◆ことばの話1295「御鳳輦船」
天神祭のクライマックス、船渡御が行われる7月25日の夕方、報道局にいるSキャスターから、アナウンス部に内線電話です。

「道浦さん、御鳳輦船は、ゴホーレンセンでしたっけ?それともゴホーレンブネでしたっけ?」

急に聞かれてもなあ。1年に1度しか読まないものだからなあ。インターネットで検索したのですが、「御鳳輦」には「ゴホーレン」とルビが振ってあっても「船」にはルビがないのです。
そこで、ネットに載っていた大阪市の観光センターのようなところに電話して聞いてみました。すると、

「えーと、待って下さい。えー、振り仮名ないですね。英語版のパンフレットを見てみますね・・・ごほうれん・・あ!ゴホーレン・ボートって英訳してありますわ。これでは役に立ちませんねえ・・・。」
「はい・・・。『よどがわ』か『よどかわ』かを調べているのに『ヨド・リバー』って書いてあるようなものですよね。」
「そうですねえ、お役に立てず、すみません。」


ということで、もうほんとにしょうがないので、お忙しい時だとは重々承知していたので避けていた、祭りの元締め・大阪天満宮に電話してみました。すると、すぐに女性が出てきてくれました。受話器の向こうは、意外と落ち着いた感じです。

「お忙しいところすみません。ちょっと教えて頂きたいのですが、船渡御に参加する御神体が乗った船の名前は、ゴホーレンセンですか?それともゴホーレンブネでしょうか?」

と聞くと、すんなりと答えが返ってきました。

「ゴホーレンセンです。」
「『ブネ』じゃあないんですね?」
「はい。」

あっさり、疑問解決。すぐにSキャスターに、

「ゴホーレンセンだったよ。」

と伝えました。これで「ゴホーレンブネ」というような間違った読み方の「ゴホー」を出さずに済んだのでした。

2003/7/26


◆ことばの話1294「短期滞在型マンション」

7月13日から行方が分らなくなっていた東京都稲城市の小学6年生の女の子4人が、17日昼過ぎ、赤坂のマンションで手錠をされて監禁されていたところを無事発見されたというニュース、大変衝撃的でした。
その監禁されていたマンション、当初、日本テレビのワイドショーのリポーターや記者は、
「ウィークリーマンション」
と表現していたのですが、その後、
「短期滞在型マンション」
という表現に変わりました。以前にも同じようなことがありましたが、「ウイークリーマンション」はどうやら商標登録されているようなのです。それに気づいて途中から言い換えているのではないかと思われます。
各新聞はどうかというと、(7月18日の朝刊)
「短期滞在型マンション」=毎日
「短期賃貸マンション」=産経、朝日
「マンション」=読売、日経

でした。
「ウィークリーマンション東京」の広報の方に聞いたところ、
「ウィークリーマンションは商標登録しています。言い換えは、うちは『短期賃貸マンション』と言っています。」
とのことでした。インターネットで調べたところ、もともと「司建物管理」にあった商標権を「ウィークリーマンション東京」の管理会社に商標権を移したそうです。(売ったのでしょうね。)それが1999年のことのようです。どうりで昔は「ツカサーのウィークリーマンション!」というコマーシャルソングをよく耳にしたのに、最近は「ウィークリーマンション東京」のコマーシャルの方が耳に残るなと思っていたのでした。
2003/7/18


◆ことばの話1293「転回と展開」

長崎の駿君殺害事件で、12歳の中学一年生が補導されたことを受けて、7月9日、各新聞は号外を出しました。読売新聞(大阪)も号外を出しました。
両面刷りの裏面の大見出しが、こうでした。

