ヘッダー Space『オタクはすでに死んでいる』
(岡田斗司夫、新潮新書:2008、4、20)
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去年夏、『いつまでもデブと思うなよ』で大ヒットを飛ばした岡田さん。今度は本業の「オタク」の分野での著書。『北斗の拳』の名セリフ「オマエはもう死んでいる」をパクッた(パロッた)と思われるタイトルに、思わず手にとって買ってしまった。
結論から言うと、
「オタクは、昭和とともに死んだ」
と。平成の「オタク」はこれまでのものと変質してしまった、と書かれている。それは当然、オタクだけが変わったのではない。世の中が、人が変わったのである。現代社会の特徴の一つは、加速度的に変化していくその「スピード」にある。おそらく岡田さんがジワジワ感じている間に、急速にオタクは瓦解して歴史の中に埋もれていったのであろう。そして平成も20年が経った今、
「オタクは遠くなりにけり」
と宣言しなくてはならない事態に立ち至ったということである。なお中森明夫が命名したと言うのは、ひらがなで「おたく」であった。4月22日の新聞に、その中森が「おたく」誕生25年のコラムを書いていた。


★★★★

(2008、4、19読了)

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