◆ことばの話710「落ち着ける」

ワールドカップ、日本の初戦6月4日対ベルギー戦。2対2の引き分け。よく頑張りました。



その同じ日、フジテレビで韓国の初戦であるポーランド戦を中継していました。実況・青嶋アナウンサー。その青嶋アナが再三口にしていた言葉で気になる言葉がありました。



「落ち着ける」



です。たとえば、



「落ち着けたはずのパスが・・・。」



「ここは落ち着けるというボール。」
「落ち着けるアン・ジョンファン。」
という具合に使っていました。 「落ち着ける」という言葉自体は、
「この喫茶店は落ち着ける店だ。」



というふうに、「可能」あるいは「自発」の意味の助動詞「れる」を使って使うことはありますが、ここで青嶋アナが使っているのは、



「落ち着かせる」という意味の「落ち着ける」



なのです。これは新しい使い方・・・というよりは誤用ではないでしょうか。



確かに「落ち着ける」という言葉はありますが、その意味は自発・可能の「落ち着ける」です。それに対して彼の使っている「落ち着ける」は他動詞の意味。勘違いなら早く気づいて欲しい。



ついでに、リポートを入れていた森昭一郎アナウンサー。



「スタンバイさせてはいます」
といったときの「スタンバイ」が平板アクセントでした。気持ち悪いよ、「スタンバイ」の平板は。



世界の代表が32か国だけ出ているワールドカップですから、アナウンサーもその水準にふさわしい言葉を使って実況やリポートを勤めて欲しいと願うのは私だけではないはずです。厳しいようですが、実名で書くことで今後の奮起を期待します。



がんばって!!



2002/6/8
(追記)

世界陸上パリ大会のリポーターとして現地からの中継を担当している、元シンクロナイズド・スイミングの小谷実可子さんが、8月25日の深夜(時の針は26日午前0時20分頃)ハンマー投げの室伏広治選手の練習中の様子をサブグラウンドから伝えていました。その中で、
「落ち着けて」
という言葉を使っていました。小谷さんは1966年東京生まれだそうです。
あ、今ふと思ったんですが、これ漢字表記は、
「落ち付けて」
かも知れないな。そんなニュアンスを持って使っているのかもしれませんね。もしかすると。ちなみに室伏選手は、銅メダルを獲得しました。

2003/8/27


◆ことばの話709「国語と日本語」

国語か日本語か。 これは実に難しい問題のようで、それぞれを支持する人たちに思い入れがあって「譲れない」みたいなのですが、シンプルに何か区別できないだろうか?と考えてみました。



で、突然ひらめいたのはこんな考えです。



日本語を母語とする人にとっての日本語=国語



日本語を母語としない人にとっての日本語=日本語



つまり主体の違いによって呼び名が変わるのではないでしょうか。言い換えると、呼び名は主体の違いを示す指標となりうる、ということです。



もちろん、日本語を母語としている人でも「日本語」と言うことはありますが、その場合は主体の違いに重きを置かずに、他の外国語と並列に見る、というケースだと思われます。 つまり、「日本語」に母語としての強い思い入れがある場合は「国語」、母語であってもそうでない場合は(自然とあるいは、あえて距離をとる場合)「日本語」となるのではないかな、と思います。



イギリス人やフランス人が母語を指して言う場合、単語としては「イングリッシュ」「フレンチ」となって、直訳すると「英語」「フランス語」となっているわけですが、それは、「英語」「フランス語」を母語としない日本人が日本語に翻訳したからで、ネイティブのイギリス人やフランス人は、日本人が「国語」と読んでいる感覚で「イングリッシュ」「フレンチ」と言っているのではないでしょうか。



意外とこのあたりの心情は、気が付かないと言うか、分からないと言うか。



どうなのかなあ。



2002/6/1


(追記)



