◆ことばの話955「流行語大賞」

12月3日、2002年の日本新語・流行語大賞(自由国民社主催)が今年も発表されました。年間大賞には、アゴヒゲアザラシの
「タマちゃん」と「Wカップ(中津江村)」
が、また特別賞は大リーグ入りを目指す松井秀喜選手のニックネーム「GODZILLA」が選ばれました。このほかトップテンには、
「貸し剥がし」「声に出して読みたい日本語」「真珠夫人」ノーベル賞の「ダブル受賞」
「内部告発」「ベッカム様」「ムネオハウス」「拉致」

が選ばれました。
でも・・・これらを見て思ったのは、どれも今年話題になった「出来事」であって、「流行語」ではないのではないかということです。
さっそく、早稲田大学講師の飯間浩明さんから、
「どこが流行語だ!という気がする。今年の流行語は私が思うに『ビミョー』に止めをさす」
というメールがきました。そうですよね。流行語大賞に取り上げられたのは、ほとんど「流行語」じゃないですよね。TBSの『ブロードキャスター』でも三雲孝江さんが、
「ビミョーというの、はやったわよ」
と言ってました。(12月7日の放送で。)
12月14日に行われる「すっきゃねん若者言葉の会」でも、この「ビミョー」について、梅花女子大の学生さんから研究発表が行われる予定なので、注目しています。



流行語大賞が期待外れだったので、独自に流行語大賞を決めることにしました。順位は付けずに思いつくままに上げていきます。あ、今年書いた「平成ことば事情」のタイトルも参考にしていきますね。



※「ビミョー」
※「・・・ということだけはですね、ハッキリさせておきたい。」(鈴木宗男)
※「ドッキリかと思いました。」(田中耕一)
※「今ごろモテても仕方がないなあ。」(田中耕一)
※「道頓堀ダイブ」(Wカップで)
※「統合失調症」
※「看護師」
※「脱北者」
※「北朝鮮」(言い換えなし)
※「コンニシュワー」(チュニジアの選手)
※「グレフル・ピングレ」(サントリー)
※「勝負服」(川口順子)
※「ハリポタ」(省略形として)
※「健康被害」(中国やせ薬)
※「疑惑のデパート」(辻本清美による鈴木宗男評)
※「大きな古時計」(平井堅・リバイバルブーム)
=この「大きな古時計」のCD売り上げは、66万7210枚で、ランキング7位だそうです。
※「偽装」(雪印、ニッポンハムなど一連の食品偽装で)



こんなところでしょうかね。
ちなみに、梅花女子大の米川明彦教授の近著で労作「明治・大正・昭和の 新語・流行語辞典」(三省堂)に載っているここ40年の流行語の中からいくつか拾ってご紹介します。



1962 「現代っ子」「スカッとさわやか、コカコーラ」「口コミ」
63 「巨人大鵬卵焼き」「耳の奥から手ェ突っ込んで奥歯ガタガタいわしたる」
64 「アイビールック」「新幹線」「トップレス」「ウルトラC」「コンパニオン」
65 「エレキ」「シェー」「おめえ、ヘソねえじゃねえか」「マジメ人間」
66 「びっくりしたな、もう」「遺憾」「マッチポンプ」
67 「ボイン」「フーテン」「ヒッピー」「アングラ」
68 「ハレンチ」「サイケ」「とめてくれるな、おっかさん」
69 「ゲバ棒」「はっぱふみふみ」「オー!モーレツ!」「断絶」
70 「ハイジャック」「ウーマンリブ」「ヘドロ」「しらける」「歩行者天国」
71 「脱サラ」「ガンバラナクッチャ」「古い奴だとお思いでしょうが」
72 「恍惚の人」「恥ずかしながら」「総括」「日本列島改造論」
73 「ちょっとだけよ」「せまい日本そんなに急いでどこへ行く」
74 「ストリーキング」「狂乱物価」「わが巨人軍は永久に不滅です」
75 「わたし作る人、ぼく食べる人」「激写」「ちかれたびー」
76 「ピーナッツ」「記憶にございません」「灰色高官」
77 「よっしゃよっしゃ」「円高」「電線音頭」「話がピーマン」
78 「窓際族」「なんちゃって」「フィーバーする」「アーウー」
79 「省エネルック」「口裂け女」「江川る」「ウサギ小屋」
80 「それなりに」「赤信号みんなで渡れば恐くない」「カラスの勝手でしょ」
81 「ぶりっ子」「フルムーン」「ハチのひと刺し」「クリスタル族」
82 「逆噴射」「気配り」「ほとんど病気(ビョーキ)」「なぜだ」「ネクラネアカ」
83 「いいとも」「軽薄短小」「勝手連」「ニャンニャンする」「義理チョコ」
84 「○金・○ビ」「ソープランド」「イッキイッキ」「キャピキャピギャル」
85 「新人類」「花金」「やらせ」「ダッチロール」「投げたらアカン」
86 「やるっきゃない」「ぷっつん」「グルメ」
87 「JR」「ボディコン」「朝シャン」「ゴクミ」「懲りない面々」「マルサ」
88 「自粛」「しょうゆ顔・ソース顔」「フリーター」「ツーショット」
89 「セクシャルハラスメント」「オバタリアン」「3K」「イカ天」



