◆ことばの話335「べし」

サントリーの缶コーヒーの「BOSS」のコマーシャルがユニークです。

以前、スタジアム・ジャンパー(スタジャン)をプレゼントするという時には、そのジャンパーのことを「ボスジャン」と名づけていましたが、今度は「ボス漫」です。

「ゴルゴ13」(さいとう・たかを)「あしたのジョー」(ちばてつや)「俺の空」(本宮ひろ志)という、今30代後半〜50代前半ぐらいまでの男性ならば、青春時代を思い出してしまう「マンガ」の全巻揃い・愛蔵版を、それぞれ5000名にプレゼントしようというものです。ボスの「漫画」だから「ボス漫」。わかりやすい。昔、「サルでも描けるまんが教室」略して「サルまん」というのもありましたな。えっ、ご存知ない?失礼しました。

また、この商品の購入対象者(ターゲット)の性別・年齢までもがわかりやすい。

それはさておき、このテレビ・コマーシャルはどういったものかというと、地下鉄の中で、この漫画のうちの一つ「あしたのジョー」を、若者が一人で読んでいる(もちろん、声を出さずに)と、両隣に座っている50歳ぐらいと思しきおじさん二人が、横から覗き込んできて、

「内側からえぐり込むようにして、打つべし!」「打つべし!」「打つべし!」

と、声を出して読み出すのです。一種異様な雰囲気ですが、それだけ「若い頃は夢中になって読んだよなあ。」という感じがよく現れています。

言葉で気になったのは、この「打つべし」です。

これは「あしたのジョー」の中のセリフなんですが、「平成ことば事情299」の「"べき"か"べし"か」でも取り上げた、この「べし」。「あしたのジョー」がよく読まれていた昭和40年代後半までは「べし」は使われていたと思われます。同じ漫画では赤塚不二夫さんの「モーレツ!ア太郎」の中のキャラクターに、その名も「べし」がいたことは、既に書きました。この漫画も、私が小学校の低学年の頃、昭和42〜45年頃だったと思います。「あしたのジョー」とぴったり重なります。

昭和45年(1970)というと、大阪で万国博覧会が開かれた年。高度経済成長がその頂点に達した年として記憶されています。

終戦からそれまでの25年間、まさに、

「働くべし」「稼ぐべし」「成長すべし」

と、「べし」に「べし」を重ねて経済成長をして来た「日本」が、その後いつのまにか、「べし」の目標を失ってしまい、その名残りとして、形が少し変った「べき」が残ってしまったのではないか。

「ボス漫」のプレゼントは、そんなことまで考えさせてくれるコマーシャルです。

別に「考えるべし」といわれている訳ではないのですが・・・。

2001/6/13

(追記)

そのコマーシャルを見たのと同じ日に、佐藤藍子が先生役をしているRPG(ロールプレイングゲーム)のコマーシャルで、佐藤藍子が、

「予約すべし」

と言ってました。コマーシャル業界では今、もしかしたら「べし」がリバイバル・ヒット中なのかもしれませんね。

2001/6/19

(さらに追記)

私は気づかなかったのですが、「ボス漫」CM、地下鉄の中で若者が読んでいるマンガ「あしたのジョー」を両脇から覗き込んで声を出して読むおじさん二人は、テレビのアニメ「あしたのジョー」で矢吹ジョーと、その宿命のライバル(うっ、懐かしい響き!)力石徹の声を担当した、あおい輝彦(ジョー)さんと細川俊之(力石)さんというところも、CMを作った人(たぶん、「あしたのジョー」に入れ込んだ世代)の思い入れが現れていて、おもしろいなあ、というところです。

2001/6/19


◆ことばの話334「元妻と結婚」

大阪府池田市の大阪教育大学附属池田小学校で8人の児童が殺され、15人が重軽傷を負うという惨劇から一週間が経ちました。亡くなられた、いたいけな子供たちのことを思うと、犯人への怒りがとめどなく込み上げてきます。

