ヘッダー Space『「ダイヤモンドサッカー」の時代』
(JDFA編さん、岡野俊一郎、金子勝彦
ほか、エクスナレッジ:2008、2、25)
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♪ターン、タカタッタッタ(タカタカ)、ターン、タカタッタッタ、ターン、タカ、タンタンターン♪
「サッカーを愛する皆さん、ご機嫌はいかがでしょうか」
金子アナウンサーの名セリフで始まる「ダイヤモンドサッカー」を見ていたのは中学の時。1974年からの3年間が、一番よく見ていた。
当時はビデオもないから、1回きりしか見られない。映像と音声を、自分の目と脳みそ(がビデオレコーダー)に刻み込んだ。1回しか見ていないはずの「クライフターン」を、翌日の学校のサッカー部の練習で、みんな試していた。(ヨハン・クライフは、当時のオランダ代表の主将でスーパースター。「空飛ぶオランダ人」と呼ばれた)
それでも、なんとか後に残したい!と思った時は、なんとテレビの前に「テープレコーダーを」持って行って「録音」したのだ。私が録音したのは、74年西ドイツワールドカップの「西ドイツ対スウェーデン」戦。エドストレーム、サンドベリというスウェーデンの長身ストライカーのシュートもすごかったが、皇帝(カイザー)フランツ・ベッケンバウアーの冷静な守備、パウル・ブライトナーの上がり、爆撃機ゲルト・ミューラー、ウリ・へーネス、火の玉小僧ベルティ・フォックツ・・・ううう思い出すぅ!
1回45分の放送なので、前半と後半を2週間で(2回に分けて)放送する。中学の部活が終わって帰って来て夕食も済ませて勉強の合間、ちょっと眠くなってきた時間帯(当時はたしか火曜日の夜10時から)が、サンテレビの放送時間帯だった。
1000回の放送を前に、そして日本のサッカーのプロ化を前に放送が終わった「ダイヤモンドサッカー」についてのさまざまな思いを詰め込んだのがこの本。記録の資料としても貴重なものだと思う。各界(?)のサッカー関係者へのインタビューの中で、私の感覚に近かったのは、やはり年齢の近い岡田武史・現日本代表監督(5歳上)と日本経済新聞社のサッカー記者・武智幸徳さん(同じ1961年生まれ。学年は一つ上)あたりか。「そうそう、そうなんだよ」という感じだった。こういうふうな感覚を共有できるのも、この本のおかげですね。同窓会が開かれたような感じで、444ページもある重い単行本の裏表紙を閉じた。


★★★★

(2008、4、11読了)

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