◆ことばの話2050「酒造り」

用語懇談会の委員のFさんから、こんな質問のメールが来ました。

「アナウンス室で疑問がこんな出ました。『酒造り』は『さけづくり』?『さかづくり』?それとも『さけつくり』でしょうか?『NHKアクセント辞典』を引くと『さけつくり』なのですが、『広辞苑』は『さかづくり』なのです。アナウンス部のみんなは『「さけづくり」じゃないのか?!』と言っておりますが、どれが正しいのでしょうか?」

そこでさっそくお返事のメールを送りました。
「『酒造り』の読み方ですが、『日本国語大辞典』(小学館)で見ると、本見出しは、
『さかづくり』で、『さけづくり』は『空(から)見出し』になっています(「さかづくり」を見よ、と)。結論から言うと、古くは(伝統的には)『さかつくり』(あるいは「さかづくり」)であったが、近年は『さけづくり』に変わってきていると。だから、伝統的な神様に捧げるような、あるいは皇室の儀式などで出てくる時は『さかつくり』『さかづくり』で、普通の日本酒を造っているような時は『さけづくり』で良いのではないでしょうか?
『日国大』の『さかづくり』の用例は、『皇太神宮儀式長』(804年)と1500年ごろの『七十一番職人歌合』ですが、どちらも『酒作』『酒つくり』と漢字で書いてあって、読み方は書かれていません。『さかつくり』の意味の所には、
『酒を醸造すること。酒をつくって売ること。また、その人。さけつくり。』
とあります。
また、『雨』という言葉も最初に『あま』があって、あとから『あめ』になったということですから、その辺の類推から、『酒』も最初は『さか』で、後に『さけ』になったのではないでしょうか?
またこの手のもので、昔の食品の読み方が近年変わったものとしては、
『米酢』
があります。本来、これの読み方は、
『ヨネズ』
でしたが、最近は、料理番組などでも、
『コメズ』
と言われています。」

と書いていて、以前、「酒」の読み方について似たようなことを書いて気がして検索すると、ありました、ありました。『酒米』の読み方について、2001年11月に「平成ことば事情479・酒米」に書いていました。
この時は「さかまい」と読むように尋ねてきたSアナに指示しましたが、『広辞苑』には「酒米」が載ってなかったので、調べて考えることに。まず「酒」と「米」とに分解して読み方を考えると、「酒」は「さけ」か「さか」か「しゅ」、「米」は「こめ」「ごめ」「まい」「よね」「べい」で、組み合わせでは、3×5で15通り。
「さけこめ」「さけごめ」「さけまい」「さけよね」「さけべい」「さかこめ」「さかごめ」「さかまい」「さかよね」「さかべい」「しゅこめ」「しゅごめ」「しゅまい」「しゅよね」「しゅべい」
以上、15種類。「米」という字の読み方は、
「むぎこめ(麦米)」「もちごめ(餅米)」「はくまい(白米)」「あかまい(赤米)」
「よねず(米酢)」「べいこく(米国)」「にちべい(日米)」

という具合。図書館で『日本国語大辞典』を引くと、「酒米」の読みは、
「さかまい」
で載っていたということでした。「読み方がいろいろあるということは、それだけ、日本人の生活に密着していることの証明でもあるような気がした」と記していました。



2005/1/14


◆ことばの話2049「防犯・判決・支援のアクセント」

先日、読売テレビのニュースを見ていると、「防犯」のアクセントを「頭高アクセント」で、
「ぼうはん(HLLL)」
と、東京出身のT記者がしゃべっていて違和感がありました。『NHK日本語発音アクセント辞典』では、
「ぼうはん(LHHH)」
という「平板アクセント」です。奈良の小学生誘拐殺人事件のニュースでは、「指導」を「頭高アクセント」で、
「しどう(HLL)」
と読んでいるNHK大阪局のアナウンサーがいました。(12月4日)これも『NHKアクセント辞典』では、
「しどう(LHH)」
という「平板アクセント」です。頭高では「中村獅童」です。1月16日にテレビ朝日の男性アナウンサーも、同じように「指導」を頭高アクセントの「しどう(HLL)」と読んでいました。こういうふうに、本当は「平板アクセント」の単語を「頭高アクセント」で読むケースはほかにもあります。
「判決」「審判」「予算」
など。政治家や警察、教師などがよく使います。(「予算」はもう頭高が定着していると言えるでしょう。)
なぜこうなるか考えると、「平板アクセント」では強調できず、メリハリがつかないので、強調してメリハリをつけるために「頭高アクセント」にしているのではないでしょうか。
今後増えるような気がしますが、アナウンサーは使わないようにしたいと思います。
2005/1/15

(追記)

2月11日の深夜、NHKテレビで宮本隆治アナウンサーが、「起動する」のアクセントを、
「きどう(HLL)する」
と、「頭高アクセント」で読んでいました。「起動」は『NHK日本語発音アクセント辞典』には「平板アクセント」しか載っていません。頭高アクセント化は、宮本さんのようなベテランアナウンサーにまで及んでいるのでしょうか?

