◆ことばの話1710「人名漢字」

今年はじめ(2004年2月)、法務省が、人の名前に使える漢字を大幅に増やせるように諮問しました。
きっかけは札幌の行政書士の人が自分の長男に、俳聖・芭蕉の弟子と同じ「曾良(そら)」と言う名前をつけて届け出たところ、「曾」の字は人名に使えないと却下されたところから、「曾」は難しい漢字ではないのに使えないのはおかしいと裁判を起こしたことがきっかけです。(昨年12月、最高裁が「社会通念上、常用平易なことが明らかな字を含めていない施行規則は違法、無効」として、申し立てを認める決定をした。)
現在、人名に使えるとされる漢字は、常用漢字1945字と人名漢字286字と、最高裁で認められた「曽」の合わせて2232字です。漢字の数を制限する理由は、難しい名前を付けると社会生活に不便が生じるからということです。
例えば元マラソンランナーの瀬古利彦さんは、長男に「昴(すばる)」と名づけて届けたのですが、お役所は「人名漢字にないからダメ」と。それで「昂(こう)」という字にして「すばる」と読ませることにして届けました。どこが違うのかと言うと「日」の下が「卯」か「叩」か、「ノ」が、あるかないかです。よく似ています。
その後「昴」は人名漢字に認められました。
2月13日の「ズームイン!!SUPER」でも読売新聞編集委員の橋本五郎さんが取り上げていました。
また、4月23日に大阪で開かれた新聞用語懇談会放送分科会のあとの懇親会で、新聞協会用語幹事の金武さんも、「原則は、人名漢字の範囲を無制限に拡大すべきではない」という話をされていました。
そもそも「印刷字体と手書きの文字は違うのだ」ということと、「公に使われる文字は印刷字体である」という認識が薄いような気がします。
5月6日のスポーツ紙に、元モーニング娘。の石黒彩さん(25)が出ていました。石黒さんは既に2人の子どものお母さんで、8月には3人目の出産を控えているそうです。その2人の子どもの名前が、長女が、
玲夢(りむ)ちゃん(3歳)
二女が、
宇奈(そな)ちゃん(1歳)
だそうです。「玲夢」ちゃんが「りむ」なのは、まあいいとして、二女が「宇奈」と書いて「そな」と読ませるのはどうなのか。「宇」はどう考えても「う」ですよね。「そ」と読ませるのは無茶だと思うな。いえ、名前が悪いと言っているのではないですよ、記事にも書いてあるとおり「個性的な良い名前」だと思いますが、字の読ませ方が無茶だと言っているのです。で、3人目の名前をどうするか、石黒さんは悩んでいるそうですが、「男の子ならばドラムのパートのタムかな。」と話したとのこと。「タム」。「タムタムタイム」というのが昔、あったな、ABCラジオの「ヤングリクエスト」で。
話が横に逸れましたが、人名漢字が増えることで、子どもの名前を付ける時に親は喜ぶかも知れませんが、その後、誰にもサッと読んでもらえない名前で苦労するのは、名前をつけられた当の子どもではないでしょうか。
でもこれは賛否両論あるとは思います。皆さん、どう思われますか?

2004/5/7
(追記)
6月11日、法務大臣の人名漢字に関する諮問機関による「人名漢字追加案」が出ました。読売新聞の電子版の見出しは、
「檎・苺OK、屍・呪も!…人名用漢字に578字追加案」