わああ、懐かしいなあ!
昭和までですから1989年までです。平成は、なしよ。
最近、70年代のフォークソングがとっても懐かしくてよく聞き返すんですけど、もうCDなど出ていないのもあるんですよねえ。残念。流行って、はかないんですねえ。。。



2002/12/10


◆ことばの話954「ニホンモリ」

土曜日の朝、ベッドでグズグズしていると、妻が



「あなた、お歳暮が届いたわよ。」



これはめずらしい。贈ることはあっても届くことは滅多にないのに。誰からと聞くより、何が来たのかを聞いてみました。すると、



「お酒かな。アワモリみたい。」



泡盛?沖縄に、お歳暮を贈ってくれるような知人はいないしなあ。なんだろう。



「あ、違った。ニホンモリって書いてある。日本酒かな。」



ニホンモリ・・・日本盛り・・・日本盛!



それは「ニホンサカリ」と読むんじゃい!!どこに「ニホンモリ」なんちゅう日本酒が・・・
まあ、あまり日本酒には詳しくないので、もしかしたら万が一、あるかもしれないので、このくらいにしておきます。



それにしても、お酒を飲まない子供の頃からテレビのコマーシャルで、



「♪ニホンサカリは良いお酒」



というコマーシャルソングを聞いていた私にとっては、「日本盛」という漢字を見て、「ニホンモリ」と読むことは考えられないのですが、そのコマーシャルをやっていたのは、たぶん「遠山の金さん」とか「大岡越前」とか「水戸黄門」とかの「時代劇」だったのではないか。そうすると、妻はあまり時代劇を見なかったのではないか?という推測も成り立ちます。



また、若い女性などにもっとテレビコマーシャルなどで浸透するように「日本酒」をPRする必要が業界としてはあるのではないか?とまで考えました。



さらにさらに。



最近の増税の対象となっているのは「発泡酒」やら「焼酎」やらで、「日本酒」という話はあまり耳にしません。増税の対象にならないことは喜ばしいですが、対象にされないと考えたら・・・ちょっと問題なのかもしれません。



かくいう私もワインとビール党。日本酒は、お店でなら「冷や」でいただくくらいなので、偉そうなことは言えないのですが、それにしても「ニホンモリ」はびっくりしました。



2002/12/10


◆ことばの話953「間人」

カニがおししい季節となりました。お昼を摂りながら、
「一番おいしい松葉ガニはどこのものか?」
という話題が出た時に、数人のアナウンサーから、
「やっぱり、タイザガニでしょう。」
という声が上がりました。タイザガニ?知らんなあ、どんな字を書くのと聞くと、