2005/2/14

(追記2)

3月13日の放送に出てきたソフトバンク・インベスティメントとの北尾社長(CEO?COO?よくわかりませんが要は「社長」、という感覚で。ダメかな?)が、「解決」という言葉を頭高アクセント
「かいけつ(HLLL)」
と言っていました。なんだかお相撲さんの、
「魁傑」
のように聞こえましたが。古いかな。旭国との水入り10分24秒の大相撲を思い出しました。昭和53年だったかな。と、ここまで書いてネットで検索してみたら、なかなか記憶はたしかでしたねえ。荒磯部屋のホームページに、こう出ていました。2001年の記述です。
「さて23年前の2番後取り直しの大一番は、昭和53年春場所7日日の旭国対魁傑戦で、この時は動きの多い相撲で10分23秒を要し、最後は魁傑が”すくい投げ”で白星をもぎ取りました。」
私の記憶と1秒違ったな。
あ、横道にそれました。「解決」のアクセント。この「解決」も、演説口調の北尾氏にかかると「頭高アクセント」になる、ということでした。
2005/4/4

(追記3)

北尾さんのフルネームは、北尾吉孝。会社の名前は「ソフトバンク・インベスメント」で、役職はやはりCEOでした。会社の名前、微妙に間違えていました。すみません。
2005/4/4

(追記4)

9月1日、社民党の福島みずほ党首が衆議院選挙の演説をしている様子をニュースでやっていました。そのとき福島さんは、「雇用」という言葉を、
「コヨウ(HLL)」(Hは高く、Lは低く発音します)
と「頭高アクセント」で話していました。これは「政治家演説アクセント」ですね。NHKのアクセント辞典には平板アアクセントしか載っていません。
また、京都4区から立候補している前職の田中英夫候補は、演説の中で、「国会」「結果」が、
「コッカイ(HHLL)」、「ケッカ(HHL)」
と「頭高アクセント」でした。
2005/9/10

(追記5)

9月17日、最終回を迎えた日本テレビのドラマ「女王の教室」で、卒業式の予行演習の場面があり、そこで卒業生が、
「指導してくださった先生方」
と言った時の「指導」が、頭高アクセントの、
「シドウ(HLL)」
でした。また同じく9月17日、わずか2票の僅差で菅直人さんを破って民主党の新代表になった、前原誠司さんが就任会見で、「教育」を頭高アクセントで、
「キョウイク(HLLL)」
と言っていました。
2005/9/18

(追記6)

「奉仕」
も「頭高アクセント」だけど、本来は「平板アクセント」かと思って「NHKアクセント辞典」を引いたら、頭高、平板の順で両方載っていました。
2005/9/20

(追記7)

10月5日のTBS「ニュース23」で、井上波という女性記者が、「西ナイル熱」についてアメリカ・カリフォルニア州から伝えていました。その中で「背景」を頭高アクセントで、
「はいけい(HLLL)」
とリポートしていました。敬具。
2005/10/6


(追記8)

10月8日、NHKのアスベスト問題に関する特番に出てきた岡山県の医師は「治療」を、頭高アクセントで、
「ちりょう(HLL)」
と言っていました。時々耳にするアクセントではありますが、『NHK日本語発音アクセント辞典』には平板アクセントしか載っていません。
2005/10/13

(追記9)

11月1日の『ズームイン!!SUPER』で、日本テレビの西尾由佳理アナウンサーが、「背景」
「はいけい(HLLL)」
「頭高アクセント」で読んでいました。「追記7」のTBS井上記者と同じですね。
2005/11/3

(追記10)

11月4日、夕方に放送していたNHKの『そのとき、歴史が動いた』の特集は「百世の安堵をはかれ」。おそらく再放送だと思いますが、和歌山県の「稲むらの火」を取り上げていました。浜口梧陵です。
その中でゲスト出演していた京大防災研究所の河田恵昭教授は、「防災」
「ぼうさい(HLLL)」
と「頭高アクセント」で話していました。「防犯」が頭高になるなら、なるほど「防災」も頭高アクセントになりますね。
2005/11/4

(追記11)

11月4日の「ニューススクランブル」でリポートしていた読売テレビ報道局・京都支局の杉山記者は、裁判の「証人」を、
「しょうにん(HLLL)」
と、「商人」と同じ頭高アクセントで言っていました。

2005/11/4
(追記12)

11月7日の日本テレビ「情報ツウ」で、歌手の本田美奈子さんの死去の報を伝えた大原リポーターが、「治療」を頭高アクセントで、
「ちりょう(HLL)」
と言っていました。

2005/11/11

(追記13)

11月11日のNHKラジオ第一の男性アナウンサーが、「同時」を頭高アクセントで、
「どうじ(HLL)」
と言っていました。これはNHKアクセント辞典でも( )内に2番目に載っているアクセントですが、今聞くと、相当違和感のあるアクセントになっていますね。

2005/11/28

(追記14)

