◆ことばの話2146「仰げば尊しのアクセント」
3月の中旬、卒業式のニュースを読んでいたYアナが、♪「仰げば尊し」のことを、
「あおげば(LHLL)、とうとし(LHHL)」(Lは低く、Hは高く発音する)
と2つに区切って読みました。曲名の中にアクセントの山が2つあることになります。これには私は、強い違和感を覚えました。私の世代だとこの曲の名前の読み方は当然、
「あおげばとうとし(LHHH・HHHL)」
とコンパウンドして、アクセントの山は1つです。
そこでハタと思いついたのは、おそらくYアナはこの歌を歌ったことがないのではないか?という疑問です。よく使う言葉はコンパウンドすることが知られています。だから「仰げば尊し」になじみのある我々の世代はコンパウンドするのに対して、Yアナのように歌ったことがない、知らない世代にとっては、この曲名も「単なる文章」に見えて、2つに区切って読んだのではないか?ということです。
ニュースから帰ってきたYアナに聞いてみると、
「もちろん、曲は知っていますが、卒業式などで歌ったことはない」
とのことでした。やっぱりね!なんだかさびしい気持ちがしましたね。
アナウンス部内で何人か聞いてみると、
「コンパウンド派」=4人
「2つに切る派」=3人
と、ほぼ2分されました。(聞いた人数が少ないけど。)
仰いだり尊く思う先生がいなくなったから、歌わなくなったのでしょうか?
でも、歌うか歌わないかを学校で決めたのは先生方ではないですか?子供たちに歌わせるのは偽善的だとか、「そんなに歌ってもらうほどのことはしていないよ」という謙遜なのでしょうか?子供たちが自発的に歌いたくなるような先生になって欲しいなあ・・・。
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