それによると、法制審議会(法相の諮問機関)人名用漢字部会は11日、子供の名前に使える漢字を新たに578字追加し、現在の2232字から計2810字に拡大する「人名用漢字の範囲見直し案」をまとめ9月に法相に答申。これを受けて法務省は、人名用漢字を定めた戸籍法施行規則(省令)を改正し、早ければ9月下旬にも新たな漢字が使用可能となる見通しです。追加された主な字は、「桔」「梗」「撫」「苺」などで、この秋以降は「桔梗(ききょう)」「撫子(なでしこ)」「林檎(りんご)」などの名前も誕生しそう。
見直し案の手順はと言うと、JIS(日本工業規格)漢字第1水準(一般日本語表記用漢字。計2965字)のうち、人名用ではない771字から、出版物(月刊誌や単行本など385誌)の漢字出現頻度数調査(文化庁調査、2000年作成)で頻度の高い上位521字を「常用平易」と認めて追加。さらに、人名用には40字しか含まれていないJIS漢字第2水準(個別分野用漢字。計3390字)以下から、全国の市区町村からの要望などを重視して57字を「常用平易」として選定しました。追加される漢字の中には、「糞」「屍」「呪」など人名にふさわしくない漢字も含まれているのですが、この点について法制審では、
「専ら当該漢字が『常用平易』と認められるか否かの観点から選定を行った。漢字の意味(人名にふさわしいか否か)については一切考慮しなかった」
とのことです。でも、
「呪屍子」
と書いて、
「のりこ」
とかで届け出られたら、どうするんでしょうか。また「悪魔」君の時のような騒ぎになるのではないかと、ちょっと危惧します。
ただ昔は、あえてこういった嫌がられるような漢字を名前につけることで、邪気を払うということもあったようです。どこかに書いてあったのを読んだことがあります。何に書いてあったかは忘れましたが・・・。
読売新聞の解説によると「人名用漢字」とは、「子供の名前に使える字」。戸籍法は人名用漢字について「常用平易な文字を用いなければならない」と定めています。具体的には、戸籍法施行規則で、
(1)常用漢字(1945字)
(2)同規則別表に掲げる漢字
(3)カタカナまたはひらがな
としていますが、今回の見直し案通り決定すれば、(2)は865字に拡大することになるということです。今後も人名漢字の動きに注目です!


2004/6/11

(追記2)
6月7日に放送された読売テレビの番組「キスだけじゃイヤ」(通称・キスイヤ、月曜夜9時)に出てきたカップル。男性と付き合ったことがなかった女の子が、居酒屋でナンパされた彼に対して、名前から生年月日から職業から家族構成から、すべて「ウソ」をついて、つまり仮面をかぶった状態で付き合って2か月。彼はとてもいい人だったので、そろそろ本当のことを言いたいのだが、きっかけがなかった。そこで、この番組で本当のことを言いたいということで、番組中に告白しました。
彼女の本名は「幸恵」というのですが、彼にはひらがなで「ゆき」と書く名前だと言っていたのです。彼は、彼女にベタ惚れで、番組の冒頭でも、
「ひらがながいいよね、『ゆき』って名前」
と言っていたのですが、本名は漢字で「幸恵」。それを知った彼は、
「え・・・・・・」
と絶句。しばらくして、
「漢字・・・あるん・・・ですか・・・。」
名前の表記と言うものは、音の響きもさることながら、文字の表記も人間関係に大きな影響を与えるものなのだな、とヘンなところに感心しながら番組を見ていたのでした。
結局、彼はもちろん「それでも彼女が好き」と、メデタシ・メデタシ、ハッピーエンドだったのですがね。