「あいだにひとです。」
とのこと。つまり、「間」と「人」と書いて「たいざ」と言うらしいのです。
『コンサイス地名辞典』(三省堂)を引いてみると、載っていました。



「間人」・・・(たいざ)京都府北部、竹野郡丹後町の中心集落。旧町。丹後半島北岸、日本海に臨む漁業集落。(中略)めずらしい地名のため由来に諸説ある。大陸に向けて死者を埋葬する風習が残る。大陸または朝鮮半島との関係の深いことが推定される。間人漁港。



とありました。
うーむ、諸説あるのか。ちょっと書いておいて欲しいところ。
まあ、しょうがありません。こうなったらインターネット検索です。Google検索で「間人」を引くと、なんと1万5600件も出てきました。その中からそれらしいホームページを開いてみました。
それによると由来は、ここに聖徳太子の生母で第31代・用命天皇の后・穴穂部間人(はしうど)皇后が、587年用命天皇が崩御した時に、大和政権の蘇我氏と物部氏の政争を逃れるため身を寄せていて、皇后は自らの名をこの地に贈ったのですが、住民達は「呼び捨てにするなど、恐れ多い」と、その名を呼ぶことを避け、皇后を「退座」したことにちなみ「たいざ」と呼ぶようになったということです。だから「間人」と書くけれど「タイザ」と呼ぶということだそうです。ほかにも諸説、あるんですカニ?



お!そうこうしているうちに隣の席で電話をしているWアナが、
「タイザでカニを食べたい」
などと話しているぞ。思わず私は、
「知ってる知ってる!タイザって間人って書くんやろ!」
と口を突っ込みそうになりました。危ない危ない。「対座」でカニを食べるわけではないのですな。いや、間人で対座でカニを食べても良いわけですが。
電話が終わったWアナに
「タイザって『間に人』って書くんやろ。なんでも地名の由来は聖徳太子の・・・・」
といいかけると、Wアナ、
「生母の『あなほべのはしひと皇后』でしょ。」
と言うではありませんか!
「よく知ってるねえ!」
と驚くと、
「マンガで読みましたから。山岸涼子の『日出る処の天子』。」
という答え。マンガもタメになりますな。



2002/12/6




(追記)



昨日(12月9日)、関東地方が大雪というニュースの中の道路情報で、
「美女木ジャンクション」
というのが出てきました。「びじょぎ」と言ってました。読みにくいというわけではありませんが、これも変わった地名ですね。関東出身のUアナに聞くと、「ありますよ。」ということで、関東ではポピュラーな地名のようです。私は初めて耳にしました。何県かな・・・
Googleで「美女木」は4570件出てきました。埼玉県戸田市のようですね。戸田は知ってます。ボート場があるのでは?早稲田のボート部出身のヤツが会社の同期にいて、彼が戸田の寮にいたと聞いています。
市町村の合併話が全国で進んでいますが、12月5日の朝日新聞では「合併の現場から〜篠山市の『ハコモノ』」と題して、また同じ12月の5日の読売新聞の解説面では、「国主導型・市町村合併〜自主性から“強制”へ、財政悪化深刻で意義高まる」と題してその話を取り上げています。読売の記事の中には、
「名前を残したいところは権限を返上する。住民サービスに直接関係するものだけやればいい」(自治相経験者)との考えが勢いを増している。」
という記述がありました。
昔からの地名がなくなってしまう、という問題が、既に起きているのです。新しい市町村で新しい建物を建てることよりも、由来のある地名を残すことの方が「文化」なのではないか?と思う今日このごろです。
山梨では「南アルプス市」なる地名も登場するそうですし、この問題は来年(2003年)初頭には、もう一度しっかり考えなくてはなと思っています。



2002/12/10




(追記)



早稲田大学の飯間浩明さんから、



「『間人』は『はしひと』だと思っていた。Googleで検索したら、『はしひと』266件、『はしうど』166件。丹後温泉関係は『はしうど』が多いように感じた。」



というメールをいただきました。いやあ、全然気付きませんでした。「はしひと」が「はしうど」とウ音便になっているのですね。
また、Wアナに確認したところ、山岸涼子さんの「日出る処の天子」も「はしひと」だったということです。すみませんでした。訂正します。(「天子」も「天使」になってましたね。直しました。)