「事件 1週間急転回」

これを見て私は違和感をおぼえました。つまり、
「『急転回』というのは『急展開』の間違いではないのか?」
ということです。というのも、その日の朝刊で、
「男児殺害、中学生事情聴取へ」
と、大見出しで報じて容疑者は「少年」の可能性もあることを示唆していたのですから、うすうす・・・どころか、もう「容疑者確保」は時間の問題だったのを把握されていたのではないでしょうか。それならば、12歳の少年が容疑者として補導されても「急転回」には当たらないだろうし、事件から1週間つかまらなかった容疑者の身柄が確保されたわけですから、普通は「急展開」を使うのではないでしょうかね。その意味では「急転回」は、やはりおかしいと思います。
もし「中学生事情聴取へ」と朝刊で報じたのに、たとえば「45歳女性逮捕」などということになったら「急転回」でも良いと思いますが。
「読売スタイルブック2002」でも、
「転回」は百八十度の方針転回、「展開」は議論を展開、事態の急展開、展開図
と記されています。「事情聴取へ」から「へ」が取れたという状態が、まさにこの
「事態の急展開」
にあたるのではないでしょうか。
類義語の使用は、非常に難しいなあとこの号外を見て思いました。

2003/7/19


◆ことばの話1292「ビールテイスト飲料」

道路交通法の飲酒運転・酒気帯び運転に対する罰則が強化された去年から、ビールの代わりに消費を伸ばしたのが、「ノンアルコールビール」。しかし「ノンアルコール」と言いながら、実はアルコール分は「0(ゼロ)」ではなく0,5%ほど含まれていることが多いのはご存知の方も多いと思います。
それを知らずに飲んで車を運転した、お酒に弱い人たちなどからの意見などを汲み上げて、最近は「ノンアルコールビール」という名称をやめようという動きもあります。これに変わって出てきた名称が、この
「ビールテイスト飲料」
なのです。さっき見ていたコマーシャルではそのように呼んでいました。直訳すると、「ビル味の飲み物」「ビール味飲料」ですね。
ネット上での使用状況をGoogleで検索すると、

「ノンアルコールビール」=1万3900件
「ノン・アルコールビール」=1万4000件
「ノンアルコール・ビール」=2万2000件
「ビールテイスト飲料」=67件


まだ「ビールテイスト飲料」は定着していないようですね。ネットで見てみると、「ノンアルコール」表示の変更要請を公正取引委員会が行ったのは、7月の14日。ビール酒造組合や日本ワイナリー協会など11の業界団体に対し、「ノンアルコール・ビール」などと表示されている飲料について、「アルコール分が全く含まれていないと誤認する恐れがある」として、表示の改善を生産メーカーなどに指導するよう要請したと発表したそうです。これによって今後「ノンアルコール」の表示は市場から消え、「ビールテイスト飲料」などに書き換えられる見通しだそうです。
記事のよると、 酒税法上は、アルコール分が1%以上の飲料を酒類と認定していますが、「ノンアルコール」の名称を使った飲料も、実際は0・5%程度のアルコール分を含んだものが多く。公取委は、「ノンアルコール」の表示は、アルコールが全く含まれないのに、お酒の風味や味わいが得られるお酒の代替飲料であるとの誤解を消費者に与えるとし、業界団体に対して表示の適正化を指導するよう求めたとのことです。これに対して業界団体は、「既に対応を済ませている」と答えています。「ファインブリュー」を販売している「サントリー」は5月中旬から表示を「ノンアルコールビール」から「ビールテイスト飲料」に切り替えたそうです。それまでは「本当にノンアルコールなのか?」という問い合わせが多かったとのこと。ハイネケンジャパンも6月末に「ビールテイスト飲料」に改めることに決めたそうです。また「レーベンブロイ・アルコールフリー」を輸入しているアサヒビールは、7月上旬製造分から「ビールテイスト清涼飲料」に表示を切り替えたそうです。その「ビールテイスト清涼飲料」は、Googleでたったの10件のみでした。
いずれにせよ、アルコール分は含まれているのですから、
「飲んだら乗るな、飲むなら乗るな」
を、絶対に守りたいものです。いや、守りましょう!!