2004/6/11

(追記3)
法務省の人名漢字拡大案に対する意見募集のホームページに、今日(6月25日)、以下のような意見を送りましたので記しておきます。

******************************

今回の人名漢字の拡大案については、新聞等でさんざん叩かれているが、叩かれるには叩かれる理由がある。
おそらく、策定された方々の言い分は、
「ここから削っていけばいい。一番緩い基準を決めただけ」
というようなことだろうと思う。そうでなければ、「糞」「姦」「牝」「濡」というような文字まで含めた案を提案するようなことはしないだろう。あまりにも安易に提案しているのではないか。一字一字の意味まで含めて審議されたのだろうか。審議時間などを考えると、とてもそういった作業がなされたとは思えない。
自分の子どもや孫に「糞姦子」などという名前をつける親がどこにいるか。
「いないのなら、入れておいてもいいのではないか」
という人もいるかもしれないが、万が一、愚かな親が子どもにそういう名前をつけてしまったらどうするか。以前、「悪魔君」問題もあった。想像力の欠如という意味で、審議された委員の方の国語力を疑わざるをえない。
今度「糞男」「糞姦子」というような名前の届出があった場合に、役所は拒否するのか?できるのか?基準を決めた以上は守らなければならなくなるのではないか。人名漢字の枠を決めても、現実には役所がヘンな名前は拒否するのであるならば、最初から決める必要はない。「人名漢字」などという枠を決めること自体が、ナンセンスになってくる。
また、法務省は名前の表記について決めているだけで、読み方には制限を加えていない。普通に読んだら絶対に読めない、むちゃくちゃな読み方の名前の子どもが誕生する可能性については、どう考えているのか?(これは現在でも同じ問題を抱えているが。)
「これだけ決めておけば、当分はあとから文句は出ない」的な安易な選び方といい、JISの出現頻度と人名を同じものだと考える機械的な選別方法といい、手間を惜しんだだけではないのか。
6月23日付・日経新聞夕刊の、作家・出久根達朗氏のコラム「レターの三枚目」で書いているように、
「痔や癌や疹、糞や屍や禿を、愛児に命名する馬鹿がいるか。濡だの腿だの撫だの淫、窄、妾など、アダルト小説の読みすぎとしか思えぬ。(中略)こんな文字を選んで、ご意見を承りたい、もない。」
に全面的に賛成である。猛省を促したい。

2004/6/25

(追記4)
6月25日の日経新聞夕刊に、人名漢字を増やすことについて、法務省がメールでの意見を呼びかけたところ、「糞」「姦」などの名前にふさわしくない漢字は削除するようにという意見が殺到したそうです。意見募集開始から1週間、6月17日までに集まったメールは513通、そのうち300件は「こんな字はけしからん!」という一部の漢字の削除を求めているそうです。なんだ、私と同じような人が、いっぱいいるということですね。
記事によると、
「同(法務)省内にも『あまりに反対意見が多い漢字は削除した方がいいのでは』という意見もあり、論議の結果、新たに追加する漢字が減ることもありそうだ。」
よしよし。
意見の受付は7月9日までですから、皆さん、じゃんじゃん意見を送りましょう!
詳しくは法務省のサイトを見てくださいね。
2004/6/26




◆ことばの話1709「新巻シャケ?サケ?」

去年(2003年)の年末の新聞用語懇談会放送分科会の席で、
「新巻サケか?新巻シャケか?」
という話が出ました。その時に委員の一人が、
「網元の娘としては、シャケと言ってもらわなければ困る!」
というふうに言っていたことがありました。実際、「サケ」と「シャケ」はどちらがよく使われているのでしょうか。「シャケ弁」とは言うけど「サケ弁」とは言わないような。あんまり関係ないか。このことについて気にしていたら、(2003年)12月29日のお昼の「ニュースダッシュ」で、日本テレビの阿部哲子アナは、
「新巻サケ」
と読んでいました。やはり放送では「サケ」ですかね。
その後、調べようと思ってそのままになっていたのですが、この際だから、GOOGLEで数調べして見ました。(5月6日)
「新巻シャケ」=65件
「新巻サケ」=162件
「新巻ザケ」= 46件
「新巻ジャケ」=74件


「新巻しゃけ」=21件
「新巻さけ」=136件
「新巻ざけ」=  7件
「新巻じゃけ」=17件

どれも件数が少ないなあ。念のため「漢字」の表記も調べてみると、
「新巻鮭」=1万3100件
なーんだ、ネット上では漢字で書くのが一番、それも圧倒的に多いんだ!読み方に関しては、数は少ないですが、一応「新巻サケ(さけ)」:「新巻シャケ(しゃけ)」は、
「298:86」=「7:2」
「新巻サケ(さけ)」の勝ち!
しゃべり言葉と文字では違うのかもしれませんね。「シャケ」は生活感のある俗語、ということで、どうでしょうか。
あ、ついでに、
「シャケ弁」=871件
「サケ弁」=  18件 
       (5月7日しらべ)
で、「シャケ弁」の圧勝でした。で、また漢字表記も調べたら、またもや、
「鮭弁」= 3万4100件
「鮭弁当」=3万3800件

と、漢字の圧勝でした。日本語のページに絞ると、件数は減りましたが、それでも優勢は動きませんでした。
「鮭弁」=1万0300件
「鮭弁当」=3万3600件

あー、なんだけシャケ弁が食いたくなってきた!

