ヘッダー Space 『シモネッタのドラゴン姥桜』
(田丸公美子、文藝春秋:2009、1、10)
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シモネッタことイタリア語通訳の田丸公美子さんが、自分の息子の子育てについて書いた本。一人息子のユウタ君は中学高校と開成で東大。在学中に旧司法試験に通ったという超秀才。それでいて高校時代から彼女の家に入り浸る軟派なのに、応援団団長を務めるという硬派な一面も。のびのび育ったということか。すごい!
いろいろおもしろかったことを、メモります。
*産科の産み分け指導料、男児五万円、女児五千円。→ふーん。
*解剖学的に見て、大きなおっぱいには脂肪が多く、中を通る乳腺が細くなっているので、吸っても出が悪い。一方、小さなおっぱいの人は、脂肪が少ない分乳腺が太く、できた母乳がフレッシュなまま勢いよく出るらしい。→そうなのか!
*(ユウタ君が)一歳になったばかりのころ、「5」が気に入ったらしく、何を言っても「ゴ」と答えたので、電車の中で、「2+3は?」と聞くと「ゴ」。周囲の乗客が、目を丸くして驚いた、と。段々エスカレートして「11−6」「17−12」「25÷5」とさまざまなバリエーションを楽しんだそうだ。→ハハハ、悪い母親だねえ・・・。
*四歳のとき。「せみ、うるさいねえ」というと息子は「きっと、せみの子供もお母さんに『うるさい!一度鳴いたら分かります』って怒られてるよ」。忙しいのにしつこく何かを頼む息子に『うるさい!一度言ったら分かります』といつも怒鳴っていたからだ。子はまさに親の鑑。反省しきりであった。→その通り!
*二歳のころ、保育園の先生が「メリークリスマスってイタリア語でなんと言うの?」と尋ねたら、即座に「メリノ・クロースマ」とイタリア語らしき発音で答えたがイタリア語でメリークリスマスはブオン・ナターレ。さすが通訳の息子だ。知ったかぶりの血は争えない。→やるなあ。
*三歳のエコー検査で「最初は、あおむけになって」と言われ、「その次は、あかむけ?」と聞き返すひょうきんさを見せるほど病院慣れした。→言語感覚がスゴイ!
*おかん。なんちゅう親やねん!(135ページ)→なんで大阪弁?
*アルバイト探し。「昔は学生課の掲示板に家庭教師募集の紙が貼られていたものだが、今はネットで東大の学生課と結ばれていて、家で検索ができる。」(148ページ)
*今、東大の卒業式はオンラインで結ばれ、リアルタイムにパソコンで見ることができる。八十二歳の祖母は初めて漫画喫茶へ行き、店員さんにサイトを開けてもらい卒業式を見た。→21世紀の大学ですなあ。隔世の感が。
*イタリア語の先生は私の友人のMさんで、授業のあと挨拶に行った息子に、M先生「やーだ、田丸君、イタリア語はお母さんに習ってよ」とアドヴァイス。息子は答えた。「母は単位くれませんから…」→しゃれてるなあ。

(2009、2、1読了)
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