10月31日に発足した第3次小泉改造内閣には、関西からもだいぶ入閣していました。
選挙区で言うと、谷垣禎一・財務大臣は京都、北側一雄・国土交通大臣は大阪、中馬弘毅行政改革大臣は大阪。で、経済産業大臣として入閣した二階俊博氏(66)は和歌山県出身です。その二階さん、
「中川・前(でん)経済産業大臣」
と言っていました。和歌山弁ですねえ!また、
「交渉がデッドロックに乗り上げる」
とも言っていましたが、これは典型的な誤用です。「デッドロック」の「ロック」は「rock(岩)」ではなく、「カギ(正しくは「錠」です。lock)」です。日本新聞協会の『放送で気になる言葉〜改訂新版』の51ページに、「deadlock(行き詰まり、二重錠前)」を「暗礁に乗り上げる」という誤用があるが日本語で「暗礁に乗り上げる」と使えば問題ない、と記されています。
それは置いておいて、二階大臣は、「国会」のアクセントが「黒海」と同じ頭高アクセントで、
「こっかい(HLLL)」
でした。(追記4)の京都の田中英夫・元代議士と同じだ!やはり政治家用語なのか?
2005/11/30

(追記15)

担当している『声〜あなたとよみうりテレビ』の1月14日放送分の収録を、先ほど行いました。番組では、読売テレビの高田孝治社長が念頭のあいさつを行いました。その中で4月1日から本放送が始まる「ワンセグ放送」に関連しての話で、
「通信と放送の融合」
という言葉が出てきました。この「通信」を高田社長は、
「つうしん(HLLL)」
「頭高アクセント」で言っていました。『NHK日本語発音アクセント辞典』では「平板アクセント」しか載っていませんが、これも演説アクセントなのでしょうか?その後、登場した、「ワンセグ放送」担当のコンテンツ開発事業局の松山浩士(同期です)も、「通信」を、
「つうしん(HLLL)」
「頭高アクセント」で言ってました。ということは、これは「専門家アクセント」なのかもしれませんね。詳しくは、1月14日朝5時25分から放送の『声』をご覧ください。ちょっと朝、早いけど。

2006/1/11

(追記16)

1月13日の「ズームイン!!SUPER」で、読売新聞・編集委員の橋本五郎さんが「指導」を、
「しどう(HLL)」
と頭高アクセントで話していました。


2006/1/13

(追記17)

ご常連の川崎市の西尾さんの本業は「通信業界」。その立場からのご意見です。
『通信機業界関係者としては、言われてみると、確かに「通信」と単独に言うときは頭高アクセントです。平板アクセントだと違和感があります。「痛心」?「通芯」??とか。
「電気通信・情報通信・データ通信・無線通信・」などの「○○通信」も頭高ですが、「通信機器・通信回線・通信衛星・通信システム」などの「通信○○」は平板です。これは複合語の場合の一般ルールでしょうね。』
とのこと。複合語は確かに「コンパウンド」しますから「平板」になりますね。単独で「頭高アクセント」になるというのが、専門家アクセントの証拠だと思います。

2006/1/15

(追記18)

「総括」も、頭高アクセントで、
「そーかつ(HLLL)」
と言うけど、本来は平板の、
「そうかつ(LHHH)」
ではないか、と思って『NHKアクセント辞典』を引いたら、
「頭高が先、2番目に平板アクセント」
で載っていました。
2006/1/19

(追記19)

2月23日、民主党・永田議員の「堀江メール」問題について答えた小泉総理は、「電子メール」の意味でのメールを、
「メール(HLL)」
と頭高アクセントで答えていました。これも「政治家アクセント」なのかな?でも他の政治家の方で、頭高アクセントの「メール」と言っている人を聞かないのですが・・・。それにしても、もう誰も、
「電子メール」
とか
「eメール」
とか言わなくなりましたねえ・・・。
2006/3/8

(追記20)

4月4日の「ニューススクランブル」で「泣くとスッキリ!」という特集をしていました。その中で横須賀キャスターが、「背景」を「頭高アクセント」で、
「はいけい(HLLL)」
と言っていました。拝啓、敬具。
2006/4/4
(追記21)

4月21日のお昼のニュースで、読売テレビの佐藤記者(男性)は、奈良の騒音おばさんの判決公判(懲役1年の実刑判決が出ました)の中継で、「再犯」を、
「さいはん(HLLL)」
と「頭高アクセント」でしゃべっていました。
2006/4/21
(追記22)

4月26日のNHKのお昼のニュースで、男性の記者が中継で、「背景」を、
「はいけい(HLL)」
と「頭高アクセント」でしゃべっていました。『NHK日本語発音アクセント辞典』には「平板アクセント」しか載っていませんが、本当に「頭高アクセント」でしゃべる人が増えています。
2006/4/26
(追記23)

5月1日の朝8時15分過ぎのNHK「BSニュース」で大林奈津子キャスターという人が、ユダヤ人団体の代表の方が亡くなったニュースに関して、「ホロコーストの記憶の風化」「風化」を、
「ふうか(HLL)」
「頭高アクセント」で言っていました。『NHK日本語発音アクセント辞典』には、「平板アクセント」の、
「ふうか(LHH)」
しか載っていません。「頭高アクセント」だと、まるでタレントの、
「優香(HLL)」
のようなアクセントになってしまいます。あ、レッサーパンダの
「風太(HLL)くん」
と同じようなアクセントでもあります。え?「風太くん」が「風化」してるって?そうか。
2006/5/1
(追記24)