2004/5/7

(追記)
NHK放送文化研究所の塩田さんが、『放送研究と調査・2001年9月号』に、平成13年度「言葉のゆれ調査」の分析を書いた「カタクルシイ女・カタグルシイ男」を送ってくれました。それによると、「鮭」は、「NHKアクセント辞典」1943年版では、
1、シャケ 2、サケ
となっていたのが、1951年版以降は、
1、サケ 2、シャケ
となっているとのこと。また、戦前の放送用語調査委員会では3回審議されていて、1939年の決定記録では 「サケ(シャケ)」
となっているそうです。「シャケはサケの訛った形」という認識です。で、今回の平成13年度調査(2001)では「(さけ・しゃけ)の切り身」は、
「サケ」・・・・44%
「シャケ」・・・56%
と、シャケの方が多かったそうです。これは男女差はなく、年齢別では30代と40代は「シャケ」派が6割以上、60代以上は「サケ:シャケ」=「51:48」とほぼ拮抗していたとのこと。年齢差よりもさらに興味深いのは「地域差」で、「シャケ」と言う地域は、長崎、福岡、広島、和歌山、奈良、静岡、長野、静岡、新潟、東京、千葉、茨城、山梨、埼玉、群馬という結果が出ていて、この本の地図を見ればよくわかりますが、「シャケ」派は、関東圏に集中しています。(関西では、和歌山と奈良だけ)
全国平均(56%)よりも「シャケ」という人が少ない地域は、東北28%、四国30%甲信越33%、北陸47%、関西49%、北海道50%、中国地方51%、九州53%で、全国平均より多いのは、東海66%、関東71%でした。つまり関東では圧倒的に「シャケ」ということです。 また、「生き物としてはサケ」「加工した食べ物としてはシャケ」という使い分けもあるようで、『学研現代新国語辞典』や「現代日本語方言大事典」などにはそういう風に記されているようです。
アナウンス部のアルバイトのIさんにどっちを使うか聞いてみたところ、
「うーん、焼き魚の場合はシャケですけど、ムニエルはサケですね。」
と食べ物の中でも料理法によって使い分ける、という回答が出てきて、さらに難しいです。
GOOGLEでは(5月14日)
「サケのムニエル」=325件
「シャケのムニエル」=124件

「さけのムニエル」=201件
「しゃけのムニエル」=45件
でした。

2004/5/14


(追記2)
上の「都道府県別の傾向」は、『現代日本語方言大事典』によるものだそうです。

2004/5/17



◆ことばの話1708「菊川の促音化」

平成ことば事情1551「『熱』の促音化」にも書きましたが、関連で。
「菊川」という苗字・地名をどう読むか?という話。
「きくかわ」
「きくがわ」
「きっかわ」

3通りがあると思います。
故・田宮二郎が浪速大学の医師・財前五郎を演じたドラマ「白い巨塔」のDVDを見ていたら、その中で教授選挙で財前のライバルとなる菊川教授のことを、出演者はバラバラに呼んでいました。
第一外科の東教授は「きっかわ」
第二外科の今川教授は「きくがわ」
そして、東都大学の船尾教授は「きくかわ」

でした。まさに最初にあげた3通りの読み方を、3人の出演者が意図してか、しないでかはわかりませんが、使い分けていたのです。
そしてそのアクセントは、
「きっかわ」は頭高アクセント(HHLL)、
「きくがわ」は平板アクセント(HHHH)
「きくかわ」は中高アクセント(LHLL=「く」だけ高い)、