逮捕された宅間守容疑者(37)の異常な動向が、次第に明らかになってきましたが、そんなニュースを報じる新聞記事の中に、

「97年に元妻と結婚」

という一文がありました。これがいわゆる「テンス=時制」上、おかしいのではないか。

結婚した時点では「元妻」ではないはずです、同じ人との再婚でなければ。

これと同じような疑問が、ネパールの国王殺害事件のニュースに関しても感じました。

殺害された「ビレンドラ国王」の息子で銃を乱射したとされるのが「ディペンドラ皇太子(当時)」。殺害された「ビレンドラ国王」の弟が、「ギャネンドラ現・国王」ですが、当時のディペンドラ皇太子がその後、脳死状態のまま「国王」に就任したため、現時点での「国王」の流れでの表現は、

(現在)「ギャネンドラ(現)国王」←「ディペンドラ前・国王」←「ビレンドラ元・国王」(過去)となっています。

それだからでしょうか、最近の記事を見ると、

「ディペンドラ前・国王が父親のビレンドラ元・国王らを射殺した」

というふうなものが目立ちます。現在を基準に分かりやすく書くとそうなるのでしょうが、事件当時、ディペンドラは「前国王」ではなく、「皇太子」だったのですから、そういう見地から見ると、この記事は時制が行ったり来たりでおかしなことになってしまいます。

今の誰が、前の誰であったかさえわかれば、時系列はわかってくると思いますが、わかりやすさと、その時点での正確な役職(誰であったのか)のどちらを取るか、良く考えないと、ゴチャゴチャになってしまいそうです。

2001/6/15

(追記)

ことばの話65「前と元」で、時系列による敬称の変化と、その敬称がつくポストとの関係について考えています。御参考までに。また、「元彼」や「元かの(彼女)」とは、ちょっと意味合いが違いますね。

2001/6/16


◆ことばの話333「煮詰まる」

6月11日(月)発売の「ビッグコミック・スピリッツ」(小学館)に連載されている「美味しんぼ」の中で気になる表現を見つけました。

日本料理の修行をしている若者が「イタリア料理を学びたい」と言い出し、そのことで「イタリア料理の勉強なんてもってのほか!」と考える師匠と対立。それで相談を受けた主人公の山岡士郎が、こうつぶやくのです。

「これはかなり煮詰まってるな。」

ここでの「煮詰まっている」の意味は、話が煮詰まってしまって鍋が焦げ付きそうになっている・・・ではなく、話が行き詰まってしまって、解決策・妥協点を見出せずに困っている状態を指していると思います。最近こういった「議論が煮詰まっちゃったから、ちょっと休憩しようか」というふうな使い方をよく目にするのですが、辞書を引いてみると、「煮詰まる」の項には、

につまる(煮詰まる)

煮えて水分が無くなる(会議などで議論が出尽くして論点が限定され問題が解決に近づく意にも用いられる。例・話合いが煮詰まる)(新明解国語辞典)

につまる(煮詰る)

1.煮えて水分がなくなる。

2.転じて、議論や考えなどが出つくして結論を出す段階になる。「交渉が煮詰る」 (広辞苑)


と言う意味しか載っておらず、「美味しんぼ」的な「煮詰まる」の使い方は載っていません。議論が出尽くすところまでは、どちらも同じなのですが、従来の意味は「もうほとんど結論を出す段階に至っている」のに対して、「美味しんぼ」の方は「議論は出尽くしたが、いつまでたっても平行線で、とても結論を出せる状態ではない」ということで、意味している状態は正反対といっても良いと思います。

なぜ、こんなことになったのか?

ひとつは「煮詰まる」にイメージにあります。

従来「煮詰める」ことは、「煮物」を作ることが目的であった。そのために手段として「煮詰める」ことが必要であったのです。「煮詰めた」結果、その料理が「煮詰まる」わけです。だから会議などで比喩的に使う場合も「煮詰める」ことによって「結論に近づく」(=会議の目的に近づく)わけです。

しかし、最近はおふくろの味である「煮物」もスーパーやコンビニ、あるいは「デパ地下」と呼ばれるデパートの地下食品売り場で買うことが増えて、家庭で「煮物」を作ることも、作っている姿を見ることも減ってきた。それに伴って、「煮詰める」ことのよって料理を作ることの意識が薄れてきたのではないでしょうか。