韓国のプサンに、ワールドカップの「ブラジル対トルコ戦」を見に行ってきました。
そのプサン空港の入国審査場にあった漢字の表示が、 「国民」と「外国人」 でした。この場合の「国民」は、当然「韓国人」を指しますね。日本の空港だと「国民」は「日本人」を指しますが。ここから考えても、「その国」の人は、「その国」を指すのに、ただ「国」というのではないか。また、その「国」はすなわち「我が国」を指しているのだということがわかります。(少なくとも韓国と日本の場合は。)我が国の「語」だから「国語」ですね。



最近、新聞表記や放送で「我が国」という表現は使わなくなってきました。「日本」を使います。それは客観的な感じにも思えますが、いったいいつ頃から「我が国」は消えたのでしょうかね。また、調べてみたいと思います。



2002/6/5



(追記2)



この話をある飲み会の席でしたところ、



「"邦人""邦楽"の"邦"という字も『くに』という意味だけれども、どの『くに』かと言えば、当然"日本"を指すよね。なんでかな?」



という質問を受けました。「邦」という字を漢和辞典(角川新字源)で引いてみました。すると、「邦」の字がつく言葉がいくつか載っていました。



「邦域」「邦媛」「邦楽」「邦紀」「邦畿」「邦禁」「邦君」「邦憲」「邦典」
「邦彦」「邦交」「邦儒」「邦土」「邦伯」「邦本」「邦画」「邦人」「邦語」
「邦字」「邦文」「邦訳」「異邦」「旧邦」「他邦」「万邦」「本邦」「友邦」「連邦」



いろいろあるものですね。 辞書では「くに」の欄に「国」と「邦」はいっしょに載っているので、使い分けもほ



ぼ同じと考えて良いのではないでしょうか。つまり、「邦」だけでは「日本」を指すわけではないけれども、日本人が「邦」という字を使う場合には「日本」の意味になる。「こそあど」の「指示語」と少し似ているような気がします。



どういうことかと言うと、今文章を打っているこのパソコンを指して「これ」 といった場合に、「これ」=「パソコン」ですが、すべての「パソコン」が「これ」という言葉には置き換わらないのと同じです。



では日本にいるときだけ「邦人」=「日本人」かと言うと、そんなことはなくて、逆に外国においてこそ、「外国人」の対立概念として「邦人」がよく使われるような気がします。「洋楽」の対比概念として「邦楽」があるように。では、日本人アーティストが外国で、外国の曲をカバーして歌った時に、この音楽は「邦楽」か「洋楽」か?・・・・・そもそもそのように分類することにいみがあるのでしょうか。だんだん話が込み入ってきましたね。




2002/6/21


◆ことばの話708「やせな〜い?」

平成ことば事情478「あつくなくな〜い?」とよく似た事例です。
5月24日の読売新聞「私のテレビ評」というコラムで、「絶対音感」で一躍有名になったノンフィクションライターの最相葉月さんが「言葉の意味よく確かめて」という一文を記しています。



関西出身の最相さんが13年前に東京に住み始めたころ、もっとも驚いた言葉づかいは「やせない」だったそうです。



『久しぶりに会った年上の男性に「最近、やせない」と言われて返事に困ってしまった。「やせない」の語尾「い」は音が疑問形のように上がっている。だが、私に何か質問しているようには聞こえず、自分が最近なかなかやせないことに同意を求めているのかななどと思い、なんと答えればいいのか、わからなかったからである。』



本来なら、
「やせたんじゃない?」
と聞くべきところを、真ん中の



「たんじゃ」



を省略しているので、
「やせない?」



になってしまっています。「たんじゃ」は「たのでは」が約まった形ですね。「た」は過去をあらわす断定の終助詞(だと思う)ですから、「やせたんじゃない?」というのは、 「過去において、さらにそれ以前に比べて、やせる事態が起こり、それによって"やせた状態"が現在においても継続している。その結果、以前に会った時よりもやせたように見えるが、そのような事態は、起こりしか否か?」



