ヘッダー Space『金魚の国の物語』
(柚香、新風舎:2007、2、25)
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友人の柚香さんが、いつのまにか新風舎の出版賞を受賞して、本が出る事になったと言って送ってきてくれたのがこの本。なかなか読めずにいて、すみません。そろそろ書評・・・というか読書感想文を書かなくちゃ、と頑張って読みました。何でも増刷が決まったとか。おめでとうございます。
読み出しのところでちょっと引っかかったんだけど(つまり2月に読みかけて、そこで止まってしまっていた)、そこを越えれば、グイグイ楽しく読めました。
熊本の天草にある、金魚の形をした小さな島が、ひょんなことから(この「ひょうんなことから」というのが、柚香さんのキーワード。前著も『ひょんなことからスリランカ』というタイトルだった。つまり、結果を考えることなく、かなり風まかせで好きな時に好きなことを一生懸命やっているのが彼女)日本から独立してしまうという、童話のようなお話。『吉里吉里人』や『オヨヨ島の冒険』を彷彿させた。
「乙女ばあちゃんのイカメシすぺしゃる」のレシピの場面は、ちょっとホロッときた。『東京タワー』みたい。
よく考えると、マンションの管理組合の理事やPTAの役員って、ちょうど金魚国の大臣みたいなものだよなあ。規模から言っても数百人から千人ぐらいだし。
登場人物のネーミング、ニックネーム付けには、村上春樹の影響が感じられました。

★★★★

(2007、4、7読了)

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