◆ことばの話10「まいど・おいど・マクド」

「ハンバーガーのマクドナルドを省略して言うと?」

この質問に「マック」と答えるのは関東人。関西人はもちろん「マクド」と答える。

ちなみに、「ミスター・ドーナッツ」は「ミスド」、ファミリーレストランの「びっくりドンキー」は「びくド」となるそうだ。

「マクド」「ミスド」「びくド」。この三つは、すべて外食産業と言う以外に、共通点がある。
いずれも3文字

最後が「ド」で終わる

アクセントが中高である
なぜ、こういった共通した省略形になってしまうのか?

なぜ「マック」にならないのかについて考えていたところ、ハタと思いついた。

関西には、この三つの法則に当てはまる、おなじみの言葉があるではないか!そう、「まいど!」である。さらに言うなら「おいど」である。もっとも、最近の関西の若者は「おいど」の意味を知らないようだが。(念のために言っておくと、「おいど」とは「おしり」の大阪弁である。もう死語かなあ。)

ともあれ、「マクドナルド」を省略する場合には、関西人がこういった伝統的でなじみのあるコトバ、「まいど」・「おいど」のニュアンスをベースに「マクド」と言っているのではないか?

もともと関西人には、「マック」のように促音便を使った歯切れの良い音は似合わない。

無声化しない「ク」を使った「マクド」の方が発音しやすいと言うことなのだろうか。

「マクド」を使うのは関西人だけではない、フランス人も使う・・・と言う話を聞いたことがあるのだが、真偽のほどは定かではない。どなたか、フランス人のお友達をお持ちの方はいらっしゃいませんか?

1999/8/11


◆ことばの話9「勝っています」

最近、野球中継の中に出てくる「阪神が中日に3対1で勝っています。」という表現がとっても気になります。皆さんはこの試合はもう終わったのか、それともまだ試合の途中なのか、どちらだと思いますか?

私が気になると言ったのは、もう試合は終わっていて、その結果を伝える場合に使われた時です。普通は「3対1で勝ちました。」と過去形を使うのですが、それだとあまりにも当たり前すぎるので、文章にメリハリをつけようという意図からか、この「勝っています」がよく使われています。

つまり、今までは「現在進行形」でのみ使われていたこの「勝っています」が、「過去完了形」で使われることの違和感を覚えるのです。

確かに、試合の途中経過で「この試合、新庄が2本のホームランを打っています。」という言い方は、過去完了として「〜しています」の形が使われることがあります。誰もこれを見て、「新庄は今ホームランを打っている途中なのか、それとも既に打ったのか?」と悩む人はいません。なぜなら、「ホームランを打つ」という行為が一瞬の出来事であり、それが伝えられた時には既に終わっているであろう事は、常識として判るからです。

しかし、平均3時間もかかるプロ野球の試合の場合は、途中経過のアナウンスの中に混じる「勝っています」が、結果(過去完了)なのか、途中経過(現在進行)なのかは、情報を持っている伝え手は判っていても、情報を持っていない聞き手には判りません。あるいは、わかりにくい。

どうしても「勝っています」を使いたい場合には「既に勝っています」とか「デー・ゲームで勝っています」(ナイト・ゲームの中での途中経過の場合)のような表現を心がける必要があるのではないでしょうか?

皆さんはどう思われますか?

1999/8/10


◆ことばの話8「炎天下の中」

暑い日が続きますが、皆様いかがお過ごしでしょうか?

さて、こう暑い日が続くと、ニュースでも暑さにちなんだ話題が取り上げられます。

そういったニュースの中で気になるのが、「炎天下の中で・・」という表現。

「炎天下」というのは、文字どおり「炎天の下」という意味です。それに「の中」をつけるのはおかしくないでしょうか?「炎天の下の中で」ということになってしまいますよね。「炎天」の「下の中」というのは、どこなんでしょうか?

