ヘッダー Space『醜い日本の私』
(中島義道、新潮選書:2006、12、15)
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1000円という値段がいい!普通はこの手の本だと最低でも1300円はするよ。(香具師の口上か!)
中島義道の本は、初期の『うるさい日本の私』を読んで、「オレと同じや!」と共感。その後も読んでいたが、ある時期から「これはオレと一緒じゃない!行き過ぎだ!」と感じるに至り、読むのをやめたのだが、今回は原点に戻った感じでおもしろい。さすがにこれだけ、あちこちにぶち当たると「生きにくい」ということを学習したのだなあ。怒りに燃えると疲れるものではあるが、たしかに「怒り」は「行動のパワー」となりうる。怒りの源泉が「個人的」としか思われないものだと、世間の共感を得られないから、できうる限り「公共の怒り」にする必要はある。
本書は冒頭に、
「『うるさい日本の私』を上梓したときに『「うるさい」は「日本」にかかるのか、「私」にかかるのか?』と散々聞かれたので、今回は最初に『両方にかかる』と記しておく」
というようなことが書かれていたが、そんなことをわざわざ聞く読者がいることが信じられない。このタイトルは川端康成のノーベル文学賞受賞講演「美しい日本の私」と、大江健三郎の同じくノーベル文学賞受賞講演「あいまいな日本の私」のパロディであろうから、それぞれの形容詞がどちらにかかるのかなんて話は、その頃に散々、なされたはずなのに、まさか知らないわけではあるまい・・・と思うのだが。

★★★★

(2007、1、13読了)

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