と、これまたバラバラでした。
思うに、「菊川」を、
「きくかわ(kikukawa)」
と読もうとした場合、「きくか」までカ行の音が続くために「く」の母音が脱落して「無声化」するため、
「き(く)かわ(kik kawa)」
となって、耳で聞くと促音の「っ」と同じように聞こえるのです。そこで、無声化した「く」を「っ」に置き換えると、今度はカ行が続かなくなって最初の「き」が有声音となるため、「きっかわ(kikkawa)」
となるのではないでしょうか。
また「川(かわ)」を「がわ」と濁って読めば、「きく」の「く」は無声化しないために、平板アクセントで「きくがわ」となるのだと思います。
いやあ、日本語って本当に難しいですね。

2004/5/7

(追記)
田中角栄をとりこにした芸者・辻和子著『熱情』(講談社:2004、9、7)という本の中に、終戦直後の東京・神楽坂の待合は、
「桃山、菊川、広川の三軒」
という記述がありました。そこに記された「菊川」には、
「きくがわ」
と濁ってルビが振ってありました。

2004/9/5



◆ことばの話1707「世と代」

3月19日、京舞の人間国宝で舞踊界の最長老、四世・井上八千代(本名・片山愛子=かたやま・あいこ)さん(享年98)が亡くなりました。そして5月1日、本葬・告別式が京都市東山区の祇園甲部歌舞練場で営まれました。
この「四世」のような「○世(セイ)」ですが、同じようなものに「代(ダイ)」があります。この使い分けは、どのようになっているのかが気になりました。
*「世」を使うものには、
囲碁や将棋の名人、ローマ法王、ヨーロッパの王族や皇帝
*一方「代」を使うものには、
歌舞伎役者、天皇、大相撲の横綱、暴力団の組長、落語家

と、見てくると、「世」の方は井上八千代さんもそうですが、同じ名前を使いますね。現在の五世も「井上八千代」さんですし、フランスの皇帝「ナポレオン」も一世、三世。現ローマ法王のヨハネパウロ二世にしても名前を継いでいます。それに対して、大相撲の「第○○代横綱」はそれぞれ名前が違います。天皇も、山口組の組長も(一緒に並べるのは失礼でしょうが)名前は「代」によって違います。そうすると、
「『世』は名前を継ぎ、『代』は地位(ポスト)を継ぐ」
ということなのかな。「代」は役職・地位を継ぐ?「世」は名前を継ぐ?
横綱は「地位」
井上八千代は「名前」
ヨハネパウロ二世は「名前」
山口組組長も「役職」
天皇は「地位」

でも、歌舞伎役者や落語家は、同じ名前を継ぐのに「○代目」と呼びますね。名前と同時に父・役職も継いでいるということなのかもしれません。
また井上八千代さんでも「先代の・・・」というふうな言い方をしますね。そうすると、「四世」と「五世」の間を指す言葉として「代」と言うものもあるのかもしれません。それなら「先代」と呼んでも不思議はないですね。「先祖代々」とは言いますが、「先祖世々」とは言いません。
でも、この問題は、大変難しそうです・・・。

2004/5/7

(追記)
狂言師の場合は「七世・万蔵」のように「世」を使うようです。読み方は「ナナセイ」ですかね?それとも「シチセイ」でしょうか?歌舞伎役者は「七代目」と書いて「シチダイメ」ですが。
また「初代」のことも、
「初世」
と言うようです。うーん難しい!!
しかし・・・「初世」をGoogle検索したら(6月7日)2020件も出てきました。その中には、
「初世・中村鴈治郎」
というのがあったのです。あれ?歌舞伎役者は「初代」ではないのか?そのほかにも「初世・中村福助」「初世・市川団十郎」「初世・歌右衛門」「初世・片岡孝夫」まで、歌舞伎役者がズラリ!どうなってるんだろう?もう一度、歌舞伎と狂言、それぞれ「初代」と「初世」で検索してみました。(6月7日)
「初世・歌舞伎」=  643件
「初世・歌舞伎役者」=239件
「初世・狂言」=   392件
「初世・狂言師」=   64件