京阪電車の枚方市駅の男性駅員さんのアナウンスを聞いていたら、
「2番線から急行、発車いたします」
と言っていました。この「発車」「頭高アクセント」で、
「はっしゃ(HHL)」
と言っていました。
2006/5/15
(追記25)

5月15日のテレビ朝日のお昼のニュースで、北朝鮮の拉致問題に関してテレビ朝日の男性記者が、「解決」
「かいけつ(HLLL)」
と、頭高アクセントでしゃべってました。(追記2)で去年3月に書いたソフトバンク・インベストメントとの北尾CEOの「解決」のアクセントと同じですね。
2006/5/16
(追記26)

5月16日のTBS「ニュース23」で、スポーツコーナーの女性キャスターが、楽天の野村克也監督を指して「知将」と読んだ時に、「頭高アクセント」で、
「チショー(HLL)」
と言ってました。これでは、
「(強盗)致傷」
のように聞こえてしまいます。「知将」という言葉をご存じなかったのでしょうか?
その楽天の相手は、野村監督の教え子・古田敦也監督率いるヤクルト。この2人の対決を、
「克也」対「敦也」
として紹介していたのですが、これは言われてみて初めて気づきました。この二人、名前の最後が「也」で一緒だったんですね。
2006/5/18
(追記27)

5月12日の夜8時過ぎ、テレビに出ていた(何の番組かは忘れた!)橋下弁護士が、「再犯」「頭高アクセント」で、
「さいはん(HLLL)」
と言っていました。(追記21)で書いた読売テレビの司法担当・佐藤記者(男)と同じアクセントです。司法関係者の専門用語かもしれません。
2006/5/19
(追記28)

5月21日(日)深夜の毎日放送系のドキュメンタリー番組「映像’06〜女ざかり男ざかり」を見ていたら、新潟・佐渡島のお寺のお坊さんで、レコーディングディレクターでもある佐藤方紀住職(61)が、女性でベテランのクラシック歌手で、「ポルトガルの演歌」と言われる「ファド」を歌える年齢になったという柳 貞子さん(74)に、ファドを歌わせてCDを作ろうとしている様子を取材していました。(ちなみにファドの伴奏は「マリオネット」の二人。「マリオネット」は、私も会員である大阪日本ポルトガル協会の会員で、協会の方でも応援しているポルトガルギターの湯淺 隆さんとマンドリン奏者・吉田剛士さんによるアコースティック・ユニットで、以前、私も演奏を聴きに行ったことがあります。)
その番組で、佐藤住職が読経の中で「完了」を、
「かんりょう(HLLL)」
「頭高アクセント」で言っていました。お経の節だからなのか、それとも、佐渡島ではそういうアクセントなのかはわかりませんでしたが。ファドのCDは6月20日発売だそうです。
2006/6/15
(追記29)

6月17日、日本テレビ系の朝の番組「ズームイン!!サタデー」で、秋田の小学生殺害事件に絡んでVTR出演していた、元・監察医の上野正彦さんが、「犯罪」を「頭高アクセント」で、
「はんざい(HLLL)」
と言っていました。これももしかしたら専門家アクセントなんですかね。
2006/6/17
(追記30)

6月25日NHK・衛星第一テレビでサッカー解説者の三浦泰年さんが、ワールドカップの番組で、
「発揮」「頭高アクセント」で、
「はっき(HLL)」
と言っていました。『NHKアクセント辞典』を見ると、2つ目の発音で「頭高アクセント」の「発揮」が、「はっき」りと載っていました。あるんだ、このアクセントも。

2006/6/29

(追記31)

2006年5月7日のNHK夜7時のニュースで、槍田真希子(やりた・まきこ)記者がニューヨークから、イランのウラン濃縮に関する安保理決議について、
「採択(HLLL)」
と「頭高アクセント」で3回言っていました。
2006/8/7

(追記32)

追記の7、9、20、22でも書いた「背景」の頭高アクセントです。
2006年7月24日、コタ・キナバル(マレーシア)で見たNHK海外放送のテレビでの「経済最前線」で、NHK経済部の大西英嘉記者が、「その背景には」頭高アクセントで、
「そのハイケイ(HLLL)には」
と言ってました。
2006/8/10

(追記33)

病気の腎臓を移植したとして問題になっている宇和島徳州会病院・万波 誠医師。その弟の万波廉介医師がインタビューに答えていた場面で、
「治療(HLL)」
「腎臓(HLLL)」

「頭高アクセント」で話していました。これは「演説アクセント」だからか、それとも「方言アクセント」なのか、はわかりませんが。

2006/11/9

(追記34)

11月15日、日本テレビの「ニュース・ゼロ」で、サッカー解説者の北沢 豪さんが語った、
「オシム監督の指導の成果が見られました」
「指導」が「頭高アクセント」でした。
2006/11/21

