ヘッダー Space『た・か・く・ら』
(嘉門達夫、扶桑社:2007、11、30)
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泣いた!
装丁がいい!万博、友情、笑いに彩られた悲しみと喜び。生きることと死ぬことはひとつながり。でもどこかで切れている。実線が破線になり、点線になり、消えていくような・・・。肺ガンで「余命3か月」と宣告された47歳の同級生・高倉。嘉門達夫が、そして同級生たちが、どれほどこの「たかくら」というヤツのことを思っているか。子どもがそのまま大人になったような人たちの集まり。嘉門達夫は私より2つ年上だが、ほぼ同世代。わかる、わかると思いながら一気に読んでしまった!浦澤直樹『20世紀少年』を実話で行っているような感じもした。
全体で196ページの話のうち、162ページ、第6章冒頭の一文、
「高倉の短い十月がやって来た」
この、さりげない文章に、泣いた。
嘉門達夫の、魂を込めた高倉への鎮魂歌である。
(今ふと思ったのだが、これが「創作」だったら、嘉門達夫の力はもっとスゴイが、多分実話だろう。)


★★★★★

(2007、11、29読了)

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