ということを意味していると思われます。(わー、まわりくどい!) でもいきなり「やせない?」と聞かれたら、ちょっとびっくりしますね。いっしょに「断食道場」に通わないかと誘われているようでもあります。



そうやって驚いた言葉である「やせない↑」を、最相さん自身が最近他人に対して使ってしまっている自分に驚いているそうですが、「私のテレビ評」はここからです。



TBSの朝の番組を見ていたら、占いコーナーでフリップに書かれた「飽きられない!?」「情熱が続く!?」といった文章を見て、露木茂アナウンサーが、
「それは私の情熱が続くかどうか心配だという意味ですね。」



と確認の質問をしたと言うのです。最相さんは露木さんに対して「よくぞ聞いてくれた、露木さん!」と賞賛の言葉を送っているのです。こういった言い回しは万人に通用するものではないから、わからない視聴者にかわって質問することは必要なのだ、ということです。なるほどね。



以前、NHK放送文化研究所の塩田雄大さんが「やせませーん?」という言い方について書いてらっしゃったような気がしますが、東京の人にとってもこの「やせない?」は新しい言葉のようですね。私も今後、注意するようにしましょう。



少し関連で思い出したのですが、今から15年ぐらい前に、当時20歳過ぎの女性が、しきりに、
「行きません?」



「食べません?」



「買いません?」



というふうな、字面だけ見ていたら(「?」マークがなければ)、否定文だと思われてしまう言い方で、誘うのではなく、自分の行動に同意を求める言い方をしていたのを思い出しました。上の3つの文の前に「普通」をつけて、文のあとに「か」をくっつけるとそのニュアンスがわかると思うのですが。つまり、



「普通、行きませんか?(私は行きますけど)」



「普通、食べませんか?(私は食べますけど)」



「普通、買いませんか?(私は買いますけど)」



といったようなことを、「行きません?」「食べません?」「買いません?」というふうに聞いていたのです。それとこの「やせない?」はどこかつながっているように感じます。



どこがつながっているのか?・・・・・それはまた今度、考えておきましょう。



2002/6/21


◆ことばの話707「トラキチ考」

快進撃を続けている阪神タイガース。それを予感していたかのような映画、「ミスタールーキー」もなかなか快調のようです。長嶋一茂さんが主演で、タイガースの覆面ピッチャーを演じています。 この映画には、竹中直人さんも出演していて、(大分、古くなってしまったんですけど)3月20日の読売新聞夕刊、19面に竹中さんのインタビュー記事が載っていました。その記事の見出しに、



「トラキチ」



の文字が! いいのかなあ、「トラキチ」なんて見出しに使って・・・。



2年ほど前に、神戸の女子大で講演をした時に、その講義の中で、当時19歳〜20歳の女子大生120人に対して、「トラキチ」アンケートを取ったことがあります。



設問は「トラキチの意味を知っていますか?」というものなどで、知っているのなら、その意味を書け、としました。



その結果、驚いたことにほとんどの女子大生は「トラキチ」のもとの意味、つまり



「トラ 十 キチガイ」



を知らなかったのです。もちろん、神戸の女子大生ですから「トラキチ」=「(熱狂的)タイガースファン」と言う意味は知っていたのですが、「トラキチ」とは、「熱狂的なタイガース・ファンで"トラ吉"という人がいたから、タイガースファンのことを"トラキチ"というようになった」と思っているようでした。



その状態から考えられるように、当然の事ながら「ツリキチ」も知りませんでした。



以前、マンガ「釣りキチ三平」の作者が、テレビの中で、



「僕の代表作である“釣りマンガ三平”では・・・」



と言っているのを見て「そんな自主規制がまかり通るのか!?」とビックリしたことがありますが、そうやって「キチ」という言葉がマスメディアから消えたことによって、いまどきの若者は「キチ」に触れることなく大人の年齢に達してしまった、ということでしょう。



