◆ことばの話2100「青バイ」

3月3日の産経新聞、ベタ記事にこんな見出しを見つけました。
「バイクの高校生逃走、主婦はねる」
「東淀川で青バイ追跡中」

ん?「青バイ」?「白バイ」じゃなくて「青」?
記事をもう少し読むと、
「(3月)2日午後1時25分ごろ、大阪市東淀川区大桐の府道で、パトロール中の府警地域部の青バイ『スカイブルー隊』の2人がノーヘルメットで二人乗りするミニバイクを発見」
とあります。GOOGLE検索してみると(3月3日)、
「青バイ」=2360件
も出てきました。その中から警視庁のホームページを見てみると、こんな風に書かれていました。
「駅周辺、繁華街での街頭犯罪の抑止と検挙を中心に新しく導入された青バイを使って警ら活動を行っています。青バイは250CCのスポーツタイプのオートバイにサイレンや赤色灯を装備した緊急車両です。任務は、機動力を使い、パトカーの入れない路地までの小回りの効く、きめ細やかなパトロールです。また集団力を生かした目に見える警ら活動による防犯、検挙にも力を入れています。」
なるほど、「白バイ」は主に自動車の取締りをするために750ccなどでスピードが出るオートバイなのに対して、「青バイ」は250ccと排気量は小さいけれども小回りが利いて繁華街などで少年などの自転車窃盗やひったくりの警備に当たるものなのですね。ホームページの写真を見ると、たしかに「青バイ」は、青い。そのままやがな、ネーミングが。
大阪日日新聞のホームページ、2004年2月6日の記事によると・・・・
『大阪府警に「青バイ」の「スカイブルー隊」が登場したのは1997年12月。この年はひったくりが前年から一挙に2476件も増えて、8000件を大きく突破した節目の年。ひったくり犯のほとんどが小回りの利くミニバイクを使って犯行に及び、追跡されると細い路地に逃げ込み、パトカーでは逃げ切られることもあった。そこで機動性に優れ、運転能力の高い隊員をそろえた専門チームが導入された。』
のだそうで、これが「青バイ」による「スカイブルー隊」。そして、
「ひったくり多発地区を抱える署などから、同隊の派遣要請が殺到し、3年後の2000年秋には20台に倍増された。現在は方面機動警ら隊を拠点に、24時間態勢で活動している。大阪におけるひったくりの発生件数はここ2年連続して減少している。昨年(※2003年)は7820件と、ピークだった2000年の1万0973件に比べると、大幅なダウンである。」
フム、大活躍・・・ってちょっと待って、導入された1997年は引ったくり8000件超えたと書いてあったよね。そこで青バイを導入したのに、2000年がピークということは、その後もひったくりは増加していたってこと?ようやく、ここ2年減少に転じて、効果が出てきたということなのでしょうか?そのあたりがこの記事からはちゃんと読み取れないんですが・・・。
と、ここまで書いて思い出した。確か私、この「青バイ」、「ニュース・スクランブル」でナレーションを読みました・・・・。忘れてました、ハイ・・・。
ともあれ、小回りの利く「青バイ」というものがあるということはわかりましたね。犯罪が今後も減るといいですね。
2005/3/3


◆ことばの話2099「キャベコン」

2月17日の新聞に、
「キャベ・・・コン、お味は?」
という見出しとともに、葉っぱはキャベツで、根っこは大根という野菜の写真が載っていました。名付けて、
「キャベコン」
これは奈良県大和郡山市の奈良県フラワーセンターが栽培した不思議な野菜。「ネオコン」とは関係ありません。
細さ2ミリのキャベツと大根の苗を接ぎ木したものを80本試して、そのうちの4株が食べられる状態になったとのこと。実は、キャベツと大根は「同じアブラナ科」だからこう言うことができたのだそうです。
これは便利ですよね、だって1本で2度おいしい。トンカツの添え物(のキャベ)とおでん(の具の大根)が一石二鳥です。
ほかにもこんなのできないかな?
たとえば、レタスとセロリで「レロリ」とか、白菜と大根で「白根」とか。大根とニンジンで「ダイニン」、これはそのまま「膾(なます)」が作れます。紅白で美しい。ゴボウとニンジンで「ゴジン」、これはキンピラが作れます。・・・あ、そもそも根っこ同士じゃ、ダメか。
なーんてアホなことを楽しく考えていたら、翌週、三浦アナウンサーが「ズームイン!!SUPER」で、このフラワーセンターから中継していました。特別に許可をいただいてキャベコンの葉っぱ(キャベツの部分ですね)をちょっとだけちぎって味あわせてもらっていました。味は・・・とっても苦かったそうです。このキャベコンと似た名前の胃薬「キャベ××」よりも苦かったとのこと。
3月4日の毎日新聞にもこのキャベコンの記事が載っていました。その記事によると、
「大根部分は養分が少ないために、捨てられる運命」
なんだそうです。残念!でも、三浦アナウンサーによると、
「大根部分も食べられるってセンターの人は言ってましたよ。」
ということなのですが。
2005/3/4