もう一つ、NHK放送文化研究所の原田邦博さんからは、
「『南アルプス市』は長野ではなく、山梨県です」
というご指摘も受けました。アチャー・・・。ありがとうございました。反省。


2002/12/11


◆ことばの話952「エンタメ」

このところ・・・といってもここ1年ぐらい、じわじわと増えてきて気になっていた表現に、「エンターテインメント」を省略した形の、
「エンタ」あるいは「エンタメ」
があります。わが読売テレビ系列の朝の看板番組「ズームイン!!SUPER」でも
「丸見えエンタ」
というコーナーがあります。エンタとはもちろん「エンターテインメント」の略。そしてつい先日、電車の中での吊り広告でこんな物を目にしました。
「アサヒ芸能エンタメ」
徳間書店が出している雑誌のようです。「エンタメ」の響きから思い出すのは、
「外為(ガイタメ)」
つまり「外国為替(かわせ)」です。最近、私はあまり 耳にしませんが、以前はよく「ガイタメ法違反」という容疑のニュースがあったように記憶しています。



では、実際にネット検索Googleで「エンターテインメント」の表記のしかたがどういう頻度で出ているかを見てみましょう。



「エンタメ」=12万2000件
「 エンタ 」= 8万6800件



結構、もう省略形は使われているのですね。一方、本家の省略していない「エンターテインメント」(これは日本新聞協会の定めた表記ですが)と、実際に使われている「ン」が一つなかったり、「−」がなかったりしている表記についても検索しましょう。
まずは省略しない新聞協会パターン。
「エンターテインメント」=23万件
省略形の2倍から3倍。さすが本家。そして、「−」がない形。
「エンタテインメント」=15万9000件
これも結構ありますね。続いて「−」も「ン」もない形。
「エンタテイメント」=10万6000件
少し減りました。「テイメント」ではなく「テ−メント」はどうでしょう?
「エンターテーメント」=6万1800件
「エンタテーメント」 = 991件

「エンタテーメント」は極端に少ないですね。
最後に「ン」だけない形。
「エンターテイメント」=11万9000件・・ではなく、なんと119万件!!
この「エンターテイメント」が、実際には桁外れによく使われているようです。
これらを全部足して、パーセンテージも出して、多い順に並べてみましょうか。



(1)「エンターテイメント」 = 119万件 (60.80%)
(2)「エンターテインメント」= 23万件 (11.76%)
(3)「エンタテインメント」 = 15万9000件(8.13%)
(4)「エンタメ」 = 12万2000件(6.24%)
(5)「エンタテイメント」 = 10万6000件(5.42%)
(6)「エンタ」 = 8万6800件(4.44%)
(7)「エンターテーメント」 = 6万1800件(3.16%)
(8)「エンタテーメント」 = 991件(0.05%)



ということで、略語の中では「エンタメ」は頑張っていますね。でも新聞協会の制定したものの6倍近く、違った書き方が使われている現状は、外来語表記のばらつきに関して、ちょっと考えなくてはならない現状を示しているのではないでしょうか。



2002/12/6

(追記)

川崎市の西尾さんから「エンタ」について、メールをいただきました。
『「entertainment」は「エンターテイメント」か「エンターテインメント」か?という議論が一部でありました。いつの間にか「エンタメ」が登場し、さらに約まって「エンタ」になってしまいました。業界ではどれが主力なのでしょう。
"エンターテイメント"   429万件
"エンターテインメント"  360万件
"エンタ"         194万件
"エンタメ"        181万件  (Google; 11/18)
(そのうち「エン」になったりして「演(芸)」に戻る…と)』


どれも3年前に比べて随分増えていますねえ。今後「エン」=「演」の可能性あるかもしれませんね。

2005/11/19

(追記2)