また、それとは反対に、外食でも家でも「鍋物」を食べる機会は増えているように思えます。この「鍋物」において「煮詰まる」ことは、料理を完成に導く過程ではなく、「水分がとんでしまって適度ではない。食べごろを過ぎてしまっている状態」を指します。皆さんが日ごろ目にすることが多い「煮詰まる」は、こちらの方ではないでしょうか。

それに伴って議論・会議に比喩として使われる「煮詰まる」の意味合いも変化してきたと考えられます。

同僚のHアナにこの話をすると、

「最近の"うす味嗜好"も、煮詰めないことの原因の一つでは?」

とのことでした。

また、「煮詰まる」は、「行き詰まる」という言葉と、「詰まる」が同じなので混同してしまったことも原因の一つではないでしょうか。

ただひとつ疑問が残るのは、グルメ漫画の中で、ふだん料理を研究し作ることが仕事である、「美味しんぼ」の主人公・山岡士郎が、なぜ新しい方の意味の「煮詰まる」を使ったのか、ということです。

作者(作・雁屋哲、画・花咲アキラ)の創造する人物ですから、それは結局、作者のふだんの食生活と取材活動の一端がにじみ出たと考えるのが妥当でしょう。

この漫画では以前、「食欲のない乳児には、蜂蜜を食べさせるのが良い」という内容を伝えたことがありました。実は、蜂蜜の中には「ボツリヌス菌」が含まれていて、乳児には危険だということが、ここ20年ぐらいで分かってきました。厚生省(今の厚生労働省)も、その主旨の注意を喚起しており、育児に携わる人達にとって「蜂蜜を乳児に食べさせてはいけない」ことは、いわば「常識」であったのですが、作者の雁屋氏は、20年以上前のご自分の子育ての時の常識(まだボツリヌス菌のことはわかっておらず、自分の子どもには食欲のない時に蜂蜜を食べさせていた)に基づいて書かれたために、間違った情報を流してしまったとして、その後、誌上で「おわび」しています。

それと今回の言葉の使い方は、直接関係はありませんが、作者の生活感(言語感覚)の一部が作品に出ているということでは共通点があると言えるでしょう。

いずれにせよ、新しい意味の「煮詰まる」が辞書に載る日も、そう遠くはないと思います。

2001/6/20

(追記)

載ってました、この「煮詰まる」。2001年3月に発行された「三省堂国語辞典」で「煮詰まる」の三番目の意味で(俗語)として、「どうにもならなくなる。いきづまる。」と、新しい意味が載っていました。さすが!実は、この文章を、新明解国語辞典・編集部のYさんという女性に送ったところ、「三省堂国語辞典には載ってますよ」と教えていただいたのでした。また、「おふくろの味の煮物・佃煮は、確かにあまり家で作らなくなったかもしれませんが、イタリア料理のトマト料理、インド料理、スープなどは、趣味の料理として定着してきたので、この分野における「煮詰める」「煮詰まったら・・・」は健在だと思います。」

また、「ジャズ界では早くから、新しい意味での"煮詰まる"が使われていたようです。」という情報も教えていただきました。ジャズにおいては、アドリブに高い価値を見出すので、型が決まった演奏を繰り返すことは、完成度は高まり"煮詰まる"わけですが、それはすなわちジャズ的には、行き詰まって"煮詰まった"状態を意味するところから、新しい"煮詰まる"が使われたようです。

一方、昨日から読んでいる、芸能レポーター梨元勝さんの本「噂を学ぶ〜学問としてのスキャンダル〜」(角川書店)の39ページに、松坂慶子さんと小坂一也さんとの結婚話が噂になっていた時の、梨元さんのインタビューが載っています。

梨元「小坂さんとの結婚話が煮詰まってきたと聞いていますが・・・。」

松坂「そんなことないわよ。」

梨元「しかし家族の反対にあっても結婚する気だと・・・。」

松坂「いえ、そんなあ・・・。」


という会話です。ここで使われている「煮詰まってきた」は明らかに、「結婚の成立が秒読み段階」という意味の従来の「煮詰まる」です。梨元さん世代は、こちらの意味をおもに使うのでしょうね。

2001/6/20
(追記2)

2001年8月25日日経新聞・土曜版のコラム「オトナの心得」で日経新聞編集委員の足立則夫さんという方が「日本語を誤用する人」というタイトルで、「煮詰まる」を「行き詰まる」の意味で使うことについて、