(追記)

3月24日の産経新聞に「キャベコン」が載っていました。それによると、奈良県フラワーセンターでは、
「キャベコンの花はいつ咲くか?」
という「花当てクイズ」を始めたとのこと。締め切りは4月10日で、キャベコンを現地で見て、開花日予測を応募。正解者の中から抽選で一人に、「キャベコンの鉢植え」をプレゼントしてくれるそうです。え?たった一人?貴重なんだ、それだけ・・・。
2005/3/24


◆ことばの話2098「エンジェルフィッシュ」

ナレーション録音をしているMアナウンサーから電話です。
「『シャークテール』って映画の紹介の中で『エンジェルフィッシュ』って出てくるんだけど、これって『エンゼルフィッシュ』じゃないのかな?どっちだろう?」
ふーん、どっちだろうか?
GOOGLEで検索しました。(2月28日)
「エンゼルフィッシュ」=2万0500件
「エンジェルフィッシュ=  3730件

ということで、ネット上では「エンゼル」が圧倒的に優勢です。
辞書を引いても『新明解国語辞典』『広辞苑』『新潮現代国語辞典』
ともに「エンゼルフィッシュ」しか載っていません。『明鏡国語辞典』は「エンジェル」「エンゼル」も載っていましたが、「エンゼルフィッシュ」も「エンジェルフィッシュ」も載っていませんでした。
『日本国語大辞典』は、見出しは「エンゼルフィッシュ」だけでしたが、その意味のところに「エンジェルフィッシュ」と書いてあったので、「エンゼル」が優勢だけれども「どちらでもよい」という立場でしょうか。
この例に限らず、おそらく英語の原音に近いのは「エンジェル」でしょう。しかし、すでに古くから日本語の中に取り入れられていて、その中で「エンゼル」という外来語として定着しているという現状がある。つまり、
「英語ならエンジェル、外来語(日本語)ならエンゼル」
という使い分けが行われているということではないでしょうか。
Mアナウンサーには、そう説明した上で、
「映画のパンフレットが『エンジェルフィッシュ』としているのなら、それに従ってもいいのではないですか?」
と答えたのでした。録音から帰ってきたMアナウンサーに聞くと、
「ああ、エンゼルにした。番組の視聴者層は、割合と年齢が高いし、エンゼルフィッシュの方がなじみがあるでしょ。」
ということでした。
またHアナウンサーと話をする中で、
「『ジェリービーンズ』は、やはり『ジェリー』ですよね。これが『ゼリービーンズ』だとなんだかしっくりしませんね。」
GOOGLEで検索したら(2月28日)
「ジェリービーンズ」=1万3100件
「ゼリービーンズ」=   4050件

でした。
2005/2/28


◆ことばの話2097「駅舎」

3月2日の夜、高知県の土佐くろしお鉄道の宿毛(すくも)駅で、「特急南風」が車止めを乗り越えて駅舎に衝突、運転士が死亡する事故がありました。
そのニュースを伝えた3月3日のNHKのお昼のニュースで、男性アナウンサーは、
「(電車が)駅舎に当たりました。」
と原稿を読む中で「駅舎」のアクセントを、
「えきしゃ(LHH)」
と、「平板アクセント」で読んだのでした。それを耳にした私は、

「え?易者に当たった?当たるも八卦当たらぬも八卦、か?『駅舎』のアクセントは、頭高で『えきしゃ(HLL)』ではないのか?」

と思ってアクセント辞典を引いてみると、果たして最初に「頭高アクセント」、そして二番目に「平板アクセント」も載っていたのでした。いいのか、平板アクセントでも・・・・でも、なんだか「易者」に聞こえて仕方がないんですけど・・・
で、その日の夜、NHK放送文化賞受賞者のニュースで、ニュースの音声を字幕にするシステムを作ったとして早稲田大学の白井総長が紹介されていたのですが、その時に使われていたニュースが、まさにこの電車事故のニュースで、そこでは同じアナウンサーが、「駅舎」を、
「えきしゃ(HLL)」
と、ちゃんと頭高アクセントで読んでいました。ちゃんと両方のアクセントを使っていたのですね。意味は同じだから、2つのアクセントを使わない方がいいとは思うけど・・。

2005/3/3


◆ことばの話2096「電車内にて」

電車に乗っていたら、
「暴力や痴漢行為は犯罪です。追放に向けて皆様のご協力をお願いします」
という車内放送が。いつも耳にしていたのですけど、この日は気になりました。これは、「もし、痴漢を見つけたら捕まえろ」
という意味での協力か、それとも、
「気を抜くと暴力や痴漢行為をしてしまいそうな客に自制を求めるもの」
なのか?後者のように思えるのですが、だとすると随分馬鹿にされたものだなあ。
ところで、痴漢の「漢」は男なので、たしかに「女性専用車」にすればたしかに「痴漢」は防げます。でも「痴女」は防げないか。
どうする?
「男性専用車」を作りますか。なんだか、乗るのは気が引けそうですが。いや、実態は現状と同じでも、ねえ・・・。
2005/3/3