2003年9月29日のケータイメモに、『ビッグコミックスピリッツ』2003年10月13日号(小学館)に連載していた「湾岸リベンジャー」というマンガの宣伝文句に、
「痛快エンタメ新連載!スリルと鼻血の39P。」
とあったと記してありました。初めて「エンタメ」と「エンタ」について書いた2002年から1年で完全に定着していたということですね。日本テレビ系列には、
「エンタの神様」
もありました。
2006/10/31


◆ことばの話951「めぇかたい」

「ニューススクランブル」のUキャスターが話し掛けてきました。
「道浦さん、『めぇかたい』って大阪弁ですか?」
めぇかたい?ああ、「目が堅い」。つまり「なかなか眠らない」という意味ね。
「この子、めぇ堅いさかい、なかなか眠らへんねん」
というふうに使いますね。語感から言うと方言、大阪弁のようですね。私も親が使うのを聞いて覚えました。知ってるけどあまり使わない言葉です。
普通の国語辞書を見ても載っていないのですが、方言ですかね。
『日本国語大辞典』「め(目)」を引いてみると、その成句の中に「めが堅い」というのがありました。



(1)夜がふけても眠くならない。(用例)*浄瑠璃・(木偏に色、という漢字です)狩剣本地(1714)三「おとなし様にお目がかたい。少お休みあそばせ」*あらくれ(1915)<徳田秋成>六八「『上(かみ)さんは感心に目の堅い方ですね』<略>『私は二日や三日寝ないだって平気なもんさ』」
(方言)夜が更けても眠くならない。子供などが遅くまで起きている。岐阜県飛騨「今夜はこの子はめがかたい」鳥取市、香川県、長崎県対馬「めがてえ」大分県



となっていました。
これでは方言なのか標準語なのか、もひとつ、はっきりしません。
知り合いの専門家の先生方に、久しぶりにメールで伺いました。それによると、



*真田信治先生(大阪大学大学院教授)
「目が堅いは浄瑠璃などにも用例があるので中央語。但し今は『日本方言大辞典』に載せているので方言ということになるかも。越前福井では普通の言い方。上方を中心に各地に存在すると思われる。」
*佐竹秀雄先生(武庫川女子大学言語文化研究所所長)
「標準語だと思っていた。辞書は採録しているものといないものがある。採録しているものには『方言』という注釈が付いたものはなかった。ということは辞書編纂者に『方言』という認識がないことを示す。古くは方言であった可能性は否定できないが、現代においては標準語として扱ってよいのではないか。」
*井上文子さん(国立国語研究所研究員)
「『広辞苑』(岩波)『大辞林』(三省堂)『大辞泉』『国語大辞典』『言泉』(以上、小学館)『日本語大辞典』(講談社)『成語林』(旺文社)には載っているので東京で使われることもあるようですが、標準語として認められているかというとちょっと回答に迷う。もともとは方言的なものではなかったか。『日本方言大辞典』(小学館)にも岐阜県飛騨、鳥取市、香川県、長崎県対馬、大分県の方言集に用例が見られるという記述がある。『現代日本語方言大辞典』(明治書院)には『宵っ張り』の項目で兵庫県加古川市、徳島県徳島市、香川県香川町、愛媛県大洲市、宮崎県宮崎市に『メーガ カタイ』などの回答が出ている。「京都府方言辞典」(和泉書院)にも用例があった。こういったことから、西日本を範囲とした方言と推測できそうだ。」
*塩田雄大さん(NHK放送文化研究所研究員)
「東京出身の私は使わない。方言的表現だろう。『現代日本語方言大辞典』(明治書院)で引くと『宵っ張り』の項に、
兵庫 メーガ カタイ
徳島 メガ カタイ
香川 メーガ カタイ
大洲 メガ カタイ
宮崎 メガ カテ
と載っている。見事に西日本に分布している。『日本国語大辞典』の用例に出てくる徳田秋声は金沢出身、浄瑠璃戯作者の近松門左衛門は京都育ち。



結局、ハッキリした結論は出ませんでしたが、どうやら西日本から発生して、一時は標準語(全国語)として使われたものの、現在は西日本方言という「目が堅い」ようです。これは別の用法ですね。



2002/12/3

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