2003/7/18
(追記)

今朝(12月11日)の朝刊各紙に、サッポロビールが来年2月に、ビールでも発泡酒でもない新型アルコール飲料「ドラフトワン」というのを発売するという記事が載っていました。今年9月からすでに九州北部で販売されていたそうですが、全国販売になるそうです。これはアルコール分5%、原材料に麦芽・麦を使わず、エンドウマメから抽出したたんぱく質やホップを原材料にしているために酒税が少なくてすみ、350ミリリットル缶が125円と「お安く」なっているとか。この「ドラフトワン」を指して毎日新聞は、
「ビール風味」
と表現し、日経新聞は、
「ビール風(の)炭酸アルコール飲料」
と表現していました。でもこれは、紛れもないアルコール飲料です。つまり「お酒」です。一方で、
「ビールテイスト飲料」
はアルコール分が1%未満で、「ビール風」「ビール風味」がアルコール分5%というのは、なんか、ややこしい気がするのですが。
2003/12/11

(追記2)

2004年2月13日の朝日新聞に
ビール風飲料にコカ・コーラ参入」
という見出し。見出しは「ビール風飲料」で本文は「ビールテイスト飲料」でした。
2004/2/13

(追記3)

2005年1月13日の読売新聞に、
「キリン『第3のビール』参入 今春大手4社そろい競争激化」
とありました。この、
「第3のビール」
というのが、「ビールテイスト飲料」のことのようで、ここでは、
「ビール風味のアルコール飲料」
と表記されていました。

2005/1/13

(追記4)

1月20日の毎日新聞朝刊の4コマ漫画「アサッテ君」(東海林さだお)の10413回で、「ビール」「発泡酒」とともに、
「第三のビール」
が取り上げられていました。アサッテ君はこの3種類のビールを混ぜて、
「第四のビール」
を作ってうれしそうに飲んでいました。なんか、小さな幸せ。好きです。ぼくもやってみようかな。

2005/1/20
(追記5)

「追記3」で取り上げた「第3のビール」、実際に売られ始めて注目を浴びています。
読売テレビの夕方のニュース番組「ニューススクランブル」でも特集で取り上げ、坂キャスターが実際にスタジオで「ビール」「発泡酒」「第3のビール」を飲み比べました。ブラインド・テストでこの3つを当てようとしたら、見事に全部外れましたが。その後ニュースを読んでたよな。飲酒運転だよなあ、ニュース読みの。免許停止?
冗談はさておき、翌日スーパーに行って、さっそく「ビール」と「発泡酒」と「第3のビール」を買い求め、どこがどう違うのか体験しました。
まず「値段」が違いますね。ビールが210円に対して発泡酒は145円、そしてこの第3のビールは123円。安い!
次に「アルコール度数」は、どれも5%から5,5%とほぼ同じ。あれ?とすると「第3のビール」は「ノンアルコールビール」でも「ビールテイスト飲料」でもないのか?れっきとした「アルコール飲料」だなあ。缶を見ると「第3のビール」には「リキュール類」と書いてあります。ビールでも発泡酒でもない、これはおそらく、
「酒税の区分上、リキュール類と同じ」
ということではないでしょうか。
原料を見ると、ビールは当然「麦芽」がたっぷりと使われています。発泡酒も「麦芽」は使われていますが、その分量は「25%未満」と少な目。そして「第3のビール」は、麦芽が使われていません。その代わりに「えんどう豆」が使われているぞ。
そしていよいよ味ですが・・・明らかにこの3種類は違う味です。私は「第3のビール」は、味の上では「ビール」とは呼べないのではないかと感じました。コクが違います。発泡酒は「うすい」感じがしますが、一応ビールかな、と。この辺は”好みの問題”だと思います。「第3のビール」はビールに似て非なるもの、そういう意味では「ビールテイスト」の「アルコール飲料」でしょう。「ノンアルコールビール」の「ビールテイスト飲料」との区別がわかりにくいなあ。このあたりについては、また調べて見たいと思います。