(追記35)

11月15日のNHK午後10時台のニュースで女性アナウンサーが、「採決」を「頭高アクセント」で、
「サイケツ(HLLL)」
と読んでいました。
2006/12/1

(追記36)

12月4日、日本テレビ「スッキリ!」のニュースコーナーで、談合事件の関連で辞職を表明した宮崎県知事の会見の様子を放送していました。その中で安藤忠恕(ただひろ)宮崎県知事が、
「身の潔白を証明する」
と言っていたのですが、その「潔白」が、
「けっぱく(HLL)」
「頭高アクセント」でした。明らかにこれは「政治家アクセント」ですね。『NHK日本語発音アクセント辞典』には「平板アクセント」しか載っていません。「潔白」を強調したかったのでしょうね。
2006/12/4

(追記37)

上の「追記36」で書いた宮崎県の安藤知事は、結局逮捕されてしまい、「潔白」を証明できませんでした。もちろんこれからの裁判で「潔白」を証明できるかもしれませんが・・・どうなんでしょう?そうこうしているうちに、な、なんと、そのまんま東氏(本名:東国原〈ひがしこくばる〉英夫)が宮崎県知事に当選してしまいました。すごいですねーって、横山ノックが知事だった大阪府民としては何も言えないのですが。宮崎の大阪化か?
それはさておき、2007年1月24日の日本テレビ『スッキリ!』の中でコメンテーターの医師・おおたわ史絵さんが、東京・巣鴨のとげ抜き地蔵近くで漢方薬局を経営していた女性の中医師(中国で言う「漢方のお医者さん」ということらしい。いわゆる西洋医学のお医者さんは「西〈せい〉医師」と言うそうです)が薬事法違反で逮捕されたという事件に関して、「調剤」を「頭高アクセント」で、
「ちょうざい(HLLL)」
と言っていました。『NHK日本語発音アクセント辞典』では、「平板アクセント」の、
「ちょうざい(LHHH)」
しか載っていません。医学の専門家の間では「頭高アクセント」になるんですかね。
2007/1/24

(追記38)

1月26日のテレビ朝日・お昼のニュースで、ライブドアの堀江貴文被告の裁判の様子を伝えていました。その中で裁判所から中継リポートしていた女性司法記者が、普通は「平板アクセント」で、
「べんろん(LHHH)」
と言うべき「弁論」を、
「べんろん(HLLL)」
「頭高アクセント」で伝えていました。もちろん「結審」「頭高アクセント」で、
「けっしん(HLL)」
と言っていましたが、これは「平板」と「頭高」両方のアクセントが『NHK日本語発音アクセント辞典』に載っていて、スタジオで顔出しリードを読んでいた丸川珠代アナウンサーは、
「けっしん(LHHH)」
「平板アクセント」で読んでいました。
2007/1/26

(追記39)

1月11日、日本テレビのお昼前のミニ番組『ご存知ですか』で、千葉県は南房総の特集をしていました。その中で地元の生花農家のおばさんにインタビューしていて、そのおばさんが「房総」を、
「ぼうそう(HLLL)」
「頭高アクセント」でしゃべっていました、地元のアクセントなんでしょうか?リポーターの鷹西美佳アナウンサーは、
「ぼうそう(LHHH)」
「平板アクセント」でした。そういえば、2月1日『ニューススクランブル』で特集した、財政破綻した北海道夕張市を兵庫県の加西市長が訪れたという話のナレーションで、「夕張市」を私は、
「ゆうばり(HLLL)」
「頭高アクセント」で読みました。たぶん、地元に近い読みではないかと思って。「平板アクセント」で、
「ゆうばり(LHHH)」
だと、普通でしょ。
2007/2/2
(追記40)

2007年1月21日、山梨県甲府市の市長選挙で再選された宮島雅展市長「市政」を、
「しせい(HLL)」
「頭高アクセント」で話していました。
2007/2/15
(追記41)

2007年3月29日、『NHK特集』で「しんかい6500」からの海の様子を写した番組で、「しんかい6500」の「しんかい」「頭高アクセント」
「しんかい(HLLL)」
でした。ナレーターは緒形 拳さん。深さ200メートルからを「深海」と呼ぶんだそうです。

2007/4/30
(追記42)

5月20日深夜に放送した日本テレビ系『ドキュメント‘07』は、読売テレビ制作で、あの神戸の酒鬼薔薇事件から10年、遺族の歩みを取材していました。その中でナレーターの坂 泰知キャスター(去年までアナウンサー)も遺族の方もみな、
「審判(HLLL)」
「審判」を「頭高アクセント」で話していましたが、これは「少年審判」の略語としての「審判」ではないか?と思い当たりました。そして、
「しょうねん・しんぱん(LHHH・HLLL)」
の後半の、
「しんぱん(HLLL)」
そのまま引き継いで「頭高アクセント」になっているのではないか?と思ったのですが、いかがでしょうか?
「平板アクセント」の、
「しんぱん(LHHH)」
だと、一般名詞になってしまう感じがします。「頭高アクセント」の方が、重たい感じがします。「神の審判」の「審判」も、「頭高アクセント」の方が、しっくりきますよね。