そうすると今後の問題は、そういった歴史を教えていくべきなのかどうかということです。



いわゆる「寝た子を起こすな」で行くのか、「寝た子を起こすべき」なのか。



・・・・・・きっちりカタを付けることなくこのまま進みそうな気がします。



2002/6/1



(注)この原稿、書きかけておいておいたので、本当に内容が古くなってすみません。



(追記)



週刊文春の最近の号(メモ、忘れてしまいました・・・・)のモノクロのグラビアに「星野阪神そろそろ夢をありがとう?」という記事があって、その中に、



「シャノン・ヒギンス氏。今年『英語で阪神タイガースを応援できまっか?』(朝日新聞社刊)という本まで書いたスジ金入りのトラキチが、・・・・」




という記述がありました。
また、7月7日の日本テレビ「独占サンデー」の冒頭、司会の長嶋一茂氏が、



トラキチ代表としてダンカンさんと・・・」




とゲストのダンカンさんを紹介していました。「トラキチ復活」なのか??



2002/7/22


(追記2)



「強い阪神」を背景にしてか、この所、「トラネタ」が一般紙でもいろいろと見受けられます。テレビでも、タイガースの話を扱ったところだけ、視聴率が



グンッ!



と上がっているのが現状です。8月14日現在、マジックは24になりました。
さて、8月13日の日経新聞夕刊に、



「『タイガース』由来は大阪城?」




という見出しで、阪神タイガースの名前の由来は、デトロイト・タイガースではなく、大阪城の虎のレリーフだ、という説が紹介されていました。
その下にちょっと目立たない感じで、それでも結構大きく出ていた見出しが、



「植物園にも『トラキチ』」



という見出しです。おお!「トラキチ」が見出しになってる!
記事によると、高知県立牧野植物園が保管している植物図12点が、日本植物学の父と呼ばれる牧野富太郎博士が描いた、貴重なランの一種、



「トラキチラン」




だったことが、約100年ぶりに判明した、というニュースです。このランは1902年に栃木県・日光山地で、神山「虎吉」さんが発見、牧野博士が命名したのだそうです。ああそうか、「虎吉」さんが見つけたので、「トラキチラン」か。そりゃそうですよね。1902年には阪神タイガースがまだ誕生していないもんな。そういう意味での「トラキチ」は存在しないわけで。でも、この牧野植物園では、阪神タイガースの選手のサインと一緒に特別展示されているんだそうです。何じゃ、そりゃ!



2003/8/14
(追記3)
5年ぶりの追記です。けさ(2008年10月7日)の毎日新聞の朝刊に、阪神タイガース私設応援団初代団長の松林豊さんが、先月(9月)15日、がんのため亡くなったという記事が出ていました。83歳だったそうです。もうそんなお年だったんだ・・・。記事は俳優の緒形拳さん(71)が亡くなった記事の隣でした。元・参議院議長で埼玉県知事だった土屋嘉彦さんの訃報よりも大きな記事でした。
「ひげの団長」で有名でしたからね、松林さんは。
松林さんは、43年前の1965年の甲子園での巨人戦、負け試合に怒ったファンがグラウンドになだれこんだ時に、
「物を投げるその手で手拍子を」
と呼びかけて騒動を鎮め、兵庫県警甲子園署から感謝状を贈られたこともあったそうです。この記事で目に付いたのは、その見出し、
「『トラキチ』団長 松林豊さん死去」
の中の「トラキチ」です。え、いいのかな、見出しで・・・と思いましたが、本文を読むと、
「日本一になった85年、熱狂的なファンを指す『トラキチ』で、新語・流行語大賞銀賞を受賞した。」
とありました。そうか、新語・流行語大賞の銀賞を・・・その数年後に読売テレビのアナウンサーの先輩、辛坊治郎と森たけしが、
「なんぎやなあ」
で、やはり新語・流行語大賞の「銀賞」を受賞しましたが・・・。ノーベル賞ほどのインパクトが当時はありましたよ、ええ、ええ・・。
松林団長、安らかにお眠り下さい。合掌・・・。
2008/10/7