「初代・歌舞伎」=1万1500件
「初代・歌舞伎役者」=3440件
「初代・狂言」=   3170件
「初代・狂言師」=   476件

ということで、歌舞伎、狂言とも「初代」「初世」両方の言い方が使われていて、共に「初代」の方がよく使われているようですね。うーん、ますます判らなくなってきた・・・・。



2004/6/7
(追記2)

2007年6月28、29日、将棋の第65期名人戦七番勝負で、森内俊之名人(36)が4勝3敗で郷田真隆九段(36)を籔って4連覇を果たし、名人位通算5期を達成し、
「永世名人」
の資格を取得しました。引退後は、
「十八世名人」
を名乗ることになるそうです。将棋の名人は「代」ではなく「世」のようですね。
2007/8/5
(追記3)

「初世 中村鴈次郎」
のポスター発見!京阪電車の淀屋橋駅で。

時間を見つけて見に行かなくては!
8月23日までです。大阪歴史博物館って、NHK大阪の横だな?
2015/7/13
(追記4)

ついでに、書いたと思ってどこに残っているのか分からないので、メモしておくと、
落語家の襲名の際、
「こぶ平改め 林家正蔵」
は、自らは、
「九代 林家正蔵」
と「九代目」と「目」が付いた形ではなく「九代」でした。また、
「桂三枝改め 桂文枝」
のときは、お披露目の手拭いに、
「六代 桂文枝」
と、やはり「目」が付かない「六代」でした。
自ら名乗る場合には「目」は付かないのかもしれません。
これ、どこかに書いたと思うんだけど、出て来なかったので記しておきます。
2015/7/13


◆ことばの話1706「馬主」

競走馬の持ち主をなんと言うか。字で書くと、
「馬主」
ですね。これをどう読むかですが、三通りの読み方があると思います。つまり、
(1)「ばぬし」
(2)「うまぬし」
(3)「ばしゅ」

です。これについては、NHK放送文化研究所日本語プロジェクト編の『つかいこなせば豊かな日本語』(NHK出版:2003,3,25)に載っていました。それによると、

「『馬主』には『うまぬし』のほか『ばしゅ』『ばぬし』の読み方があります。このうち、『うまぬし』の読みが、一般的で耳で聞いてわかりやすいうえ、日本中央競馬会でも『馬主』の読み方を『うまぬし』に統一しています。また、かつて『厩(きゅう)務員』を『馬手(ばしゅ)』と呼んでいたこともあり、『馬主』を『ばしゅ』と読んだ場合、混同するおそれがあります。こうしたことから競馬中継などの放送では『馬主』を原則として『うまぬし』と読んでいます。ただし『○○馬主協会』の場合は、競馬関係者の間で『○○ばしゅきょうかい』と言う慣用があるため「ばしゅ」にしています。」

ということです。
うちのアナウンス部で競馬に詳しいMアナウンサーに聞いても、
「JRAでは『うまぬし』しか、言わへんなあ。」
とのことでした。この本での説明で、ほぼ言い尽くしているでしょうね。

2004/5/7

(追記)
2004年2月13日、NHKのお昼のニュースを読んでいる武田アナウンサーは、「馬主」を、
「うまぬし」
と読んでいた、というメモが出てきました。記しておきます。

2004/5/25
(追記2)
2004年の9月17日の日本テレビ「ニュースプラス1」で、高知競馬場のハルウララが「リフレッシュ放牧」のため、女性馬主に、栃木の牧場に連れて行かれたというニュースをやっていました。それを伝えた清原久美子さん(アナウンサー?)は、「馬主」を、
「ばぬし」
と連呼していました。この話をしていると、馬に詳しいIアナウンス部長と、後輩のMアナウンサーは、
「普通、競馬番組などでは、『馬のオーナー』というふうに言う。」
と話していました。
2004/9/17