おそらく、「炎天下」が一つの単語として「とても暑い天気」という意味になって、「下」の持つ意味が忘れられているのが、「炎天下の中」という表現が登場した原因だと思いますが、こういう表現が徐々に増えてしまっても、「えーんでっか」?(・・・・炎天下に引っかけてみました。)

1999/8/5
(追記)

な、なんと、9年ぶりの追記になりますか!この原稿、実は会社の視聴者センターが出している「月報」のコラムに書いたものだなあ。それをサイトにも載せようってことになったんですよね、思い出しました。「月報」のコラムは今も書いています。100回を超えています。
さて「炎天下の中」ですが、『週刊文春』の2008年10月9日号の巻頭グラビア、
「三浦容疑者ロス移送決定〜疑惑の銃弾 最終章の幕があく」
の中に、不肖・宮嶋こと宮嶋茂樹カメラマンの原稿で、
「その間、不肖・宮島をはじめとする日本メディアは、裁判所の裁定を待つため、炎天下の中、待ちぼうけを食らわされたことも一度や二度ではない」
と出てきました。かなり「恨み」がこもっていますから、被害状況である、
「炎天下、待ちぼうけを食らわされた」
ことを強調したい気持ちが、
「炎天下の中
としたのではないでしょうか。
その三浦和義容疑者は、ロス移送から16時間後、移送先の拘置所で自殺をしてしまうという、驚きの結末。「疑惑の銃弾・最終章」の幕が、いきなり降ろされたのです・・・・。
2008/10/14


◆ことばの話7「驚いたこと」

今回はちょっといつもと違って、「驚いたこと」を書きます

最近、といってももう5、6年前からだが、会社の近くのプロムナード。結構長い距離で、駅とビルとをつないでいる。ここが、スケートボードをする若者の格好の練習場になっているのだ。スケボーをやっているのは10代後半と思われる男の子。ジャンプをしたりスピードを出したりで、通行人は迷惑している。「ガラガラッ」という大きな耳障りな音もさる事ながら、特にジャンプをしたあとに「ガタン!」と板が地面にぶつかる音が耳障り。

その上、プロムナードの壁はあちこち穴が空いているがこれもこいつらが・・・と思うと、憎さ百倍である。

もちろん、所変わればということもある。去年ニューヨークに行った時、町中をスイスイ走っている若者をみて「あっ、これもいいな」と思ってしまったのも確か。場所によるのか。

しかし、しかし!今日は信じられない光景を見てしまったのだ!

泊り勤務のため、午後5時頃、会社につながるそのプロムナードを歩いていると、後ろから「ガラガラッ」という例の音。注意しながらやり過ごすと、スケボーに乗っていたその若い男は、なんと!幕の内弁当を食べていたのである!もちろん、スケートボードに乗りながら、である。ハンバーガーやホットドッグ、おにぎりやサンドイッチなら、まだ、わかる。しかし、左手でプラスチックの四角い容器のに入った弁当を持ち、右手で箸を持ってご飯をで掻き込みながら、人込みの中をスケートボードで走るというのは、まったくもって理解しがたい!

一体、スケボーに乗りながら弁当を箸で食べることを「カッコイイ」とでも思っているのであろうか?それとも、その日は非常に忙しく朝から何も食べていない飢餓状態で、しかもこの後のスケジュールも逼迫しているのであろうか?

などと考えているうちに、その男はプロムナードの一番端に到達して立ち止まった。

ま、まさかそのままの状態で、飯を食いながら階段をスケボーで駆け下りるのか!?

生唾を飲みながらどうなることかと見守ると、何のことはない、男はスケボーから降りたのだった・・・。この根性なし!

