ヘッダー Space『暗い国境線』
(逢坂 剛、講談社:2005、12、1)
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逢坂 剛がいくつか持っているシリーズのうちの、講談社から出しているシリーズで「ライフワーク」と位置づけられているもの。第二次大戦下のスパイの戦いと恋愛を描いたもので、『イベリアの雷鳴』『遠ざかる祖国』『燃える蜃気楼』に続く第4弾。
外国人の名前がなかなか覚えづらいのだが、一覧表をはさんでくれているので便利。
全619ページにもなる分厚い本。こういった本は一気に読まないと、なかなか話(ストーリー)が頭の中に残らない。そこで土・日の休みに一気に読んだ。
前半、各国のスパイ(諜報部員)が、緊張感のある話(戦争の情勢や歴史の推移などについて)をする場面、実は登場人物の口を借りて、著者(=逢坂 剛)の意見をしゃべらせているのだなというのが見え見えで、ちょっと興ざめ。いろいろ研究したことや考えたことを、こういった小説の形を借りて発表しているのだろうけど、読み物としてのおもしろさがその分少なくなってしまうので、登場人物に滔滔としゃべらせるのは、いかがなものかと思った。後半は恋愛ものになっていて、思わぬどんでん返しもあったりなかったり(どっちやねん!)で、楽しく読めた。
主人公のホクトが東条内閣の重光外相に「会ったことがある」というくだりもあって、このあいだ「重光 葵」について書かれた本を読んだばかりだったので、ちょっとビックリ。恐らく著者は、重光のことを外交官として好ましく思っているのではないかな、と感じた。


★★★

(2006、10、1読了)

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