2007/5/21
(追記43)

7月9日、夕方のニュースを見ていると、中国残留孤児支援に関する与党プロジェクトチーム(座長・野田毅元自治相)が、生活保護に代わる新たな支援策を決定して安倍晋三首相に報告、孤児側が反発していた収入認定は残るものの、厚生年金の受給など働いていた人が報われる仕組みを最終的に加えたことで、孤児側の同意が得られたそうです。支援策は議員立法で今年の秋の臨時国会に提案され、来年(2008年)1月施行を目指します。残留孤児訴訟の原告・弁護団は同日、改めて支援策受け入れを与党プロジェクトチームに伝えました。法案成立後に訴訟終結の手続きに入るそうです。その際に中国残留孤児の訴訟団の団長が、「訴訟」を、
「そしょう(HLL)」
と「頭高アクセント」で発音していました。
2007/8/4
(追記44)

今日(9月10日)開幕した臨時国会で、安倍総理は年金問題について、
「必ず解決(HLLL)いたします」
「頭高アクセント」の「かいけつ(HLLL)」でした。一方、安倍総理の演説を聞いてインタビューに答えた、民主党の長妻議員は、
「かいけつ(LHHH)」
「平板アクセント」でした。
2007/9/10
(追記45)

10月25日お昼の日本テレビ『ストレイトニュース』で、丸岡いずみキャスターが、「治療」「告知」をともに「頭高アクセント」で、
「ちりょう(HLL)」「こくち(HLL)」
と言ってました。
2007/10/26
(追記46)

11月4日の午前9時30分頃、NHKラジオ第一を聞いていたら、民主党の菅 直人さんが、「通過」(「法案が衆議院を通過」という文脈で)を、
「つうか(HLL)」
「頭高アクセント」で、「通貨(HLL)」と同じアクセントでしゃべっていました。やはり「政治家アクセント」だ!

2007/11/8
(追記47)

11月27日、TBSの『ニュース23』を久々に見ていたら、膳場アナウンサーが、「製品」を「頭高アクセント」で、
「せいひん(HLLL)」
と、4回も読んでいました。これも何か専門家・演説アクセントなんでしょうかね?膳場さんも、一度アクセント辞典を引いてみてください。平板アクセントしか載っていませんから。

2007/11/30
(追記48)

その昔、若かりし日の藤谷美和子さんが出演していた「かっぱえびせん」のコマーシャルで、藤谷さんは、
「ひゃくえん(百円)で、カルビーポテトチップスは買えますが、カルビーポテトチップスでひゃくえんは、買えません。あしからず。」
と言っていましたね。その最初の「ひゃくえん」「頭高アクセント」で、
「ひゃ\くえん」
と言っていたが印象に残っていますが、このアクセントは今思うと「防犯」「教育」と同じ「強調アクセント」だったのではないか、と。
あのときの藤谷美和子さんは、カメラの前に立って、画面の前の視聴者の皆さんに訴える演説のような感じでしゃべっていました。そう考えると、頭高の「ひゃ\くえん」にも納得がいきます。
30年近く前の疑問を解決することが出来た気分です!メデタシメデタシ。


2008/5/1
(追記49)

NTT西日本のイチローが出てるCMで、「通信」「頭高アクセント」で、 「ツ\ウシン」
と言っていました。
また、昔のフォークソングを集めたCDを買って聴いていたら、『走れ!コータロー』の中の美濃部都知事(当時)の物まねのセリフの部分、
「慎重に検討を重ねました結果」

「慎重に」「頭高アクセント」で、
「シ\ンチョーニ」
となっていました。そう言えばそうだったなあ。昔(1960年代)から、こういったアクセントはあったのですね。
2008/6/13
(追記50)

2008年11月18日の「情報ライブミヤネ屋」で、常盤大学大学院の諸澤英道教授は、「犯罪」を、
「ハ\ンザイ」
「頭高アクセント」で話していました。また、この日の原稿に出てきた「採決」のアクセントですが、古いNHKアクセント辞典(黒表紙)は、
「サ/イケツ、サ\イケツ」
の順番で2つ載っていましたが、一番新しい緑表紙のアクセント辞典では順番が逆になって、
「サ\イケツ、サ/イケツ」
でした。
2008/11/18


◆ことばの話2048「四十八滝」

1月8日の夜のニュースで、和歌山県の那智勝浦にある那智山青眼渡寺の僧侶らが、滝修行をしたという原稿が出てきました。その中で、「那智山48滝」に、
「よんじゅうはちたき」
とルビが振ってあったので、
「これって、シジューハッタキじゃないの?三重県の赤目四十八滝はシジューハッタキだよ」
とデスクに言うと、彼女は、
「和歌山のカメラマンに確認したんですけど、地元ではヨンジューハチだって言うんですよ。」
というのです、そこでいろいろ調べるうちに思い当たりました。
「四十八滝と言っても滝が48あるわけではないはず。ということはこの四十八というのは『七色の虹』や『五色沼』の『ナナイロ』『ゴシキ』のように『シジューハチ』と読んで、『たくさん』ということを表すのではないか。相撲での『四十八手』も、たしかに48種類あるがそれも『シジューハッテ』と読んで『たくさんある』ということ。どうも仏教と関係ありそう。そうだ『四十九日』というのも『七日かける七回』で成仏する。その『四十九日』の49より一つ少ない48、なんだか意味がありそうな気がする。」
と思って『広辞苑』「しじゅうはち」を引いてみたら、
「しじゅうはちがん(四十八願)」
「しじゅうはちや(四十八夜)」
「しじゅうはったか(四十八鷹)」
「しじゅうはったな(四十八棚)」
「しじゅうはって(四十八手)」

