ヘッダー Space『落語の国からのぞいてみれば』
(堀井憲一郎、
講談社現代新書:2008、6、20)
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著者の『週刊文春』でのコラム、「ほりいのずんずん調査」は毎週のように読んではいるが、ちょっと「おちゃらけ調の文体」は好みではない。しかし最近、講談社の雑誌『本』で書いている落語に関する文章は、実際に寄席に足を運び、レコードやCDを聴き比べて書かれたものだけに、中身がある。本書はそれをベースに編まれたもの。巻末の登場落語の紹介も、玄人はだしだ。
第二章の「昼と夜では時間が違う」は参考になった。「六つ、五つ、四つ」。そして「九つ、八つ、七つ」、この6種類の数え方で、江戸時代の「時の呼び方」は間に合わせていたのだ。「六つ」は午前6時と午後6時、「五つ」は午前8時と午後8時、という具合。「九つ」が午前零時と午後零時。なるほど。「八つ」は午前2時と午後2時。「おやつ(お八つ)」は午後3時だ。
ちょうど最新の『週刊文春』の酒井順子のコラムで、この本を取り上げていた。タイトルが『落語の国「を」のぞいてみれば』ではなく『落語の国「から」のぞいてみれば』となっていて、著者はもうすでに、「あちらの国」(=落語の国)の人なのだと書いていたが、たしかにそのとおりだよなあ。

★★★★

(2008、7、19読了)
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