「やっぱり街中のスケートボードは許せない」と、改めてこぶしに力を入れ直す出来事であった。

1999/8/2


◆ことばの話6「熱川バナナワニ園」

皆さんは「熱川バナナワニ園」ってごぞんじですか?伊豆半島にある、熱帯動植物園です。

関西在住者にとってはあまりなじみがないんですが、関東の人は皆知ってるところなんだそうです。読み方は、「あたがわ・ばなな・わに・えん」。

私も恥ずかしながら、知りませんでした。(熱川という地名は知ってましたが。)

それにしても、この「バナナワニ園」って、ちょっと変わったネーミングだとは思いませんか?(「間違えて「ワナナバニ園」って言ってしまいそう・・・」と植村アナウンサーは言ってましたが。)

ここにはバナナとワニしかないのか?そもそも、植物のバナナと、動物のワニを並べるなんて乱暴なネーミングではありませんか?「ワニ・カバ園」とか「パパイヤ・バナナ園」ならまだわかるんですけど。

そこでさっそくその「熱川バナナワニ園」に電話して、なぜこういう名前なのか、聞いてみました。それによると、オープンは昭和33年(1958年)。当初オーナーが飼っていたワニが10数頭に増えたので、植物も集めて熱帯動植物園にしよう!ということになり、その際に動物は「ワニ」、植物は当時入院のお見舞いに持っていくほど高級感のあった「バナナ」が熱帯を代表する植物であろうと「バナナ」になり、二つ合わせて「バナナワニ園」になったそうです。

現在は27種類のワニを初め、52種類の熱帯の動物と、1万種類もの熱帯性植物が園内にはあるそうで、「バナナとワニしかない。」と言う訳ではありません。もし当時の高級感ある植物が「メロン」だったら、「メロンワニ園」になっていたかもしれません。それにしても、「バナナ」って代表的な「植物」かなあ。

1999/7/26
(追記)

いやあ、行ってきました、「熱川バナナワニ園」!静岡の伊東で用語懇談会(放送分科会)が開かれたので、ちょっと足を伸ばして、帰りに行ってきました。伊東からは25分、熱海からでも50分という距離、駅のすぐ横が「バナナワニ園」でした。
このバナナワニ園、「本園」が「ワニ園」と「熱帯植物園」、これが駅の近くにあって、少し離れた小高い山の上の中腹に「分園」があってこちらに「バナナ」があるんですね。無料のマイクロバスで2〜3分の距離です。
ワニ園が、思っていたより規模が小さく「なーんだ、こんなものか」と少しガッカリしたのですが、ちっとも動かないワニは意外に大きく、しかも身近に見ることができたので、
「もし今、このワニが全部逃げ出してきたら、相当怖いだろうな・・・」
とビクビクしながらワニ園を出ました。
一つ勉強になったのは、「クロコダイル」と「アリゲーター」の違い、区別の仕方。「クロコダイル」は口を閉じた時に、「前から4番目の歯」が外から見えるのに対して、「アリゲーター」は、口を閉じた時に歯が見えないという違いがあるそうです。そう言えばたしかに、牙のように歯が見えるワニとそうでないワニがいるなと確認していると、少し怖さがなくなりました。
思ったより規模が小さいな・・・と思ってガッカリしたのも束の間、植物園もじっくり見ていくと、あっという間に1時間半ほどが経ち、入園料金1200円(前売り券)の元は取ったかなと思いました。なぜか「レッサーパンダ」も随分たくさんいて、風太君みたいに立つヤツはいませんでしたが、高い木の上に登って昼寝しているヤツはいました。
ちなみに表記は、パンフレットは「熱川バナナワニ園」でしたが、チケットには「熱川バナナ・ワニ園」と「バナナ」と「ワニ」の間に「・」が入っていました。英語表記では、
「ATAGAWA  TROPICAL&ALLIGATOR  GARDEN」
で、「ワニ」にあたる「ALLIGATOR」はありましたが、「バナナ」という単語はなくてかわりに「TROPICAL」(熱帯)が使われていました。
ついでに、JR熱川駅の駅名表示「漢字・ひらがな・ローマ字」「ハングル」でした。韓国からのお客さんも多いのでしょうね。
もうひとつ、地名で「へえー」と驚いたのは、
「伊豆北川」
は、
「いず・ほっかわ」
と読むんですね、「きたがわ」ではなく。勉強になりました。
2005/9/18
(追記2)

と、去年の9月に「追記」を書いたのに、ネットに反映させるのを忘れていました。ごめんなさい。半年遅れで載せます。
2006/3/30

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