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『昭和ジュークボックス』
(森まゆみ、ちくま文庫:2008、5、19)
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著者の名前は、地域雑誌『谷中・根津・千駄木』、つまり東京の「谷中(やなか)」「根津(ねづ)」「千駄木(せんだぎ)」(通称・谷根千(やねせん))の地域を紹介する雑誌の編集者として聞いたことはあったが、著作を読むのは初めて。大学(早稲田)の7年先輩でもあるので、ところどころ大学時代の思い出は重なる部分もある。(食い物屋さんや、習った教授の名前など。今の学生さんよりも、ずっと年が近いもんね。)
ふんだんに載っている写真も見事に昭和30年代の当時を表していて、なんとも懐かしい。「歌は世につれ、世は歌につれ」
と言うが、それぞれの曲にまつわる思い出は、時代をきっちり表しているのだ。こんなアホなお話も載っていた。当時流行ったのだろうか。ご成婚のすぐあとぐらいか?
「皇太子さまがお手洗いに入っているのに美智子さんも入りたいとき何というでしょう・・・・・“まだ殿下”。」
「天皇がおならをしました、皇后は何といったでしょう・・・“まあ陛下”」
・・・不敬罪かな?でも「昭和」だよね、「美智子さん」だもん。
ともあれ、なんだか懐かしくて頬擦りしたくなる一冊である。文庫本というのが、またいいね、単行本だと頬擦りしたくない。


★★★★

(2008、6、3読了)

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