ヘッダー Space 『犯罪不安社会』
(浜井浩一・芹沢一也、
光文社新書:2006、12、20)
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本書は、法務省出身で矯正施設や保護観察所勤務の経験のある臨床心理士で龍谷大学法科大学院教授の浜井浩一が第1・4章の「犯罪統計はどのように読むべきか」「厳罰化がつくり出した刑務所の現実」を、近代日本思想史・文化史が専門で京都造形芸術大学非常勤講師の芹沢一也が第2・3章「凶悪犯罪の語られ方」「地域防犯活動の行き着く先」を書いたものである。
タイトルでわかるように、昨今の「日本はもはや『安全がタダ』という国ではないのだ」というような強い風潮に対して、本当にそうなのかどうかをデータの面から分析。またそういった心境に陥る人が増えることで、どのようなことが引き起こされるのかについて書かれている。防犯・安全のためなら命を賭けてもいい・・・というような傾向に、警鐘を鳴らしているように思えた。
確かに「行き過ぎ」は、何事もいけない。バランスが大切だし、感情に流されることなく冷静な判断ができる人がリーダーでいないと、世の中ヘンな方向に進んでしまうから・・・。


★★★★

(2008、1、13読了)

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