「しじゅうはち」が付く言葉がありました。この中で、「四十八願」は、
「阿弥陀仏が法蔵比丘であった昔、一切衆生を救うために発したという四八の誓願。特にその中の第十八の念仏往生願は、浄土教の中心となる願」
また「四十八夜」は、
「阿弥陀の四十八願に因んで、四八夜の間、念仏を唱え、または浄土三部経を講説する行司。」
また、「四十八鷹」は、
「(鷹の種類が四八あるとして)あらゆる種類の鷹。」
ホラホラ、やっぱり「四十八」で「あらゆる種類の」という意味が出てきましたよ!
また、インターネットを検索すると、「地名コレクション」というサイトの中に、なんと、「四十八滝コレクション」
というページがありました。今川焼さんという人が編集しています。それによると、
「渓流に懸かっているたくさん滝を総称して呼ぶ言い方として、各地にあるのが『四十八滝』です。四十八滝には、『いろは48文字』にあわせて48の滝を選んでいるもの、『仏教で阿弥陀如来が立てた48の誓願』に由来するものもありますが、単に『たくさん』を表す言い方として『キリのいい数字?』として四十八が使われていることもあるようです。」
と記されています。
ということで、この原稿では、「四十八滝」は、
「しじゅうはったき」
と読むことになりました。仏教関係の「四十八」は「シジュウハチ」と読んだ方がよさそうです。「滝」だけに、「多岐」に渡るということですかね?

2005/1/8

(追記)

「満中陰」
いわゆる、
「四十九日(しじゅうくにち)」
も、7×7、「シチシチ・シジュウクニチ」ということで、なんだか仏教での重要な数字のようです。その「四十九日」よりも「1」少ないのが「四十八」です。なんだか意味がありそうです。
私の田舎の三重県の伊賀上野(「上野市」だったのに、なんだか最近「伊賀市」になったとかで、ヘンな感じです)に、
「四十九」
という地名があります。こう書いてみんな、
「シジュク」
と呼んでいました。バスの終点でした。昔は(今は知りません)。何か関係あるのかな。

2004/1/13

(追記2)

「しじゅうハチたき」「しじゅうハッたき」かに関しては、「ハチたき」と言う時の「チ」が無声化になるために、促音化して「ハッたき」としても、耳で聞いた感じはあまり変わらないという事情があるのではないでしょうか。完全に促音化すると、やや耳で聞いた感じは変わってくると思いますが。

2004/1/20

(追記3)
「赤目四十八滝」については、平成ことば事情1503「赤目四十八滝と涙そうそう」もお読みください。

2004/1/20



◆ことばの話2047「新聞配達員」

奈良の小学生誘拐殺人事件。12月30日、私は奈良西警察署の前から中継を担当しました。その時に伝えられた「容疑者の職業」は、
「新聞販売店従業員」
でした。逮捕翌日の12月31日の新聞紙面での「容疑者の職業」についての表記は、私が見た限りでは、
朝日=「新聞販売所従業員」
読売=「新聞販売店員」「毎日新聞西大和ニュータウン販売所の店員」
毎日=「新聞販売店従業員」