「誤用がまかり通って定着してしまうのはこまったことだ。どうすればいいか。"辞書を見よう"以外にいい対策が煮詰まらない。」

と書いています。確かに気持ちは分かりますが、辞書にももう載ってるんだよね。辞書が正しいとは限らないのです。
2001/8/27

(追記3)

2003年7月23日に見た、NHK衛星「アクターズ・スタジオ・インタビュー」。この番組、時々やっているけど、面白いです。俳優や女優の卵たちが、有名は俳優や女優にインタビューをするのですが、大学か大学院の演劇科のゼミのような感じで。この日のゲストは、リチャード・ギア。そのリチャード・ギアの発言を訳した字幕に、

「煮詰まっときは」

という表現が出てきました。この「煮詰まる」は「行き詰まる」の意味でした。翻訳者は三井章子という人でした。

2003/8/22


◆ことばの話332「重任」

株主総会の季節が近づいてきました。

我が社でも、関連会社の新しいエライさん(新役員)の人事が張り出されています。

その中の、役員の名前の後に、新しく役員になった人は「新任」と書いてあります。これはすぐに意味がわかります。しかし何人かの役員の後ろには、「重任」と書かれていました。「留任」「再任」なら、よく目にするのですが、「重任」というのはあまり見たことがありません。いくつかの役職を「重ねて」務めることでしょうか?それとも、前回に続いて、その役職を引き受けることでしょうか?「じゅうにん」って、「住人」みたい。

「広辞苑」で「重任」を引いてみました。「じゅうにん」だと思うのですが、「ちょうにん」かも。

じゅうにん(重任)

1.重要な任務

2.任期満了後ひきつづき前の任務に就くこと。ちょうにん。「重任を妨げない」


とありました。

やはり、「留任」「再任」と同じような意味だったようです。

念のため「留任」「再任」を引いてみました。

りゅうにん(留任)

今までの役職をやめずに続けること。「委員長は留任した」

さいにん

(再任)再び前の職務に任じられること、また、任ずること。「議長に再任される」


どの言葉を使ってもあまり変らないように思えます。あなたはどの言葉がお好きですか?なーんて気軽に聞けるのは、役員人事とはまったく関係のない立場だからで、ご当人たちにとっては、そんな「言葉」よりも内容が大変重要な出来事であるのは、言うまでもありません。

2001/6/13


◆ことばの話331「できちゃった婚」

あの梅宮アンナさんが、結婚"入籍"、しかも妊娠2ヶ月の"できちゃった婚"というニュースが、スポーツ紙やテレビのワイドショーを始め、ニュース番組(ニュース・プラス1)でも報じられました。

最近よく耳にするこの「できちゃった婚」。「ちゃった」の部分にかわいらしさというか、「おいた」(いたずら)的な響きを持っています。

意味は、結婚前に子どもが「できちゃった」ので、それがわかってから、婚姻届を出して結婚するというもの。

最初から意図して子どもを作ったのではなく、予想外に(というのも変ですが)できてしまった、というのが「ちゃった」の部分に含まれている感じです。いつごろから言われ始めたのでしょうか?

先日、テレビを見ていたら、昔の「できちゃった婚」にあたるものとして

「マタニティ結婚」

という言葉が紹介されていました。これは1987年の研ナオコさんのケースですが、今から14年前です。

「マタニティ」という言葉は、女性にとっては「マタニティ・ドレス」などでおなじみのの言葉ですが、男性にとってはちょっと縁遠い感じのする言葉だったので、定着しなかったのかもしれません。

それにしても、「できちゃった婚」で生まれてくる赤ちゃんは、「できちゃった」の部分が軽い感じなので、ちょっとかわいそうな感じもしますが、喜びの「できちゃった」という気持ちで出産、育児に当たって欲しいな、と思う今日このごろです。

2001/6/15

(追記)

2001年10月1日号の「AERA」で「できちゃった婚」が取り上げられていて、その中に略語として「でき婚」という言葉も使われていると、大阪外国語大学の小矢野哲夫教授のHP「けとば珍聞2001年10月号」に載っていました。

2001/10/22

(追記2)