2005/2/15
(追記6)

と、書いてすぐに、届いたばかりの『月刊言語・3月号』の「新語・世相語・流行語」(亀井肇)のコーナーを見ると、ナント「第3のビール」が取り上げられているではないですか。引用すると、
『ビールに比べて低価格で、酒税法において雑種の適用を受けるビール風アルコ−ル飲料。数年前に登場した「発泡酒」が「第2のビール」と言われたが、その発泡酒の範疇にも入らないことから「第3のビール」と呼ばれる。04年2月にサッポロビールがエンドウ豆を原料にした「ドラフトワン」を発売、すぐ後にサントリーも発泡酒と麦焼酎を混ぜた「スーパーブルー」で追随している。ビールの酒税が1リットル当たり222円、発泡酒が134,2円であるのに対して、この場合は103・7円で、小売価格は発泡酒よりも30円ぐらい安くなっている。』
と書かれています。あれ?ビール、酒税よりも安かったっけ?ちょっとまた確認しておきます。それにしてもほとんど税金で、利幅、薄いよなあ・・・。

2005/2/15
(追記7)

別のスーパーで値段をチェックしたところ、
*ビール   =218円
*発泡酒   =138円
*第三のビール
(サッポロ) =128円
(サントリー)=118円

でした。
2005/2/17
(追記8)

2月18日の朝日新聞によると、「第3ビール」のブームに刺激されて今度は、とうもろこしを原料とした低価格の焼酎を売り出すのだそうです。甲類焼酎の製造法を活用しつつ、蒸留時間を短くして本格焼酎(乙類焼酎)と変わらない味わいを出したいということです。記事の見出しは、
「『第3の焼酎』発売へ」
ただ、焼酎の場合は甲類と乙類の税率が同じなので、
「第3のビールほどの割安感はない」
ということで、こちらはブームとまで行きますかどうか・・・。
2005/2/18

(追記9)

3月11日の日経新聞、
「『第3のビール』競争激しく〜ビール・発泡酒は低迷」
という見出しが出ていました。それによると、
「『第三のビール』と呼ばれるビール風アルコール飲料」
と書かれていました。つまり「ビール風アルコール飲料」と「ビールテイスト飲料」はまったく別物だということですね。確認しました。
それにしても、見出しの数字は洋数字で「第3」、本文は漢数字で「第三」でした。特に関係はありませんが。
2005/3/11

(追記10)

2005年11月3日の朝日新聞に、
『「第4のビール」阻止〜財務省 「その他の雑酒」増税案』
という見出しが出ていました。
『「第3のビール」の増税を実施しても、メーカーが別の製法や原料で「第4のビール」を開発する可能性が』
あるために、財務省としては、
「増税のいたちごっこの終止符を打つ狙い」
で、2006年度の税制改正で、ビールメーカー各社が酒税率を低くする狙いでビールに似た酒を開発するのを抑える税改正の検討に入った、というものです。
しかし、これはちょっとおかしいのではないでしょうか。たしかに、このままでは「いたちごっこ」になりますが、そもそも酒税率が高いから、それを嫌った消費者の意向を受けて、ビールメーカーは「その他雑酒」の開発に入ったのです。ですから、財務省が取るべき方向は、これ以上酒税の枠を広くしないことこそが、国民の、酒飲みの要望に応えることになるのではないかと思うのですが、いかが?
2005/11/3

(追記11)

久々の追記です。2008年4月5日の日経新聞によりますと、これまで書いてきたようなビールおよびビール味の飲み物を指して、
「ビール系飲料」
とひっくるめて呼んでいます。これは便利。「ビール系飲料」とは、
「ビール、発泡酒、第三のビール」
を指すそうです。その成人1人当たりで2007年の飲んだ量は、前年比0、5%減の「60、2リットル」だったそうです。平均の何倍も飲んでるなあ・・・。
Google検索では(4月10日)
「ビール系飲料」=   2万1600件
「ビール」   =3900万0000件
「発泡酒」   = 181万0000件
「第三のビール」=   6万8700件
「第3のビール」=  15万0000件

