”ズレ”を楽しんでいるのでしょうね。
その大塚愛の「黒毛和牛 上塩タン焼680円」のCD買いました。作詞作曲も彼女です。この奇抜なタイトルといい、庶民的な値段の焼肉のメニューと「愛」を掛詞のようにして、なかなかやりますね。カップリング曲は、「本マグロ中トロ三00円(緑色)」と、これも回転寿司のメニューでしょう。庶民的です。大塚愛の魅力のひとつです。しかも芸が細かいことに、タイトルの「黒毛―」の方の値段は「680円」とアラビア数字なのに対して、「本マグロー」の方は「三00円」と漢数字なのです。和風だから?区別・工夫していますね。
この「本マグロー」の方の曲を聞いて感じたのは、
「初期のサザンオールスターズの曲調と感じが似ているな」
ということです。それと共に歌詞の付け方も似ているなと。サザンの場合は、歌詞の意味がよくわからない日本語と、英語のような発音の、英語ではない歌詞、またそのものズバリじゃないけど、あきらかに少しエッチな感じの言葉に聞こえるけど実はそうは言っていない、というようなラインの歌詞、つまり隠喩(メタファー)が多かったように思いますし、これまでだとこういったラブソングの歌詞にはなじまないような日常的なものを歌詞に取り込んでいるところなんか、よく似ていると思います。「本マグロ」の曲調も、サザンの「タバコロードにセクシーばあちゃん」のような雰囲気・匂いがしました。
ちなみに「黒毛和牛上塩タン焼680円」は、読売テレビ系で毎週月曜日19:00〜19:30に放送している手塚治虫原作のアニメ『ブラックジャック』のテーマソングにもなっています。ちょっと宣伝でした。
2005/5/1
(追記)

大塚愛の公式HPを見ると、「黒毛和牛 上塩タン焼680円」のCDの発売日は、2月9日、「ニク(肉)の日」でした。彼女(もしくはその周囲のプロデューサーたち)は、こういった言葉遊びにこだわっているようですね。
2005/5/2