今日(2002年2月7日)のスポーツ報知23面に、狂言師の和泉元弥さんと今年1月に結婚した羽野晶紀さんが、妊娠7か月で今年5月に出産することがわかったという記事が載っていました。ということは「できちゃった婚」なので、見出しも、

「つまり"できちゃった婚"だったの?」

となっています。

その横には競艇の女王・寺田千恵さんが、交際中の競艇選手・立間充宏さんと、2月12日に入籍することが発表されたのですが、既に妊娠2か月。ということは「できちゃった婚」なのですが、競艇選手だけにこちらの見出しは、

「こちらは競艇の女王"フライング婚"」

となっておりました。職業によって、「できちゃった婚」も、バリエーションがあるんですね。感心しました。

2002/2/7

(追記3)

2004年2月20日の朝日新聞「くらし」欄の特集は、
「『できちゃった婚』プラン続々」
というもので、「木村拓也さん、広末涼子さんといった人気タレントが、妊娠後に結婚したことも、否定的な印象を打ち消すきっかけになっている」とのことで、急な式場探しにも即応して、「シンプル演出で費用は安く」「体形に合うドレスを用意」など至れり尽くせり。厚生労働省の人口動態統計を分析した2002年発表の出生件数によると、「できちゃった婚」(=第1子の出生件数のうち、親が結婚前に妊娠している数)の割合は、1980年には12,6%、1985年には17,3%、1990年は21%、1995年は23,9% 、1999年は25%で、最新の2000年は26,3%にまでなっています。つまり4組に1組以上は「できちゃった婚」だとのことです。びっくりですねえ。

2004/2/26

(追記4)

4月24日の朝日新聞朝刊、
「ママ救う?匿名掲示板」
という見出しの記事の中に、
「私はでき婚(できちゃった結婚)。育児に楽しみが見出せない。」
という文章が。この「でき婚」というのは、もちろん「できちゃった結婚」「できちゃった婚」の省略形ですね。省略形ができるということは、若者の間で相当使われ定着しているという証拠ですね。
GOOGLE検索(4月26日)では、
「でき婚」=745件
でした。まだ1000件を超えていないので、私の基準では「一般的ではない」というところ。ちなみに、
「できちゃった結婚」=1万9900件
「できちゃった婚」=7660件
でした。


2004/4/27


(追記5)

最近は少子化の影響からか、
「授かり婚」「おめでた婚」
とも言うようになってきているようですが、(これは『現代用語の基礎知識2006』に書きましたが)、さらにさらに、『週刊文春』2005年10月27日号の特集記事のタイトルを見ると、こんな言葉も出来ているようです。
「できちゃった婚の一歩先ゆく『作っちゃった婚』を仕掛けるオンナ急増中」
オンナという表現に女性をちょっと蔑視した感じがありますが、それはさておき、
「作っちゃった婚」
だそうです。女性主導で「作っちゃった婚」に時代は動いているというのです。でも・・・欲しいのになかなか子どもが出来ずに苦労されている人もいるんだから、勝手な親側の意思で「作っちゃった」とか何とかだと、生まれてくる子どもがかわいそうだよなあ、と思いました。なお、ここで紹介されている、今年「できちゃった婚」をした芸能人は、安達祐実、竹内結子、知念里奈、過去には広末涼子、梅宮アンナ、安室奈美恵、工藤静香、鈴木保奈美でした。
なおGoogle検索(11月1日)では、
「作っちゃった婚」=673件
「授かり婚」=658件
「おめでた婚」=137件

でした。


2005/11/1

(追記6)

2006年1月18日の読売新聞夕刊に、
「『できちゃった婚』いらっしゃい〜妊婦向け旅行保険・ドレス売り込み」
という見出しが出ていました。「できちゃった婚」は、1980年には8組に1組だったのに、今や4組に1組なので、そういった業界(旅行保険やブライダル業界)では、「おめでた婚」として受けとめる向きが増えてきていると、記事は記しています。神戸メリケンパークオリエンタルホテルでは「おめでた婚プラン」として、つわりに配慮し、妊婦が嫌がるにおいを避けたメニューを用意しているそうです。ふーん、そういう時代ですね。少子化だし、子どもが出来るのは前向きに喜ぶと、順番はどうでも。
2006/1/30

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