ヘッダー Space『真昼の星空』
(米原万里、中公文庫:2005、1、25)
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今年5月に亡くなった米原万里さんの本。まだ読んでいないものがあったので、夏休み期間中に読みました。
この本は、読売新聞日曜版に1998年6月から2001年3月まで連載されたコラム・142篇のうち80篇に加筆訂正したものだそうです。単行本は2003年10月に出ています。姉妹編?としては『真夜中の太陽』が同じ中公文庫から出ています。2004年9月に読みました。その時の『読書日記』に感想を書いています。(読書日記111『真夜中の太陽』)
この本のタイトルは、著者が少女時代に愛読した女流詩人オリガ・ベルゴリツの著した自伝的エッセイ『昼の星』から拝借したとのこと。「現実には存在するのに多くの人の目には見えないものがある。逆に圧倒的な現実と思われるものが、単なるこけおどしだったりする。目に見える現実の裏に控える、まぎれもないもう一つの現実。」そういったものの比喩が「昼の星」なのだそうだ。なるほど。
この本で「へえー」と驚いたのは、巻末の文庫本特別企画「米原万里 大解剖」であの東大教授で文芸評論家の小森陽一さんがプラハの日本人学校で米原さんの後輩だった(知り合いだった=3歳年下)という事実に触れている点。こないだ読んだ『ヒトのオスは飼わないの?』(米原万里、文春文庫:2005、6、10:2006読書日記082参照)の解説で「シモネッタ・ドッジ」ことイタリア語通訳の田丸公美子さんが出てきたのと同じように、中公文庫の米原本は、巻末のオマケが楽しい。

★★★★

(2006、7、23読了)

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