でした。テレビ各局は、
「新聞配達員」
を使っていたと思うのですが、新聞社では使っていないようです。なんでだろうか?と感じた時に、以前ちらっと、
「新聞配達員の人は『新聞配達員』と呼ばれることを嫌っている。我々は新聞配達だけをする配達員ではなく、勧誘やそのほかの仕事もする『新聞販売店従業員』なのだから、『新聞配達員』とは呼ばないで欲しいと強く言われたことがある」
というような話を耳にしたことがあったことを思い出し、今回、各新聞社さんが「新聞配達員」という表現を使わなかったのは、そういった「配慮」によるものなのかどうか、知り合いに聞いてみました。
その話を総合すると、やはり、「(新聞)販売店員」「(新聞)販売店従業員」を使い、「(新聞)配達員」は使っていないようです。ある新聞社は、10数年前に社内通達で、「新聞販売店従業員」あるいは「新聞販売所従業員」
に言い換えることになったそうです。これは当時、日本新聞協会販売委員会から、
「『配達員』の表記は『きつい、厳しい、暗い仕事に従事している』というイメージがあり、表記について検討するように」
と要請を受けたためのようです。新聞の社会的使命・責任を支える「宅配制度」のために、新聞配達業務を明るく、活力に満ちた仕事としてイメージアップのための言い換えだとのこと。ただ中には、本文で「販売店店員」としながら、見出しで「配達員」としている社もあり、これは「見出し」では「字数の節約」の意味があるからではないかとのことです。
また「新聞拡張員」も、日本新聞協会販売委員会からの通達(1992年)により、
「新聞外交員」あるいは「新聞セールススタッフ」
にしている社や、
「新聞勧誘員」
を使っている社もあるようです。
また、「販売店員」の響きが悪いなどといった理由で3,4年前に、
「セールススタッフ」
と呼ぶようにお達しがあったけれども、最近はまた「販売店員」に戻っているという社もあったということです。
そんなことを考えていたら、1月12日の深夜(午前1時半頃)、携帯電話のiモードの朝日新聞ニュースで、
「住宅に放火の疑いで、朝日新聞セールスマン(20)を逮捕。」
という見出しが出ていました。この「セールスマン」と言うのは、いわゆる「拡張員」のことでしょうか。
たしかに今回の奈良の事件の容疑者の職業が「新聞配達」だったことで、同じ仕事を真面目にしている多くの「新聞配達員」の人たちのイメージに傷がついたかもしれません。でもそれは「販売員」としても同じことだと思います。もし今回の事件の容疑者が「アナウンサー」だったら、「大工」だったら、「タクシー運転手」だったら、「エンジニア」だったら、「市役所職員」だったら、「教師」だったら、「医者」だったら、「政治家」だったら・・・というふうに考えると、ある職業の人が犯罪を犯すと、同じ職業の人のイメージが傷つくということは、多かれ少なかれあると思います。だからといって職業名を変えればそれで済むのか?という問題もありますが、そう考えると、例の「統合失調症」(以前の呼び方は「精神分裂病」)や「認知症」(以前の「痴呆症」)、「BSE」(狂牛病)といった病名の言い換えと同じようなものかもしれません。つまり社会的な意味があるということか。でもきっと、またいつか、その名称も変えなくてはいけない時が来るのではないか。名称だけを変えても、内容・実態が変わらなければ、所詮、小手先のワザなのではないか、という気はします。
2005/1/14


◆ことばの話2046「ラスパイレス指数」

12月23日の朝刊各紙に、
「公務員給与ラスパイレス指数97、9」
「今年度『地方』初めて『国家』下回る」(読売新聞)
という見出しが躍りました。これを見て私は、
「ああ、懐かしい!」
と思いました。小学生・中学生時代に、この、
「ラスパイレス指数」
という言葉はよく目にしました。国家公務員の給与を100としたときの地方公務員の給料の数値のことで、当時、近畿の地方自治体(特に大阪)は、この「ラスパイレス指数」が高いという印象がありました。120とか125とか、そんな感じだったのではないでしょうか。最近は余り聞かないな、久々に見たと思ったら、その指数が100を割った、というではありませんか。つまり、国家公務員の給料の方が高くなったということですね、相対的に。若い人はおそらく知らないだろうなと思って、若い後輩に、
「ラスパイレス指数って、知ってる?」
と聞いたら、やっぱり誰も知りませんでした。同年輩のプロデューサーは私と同じように、
「ああ、なつかしいですねー」
と言っていました。
専門用語でも一種の流行語だったのでしょうか。こんな言葉で年がバレるとは。バレてもいいんだけどさ。
総務省のホームページで「ラスパイレス指数」の定義を見てみると、
「地方公務員と国家公務員の給与水準を、国家公務員の職員構成を基準として、一般行政職における学歴別、経験年数別に平均給与額を比較し、国家公務員の給与を100とした場合の地方公務員の給与水準を示したもの」
とありました。また、2004年4月1日のデータでは、都道府県でのラスパイレス指数のトップは、東京都が102,9、徳島県が100,0、大阪府は97,3、最下位の長野県が93,5。政令指定都市では、川崎市がトップで102,2、大阪市が101,9、札幌市が100,6、京都市が99,9、最下位の神戸市が95,8とのことです。
つまり、いまやほとんど国家公務員と同じ水準と言っていいのではないでしょうか。時代ですねえ。

2005/1/6

(追記)

1月13日の朝日新聞朝刊に、大阪市の手厚い福利厚生や手当ての支給など、税金を使った常識はずれの実態が次々に明らかになる中で、改革委員会が改革案を出してきたと1面トップに出ていましたが、同じ日の産経新聞のトップは、昨年度、大阪市教育委員会の職員に、映画代などで市は5億円余りを支出していたという記事が・・・。
これらの記事を読んで感じたのは、
「ラスパイレス指数が高いと批判された地方自治体は、給料の数字を抑えることでラスパイレス指数を下げ批判をかわしたが、そうやって給料を下げることに職員側(組合など)が黙っているとは思えない。そこで、もしかしたらラスパイレス指数には表れない部分、つまり福利厚生などの部分で、抑えた給与分の見返りを要求、それにし側も答えることで、バランスをとっていたのではないか?」
ということです。こんなに長期にわたって黙認されてきたのには、何か理由があると考えるのが普通だと思います。
2005/1/13
 
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