◆ことばの話706「ラブホテルかファッションホテルか」

ニュース原稿でここ数年、



「ファッションホテル」



という言葉が出てきます。数年前までは、すべて



「ラブホテル」



と称していました。もっと昔は、



「連れ込み旅館」



「さかさクラゲ」



などとも呼ばれたそうですが、それは、私は知識として知っているだけです。



それで、今後は「ファッションホテル」で統一されるのかと思っていたら、最近は若者向けの雑誌などでも



「ラブホ」
という略語がよく登場して、「ラブホテル」の方がちまたでは優勢のようです。「ラブホ」は3拍中高アクセントです。若い人は「ラブホ」なんて、恥ずかしくないのかな?



「ファッションホテル」というのは業界で言っているだけなのでしょうか???



この「ファッションホテルか?ラブホテルか?」という問題を新聞用語懇談会の放送分科会に提案したところ、



「"ラブホテル"と言うことの方が多いでしょう。でも、普通"ホテル"でいいんじゃない?」



という声が特に関東の委員から出ました。



その中で、今度は「ビジネスホテル」と「シティーホテル」との違いはどこでつけるのか?という疑問も出て、それに対して、「ホテルライフ」の達人である委員の方々から、いくつか意見が出ました。それによると、



「洗面所のコップがガラスだとシティーホテル、プラスティックだとビジネスホテル」 「タオルが3種類置いてあればシティホテル、2種類しかなければビジネスホテル」 など、ホホウ、そうだったのか!気づかなかったなあ。 確かに微妙なライン上にある「ホテル」ってありますもんね。もちろん一番わかりやすい基準は「料金」でしょうが。言うまでもなく、「高いのがシティホテル、安いのがビジネスホテル」ですが。 まあ、いずれにせよ、快適に泊まれて安ければそれにこしたことはありませんね。



2002/5/23


(追記)



先週末、愛媛県今治市の今治国際ホテルというホテルに泊まりました。鄙にはまれな……というと しかられそうですが、本当にきれいで豪華絢爛、立派なホテルでした。ここは3種類のタオルが部屋にあったのですが、コップはガラスではなくプラスティックでした。



うーん、そうするとここはシティーホテルなんだろうか、それともビジネスホテルなんだろうか?どう考えても「シティーホテル」だったよなあ。どうも、コップの素材は、「シティーホテルかビジネスホテルか」の基準にはならないようです。



2002/5/30


(追記2)
櫻井秀勲著「ヒロスエが藤原紀香に勝てなかった理由」(東洋経済新報社2000・9・28)の126p〜129pに「『ラブホテル』から『ブティックホテル』へ」という項があり、そこには、



「藤原紀香の出現は1997年でしたが、奇しくもその頃、ラブホテル業界に一大革命が起こりました。『ラブホテル』という名称がすたれ、『ブテイックホテル』『ファッションホテル』へと移行したのです。」



「暗くて陰気な、男の言いなりにならなければならないような雰囲気の『ラブホ』は嫌われてしまうのです。」 というふうな記述がありましたが、その後2年が経って、また状況は変化してきているのでしょうか。



2002/6/1


(追記3)



鈴木由香里著「ラブホテルの力」(廣済堂出版)という本が出ました。ちょっと評判になっているようで、週刊文春の6月13日号の書評にも出ていました。まだ、「ラブホテル」という言葉はしっかり生きているようです。「ファッションホテル」のほうが、最近はあまり耳にしなくなりました。



2002/6/8



(追記4)



