ヘッダー Space『奥野信太郎随想全集(二)』
(奥野信太郎、福武書店:1984、9、25)
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「この際」という言葉は、関東大震災の後に流行した合言葉だったという。米川明彦先生の本にそう書いてあった。その用例として、奥野信太郎の「随筆東京」からのエッセイの一節が載っていた。それを確認するために図書館で借りて読んだ。復刻版なので旧字体は新字体に直してあったが。奥野信太郎という人を私は知らなかったのだが、慶応の教授で江戸っ子。関東大震災後と戦後のエッセイが秀逸であると、そのあとがきにも書いてあった。そういう復興の雰囲気が好きだったのですね、きっと。
で、「この際」は1か所しか出てこないですが、確認しました。
それ以外に、言葉のアクセントに関して、「20円、30円」というもののアクセントは少し前までは皆「頭高アクセント」「にじゅう・えん(HLLLL)」「さんじゅうえん(HLLL・LL)」しか言わなかったのに、最近はみんな「にじゅうえん(LHLLL)」「さんじゅうえん(LHHLLL)」という中高アクセントになっていて気持ちが悪い、と書いてありました。戦後まもなく(昭和26年)の頃から、既にそういったアクセントの変化があったことがわかりました!

★★★★

(2007、3,1読了)

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