ヘッダー Space『小笠原クロニクル〜国境の揺れた島』
(山口遼子、中公新書ラクレ:
2005、7、11)
トップページ
過去掲載分
ヘッダー

Space
『父親たちの星条旗』『硫黄島からの手紙』の2部作を観て、私の中では硫黄島に対する関心が高まっている。そこで本屋で見つけたのがこの本。
でもこの本の中心は硫黄島に関してではなく、小笠原諸島の中心地・父島に関して。でも小笠原諸島の歴史を知らずして、硫黄島も語れまい。
そう言えば、沖縄返還の4年前の1968年になってようやくアメリカから返還されたのが、この小笠原諸島だったのだ。当時、小笠原諸島変換の記念切手が出たことを思い出した。しかも原住人は日本人以外の人たちもいて、その子孫はいわゆる「日本人」の顔つきでない人たちもいた。名前も独特である。ふーん、そうだったのか、ということがたくさん出て来る。たとえばあんなに本土から離れていて「鳥も通わぬ八丈島」よりも、もっとずっと遠いのに、「捕鯨の補給基地」として重要な島だったなんて話は、この本を読んで初めて知った。また、この本の著者の女性の、「小笠原の歴史を今書かなくては!」という熱意も十分伝わってきた。

★★★★

(2006、12、14読了)

Space

Copyright (C) YOMIURI TELECASTING CORPORATION. All rights reserved