ちょっと古い週刊誌の切り抜きが出てきました。「週刊現代」(2002年10月12日号)に連載されている甘糟りり子さんの「アマカスの先見と偏見・第12回」の見出しは、「いまどきシティホテルなんていいません」でした。
ええ!そうなのかぁ。こんな一文が。
「初対面の年季の入った平日限定独身者が、私たち女性にあいまいに聞く。
『今さあ、女の子が一番喜ぶシティホテルってどこなのかなあ?』
『ちょっとちょっと、、その前にシティホテルなんて言葉最近あんまり使いませんよ。ただほてるっていえばいいんです。』
その類のホテルのみ、ラブホテルというのではないだろうか。ギターといったらエレキギター、アコギがアコースティックギターを指すのにも、ちょっと似ているかも。」

そーだったのか。



2003/1/14

(追記5)

追記2に「1997年ごろ、ラブホテルからファッションホテルへという名称変更の一大革命が起きた」と書いてありましたが、その「ブティックホテル」を言い出したのは田中康夫・現長野県知事である、という本人の記述を、大阪大学の岡島先生が教えてくれました。それによると、

「ブチック・ホテルと十年近く前に僕が『ポパイ』誌上で命名した代物が立ち並ぶ池袋西口の一廓で、この店は営業しています。(182頁)」(田中康夫『いまどき真っ当な料理店』ぴあ 1996)

これは「ブチック」だけれども。

2004/11/8


(追記6)

スクラップの整理していたのですが、ちょっと古い雑誌の切抜きが出てきました。『週刊文春』の、おそらく去年の7月ごろのものだと思いますが、辛酸なめ子さんの「ヨコモレ通信」の第30回。(最新の週刊文春は4月14日号では、連載64回です。)東京のビッグサイトで開かれたイベント「東京レジャーホテルフェア2004」のリポートをしています。それによると、このイベントはラブホテルの内装や設備機器の展示会で、企画者の湯本さんという人によると、
「これからはラブホテルではなくレジャーホテルという呼び名を広めたい。」
とのことです。会場では精子の着ぐるみ「スペルマン」が目立っていたそうですが、縫い目が見えて手作り感があふれていたとのこと。「時代や名称が変わってもラブホテル文化は相変わらず程良いダサさをキープし、むしろ不況なぶん各社丹精こめて創意工夫に励んでいるよう」だと辛酸なめ子さんは記していました。その後「レジャーホテル」は新党したのか?ネットで検索してみましょう。GOOGLE(4月7日)。
「レジャーホテル」=   1万2500件
「ラブホテル」=    28万    件
「ファッションホテル」= 1万7800件
「ブティックホテル」=  4万3700件
こんな感じです。やはり「ラブホテル」強し!ですが、以外にも「ブティックホテル」がよく使われていますね。私の予想では「ファッションホテル」の方が上位に来ると思ったのですが。
2005/4/7

(追記7)

泊り勤務で出勤のため、夕方の4時頃、駅に向かっていたら、若い女の子がチラシを配っていました。なにげなく受け取ると、そこにはこんな文字が。
「アドベンチャーホテル」
「アドベンチャーワールド」なら聞いたことがありますが(白浜の)、「アドベンチャーホテル」というのは初めて見ました。ホテルの部屋の中に、ゾウとかライオンとかキリンがいるんでしょうか?
チラシを見てみると、そんな気配はありませんでした。きれいなお部屋とベッド、バスルームの写真。ご宿泊のお客様には、天然酵母の焼きたてパン付きのスペシャルモーニング、つまり朝食を無料サービスしてくれるようです。ほうほう。いいホテルじゃないですか。サービスタイムは8時間で3990円が、なんと今なら半額の1990円から20種類のコスプレ衣装もメンバーの方には無料サービス・・・・って、おいおい、これってつまりは、
「ラブホテル」
かい!ふーん、それを「アドベンチャーホテル」と呼ぶこともあるのかな?Google検索(10月8日)では、
「アドベンチャーホテル」=60件
しかありませんでした。大阪の枚方市、ニューギニア、オーストラリア、チベットにあるようです。
2006/10/8