でした。
2008/4/10

(追記12)

「第4のビール」、出てきました!先日『ミヤネ屋』でもご紹介しましたが、名前は「第4のビール」ではなく、
「新ジャンルビール」
と呼ばれているそうです。発泡酒に蒸留酒(スピリッツ)を添加してリキュールにしているので税率が低いので安いのだそうです。「第3のビール」は、麦芽を使わずにエンドウとか他の穀物などを使っていたけど、「新ジャンル」は「麦芽」を使っているところが違うそうです。Google検索(6月8日)では、
「新ジャンルビール」=    3600件
「新ジャンル・ビール」=   3600件
「新ジャンル、ビール」=12万9000件
「第4のビール」=      9790件
「第3のビール」=   18万1000件
「発泡酒」=     229万0000件
でした。
2007年(去年かよ!)の6月4日の電子版読売新聞の記事によると、
「『第4のビール』と呼ばれる酒類市場に、ビール大手各社が相次ぎ参入している。発泡酒のように麦芽使用率を50%近くまで高めながら、蒸留酒を加えると税金が半減する酒税法の『すき間』を突いて、値段を安く抑えたアイデア商品だ。
『第4のビール』は、ビール、発泡酒、麦芽を使わずエンドウ豆などを原料にした『第3のビール』に続く商品群だ。」
として、2007年の、
5月23日=キリンビール「キリン 良質素材」
6月19日=サントリー「金麦」を、
6月27日=サッポロビール「W―DRY」
をそれぞれ発売。2006年10月にはアサヒビールが先行して「極旨(ごくうま)」を発売しています。ということは、もうずいぶん経つのね。
記事によると、各社の「第4のビール」に共通する特徴は、
「発泡酒に、麦を原料とする蒸留酒を加えている点」
だそうです。発泡酒の酒税は、麦芽使用比率25%以上50%未満が62円(350ミリ・リットル缶1缶で換算)、25%未満が47円だが、蒸留酒を加えると酒税法では、
「混成酒類の『リキュール』の一種」
に分類されるため、酒税は28円と「第3のビール」と同額になるのだそうです。
そして、過去にせっかく開発した「すき間ビール」が次々と課税されたことから、ビール大手各社は、新商品への課税強化を警戒して、
「『第4のビール』と呼ばれたくない」

とのこと。それもこれだけ売れと、また財務省に目をつけられたということでしょうか。本当にイタチゴッコですねえ・・・。
2008/6/8
(追記13)

『築地魚河岸三代目』という映画が公開されていますが、これはマンガが原作。そのマンガを連載している『ビッグコミック』の2008年6月25日号の表紙の裏に、映画の宣伝が載っていました。そしてその映画にサッポロビールは出資しているようで、新製品の、
「麦とホップ」
という製品の広告が載っていました。これは、
「新ジャンルに誕生」
と書かれていました。「新ジャンル」なんだ。そして「長期熟成製法」というこの製品の製法について小さな文字で、
「長期熟成製法とは、原材料の発泡酒の製造で採用している製法です。当社発泡酒に比べ、熟成期間の基準を3倍長くしています。」
とのことです。
2008/6/10



◆ことばの話1291「オレオレ詐欺」

このところ、お年寄りの家に孫を装って

「あ、オレオレ。車で事故しちゃってお金が要るんだけど、振り込んで!」
というような電話を掛けて信じ込ませ、お金を詐取する、という手口の新手の詐欺が横行しています。その電話の口調から、

「オレオレ詐欺」

と名づけられているようです。こういった新手の犯罪、特に短くて特徴的なセリフを使う犯罪のネーミングには、その口調と罪名がくっついて呼ばれることがあるようです。ほかにもたとえば、片言の日本語を話す外国人が強盗に押し入るケースで

「カネカネキンコ強盗」

と名づけられたことがありました。最近は、その一言さえ言わずに、いきなりショベルカーなどの建設機材でATM機などに突っ込んでぶっ壊す、手荒い手口が増えているようですが。それにしても「オレオレ」というのは「俺、俺」の意味なのですが、カタカナで書くと、サッカーの応援みたい。オーレー、オレオレオレー。

7月18日のサンケイスポーツには、岐阜県中津川市で、
「わたし、わたし」

と孫娘を装って、お年寄り2人から中絶費用として30万円以上を騙し取る事件が、7月16日に相次いであった、と報じています。この記事の見出しは、

「孫娘装い、『わたし、わたし』詐欺」

となっていました。
こういった事件が多発するのを受けて、7月9日の「ズームイン!SUPER」では、こういった犯罪への対応策を特集していました。
その中で「オレオレ詐欺」への対応策としては、

「相手が誰なのかを、きちっと聞く」

ということを強調していました。でした。たしかにそれができれば、いいんですけどねえ。なかなかそうさせないうちに信じ込ませるのがうまいんでしょうねぇ・・・。
ゆめゆめ、油断、召されるな!


2003/7/18

(追記)

新聞でのこの「オレオレ詐欺」の表記が微妙に違います。 2004年2月25日夕刊(日経)と26日朝刊(朝日、産経)では、

(見出し) 
(本文)
(産経) オレオレ詐欺  オレオレ詐欺
(朝日) オレオレ詐欺 「おれおれ詐欺」
(日経) おれおれ詐欺  おれおれ詐欺

とひらがなだったりカタカナだったり。 警察庁が新聞広告で「ご注意!」を呼びかけたものでは、
「オレオレ詐欺」
でした。
2004/2/26

(追記2)
今日(5月27日)のお昼のNHKニュースでは、
「オレオレ詐欺」
でした。
2004/5/27

(追記3)
今朝(6月3日)の毎日新聞のコラム「発信箱」で、宇都宮支局の中村秀明記者は、
「『おれおれ』のニッポン」
というタイトルで書いています。本文中でも、
「おれおれ詐欺」
と書いていました。

2004/6/3

(追記4)
7月14日の読売新聞社会面の見出しが、
「おれおれ詐欺容疑 5人逮捕」
とあって本文中でも、
「おれおれ詐欺」
と、ひらがな表記でした。

2004/7/15


(追記5)

8月6日の各紙朝刊に、警察庁しらべの「上半期の刑法犯件数」の記事が出ていました。知能犯が1,5倍に増えているそうです。その中には「オレオレ詐欺」も含まれていました。その表記は、
(読売)おれおれ
(日経)おれおれ
(朝日)オレオレ
(毎日)オレオレ
(産経)オレオレ

カタカナの「オレオレ詐欺」の方が優勢でした。

2004/8/6
(追記6)

ビックリしました!去年(2004年)の11月に出たばかりの『新明解国語辞典』の第6版「おれ」を引いたところ、その用例に、
「おれおれ詐欺」
が載っていたのです!早いなあ。『新解さんの謎』でSM嬢として出て来る、現在は作家の夏石鈴子さんによると(2月2日読売新聞夕刊)、なんと「はまる」の用例には、
「韓国ドラマに嵌っている」
という一文があるということですから(確認しました)、ま、なんと、軽やかな辞書でしょうか。「おれおれ詐欺」ぐらいは用例に載せるか。
念のため、「振り込め詐欺」を引いてみましたが、これは載っていませんでした。そりゃそうか、「おれおれ詐欺」を「振り込め詐欺」と言うようになったのは、去年の12月から。辞書の第6版が出た後のことですからね。

2005/2/15