ヘッダー Space『SF魂』
(小松左京、新潮新書:2006、7、20)
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久々に小松左京の本を読んだ。帯のタイトル、
「私が日本を沈没させました。」
というコピーを買った。
読みかけて、小松左京が学生時代「うかれ」というニックネームで、俳優の高島忠夫さんと神戸で同級だったということ、高島さんがうつ病から立ち直ったときに手紙を書いたこと、自分も阪神大震災の後、うつ病になったことなどの話を見るにつけ、
「あれ?この話、どこかで最近、読んだぞ・・・」
と思ったら、今月(7月)はちょうど日経新聞の「私の履歴書」が小松左京なので、そこで読んだことに思い当たった。ということは(日経に「私の履歴書」を書くということは)
「小松左京も、そういう年になったのか・・・」
ということを、嫌でも感じさせられる。75歳かあ・・・。
ところで、この新潮新書は、本当に自分で書いたのかどうか。『バカの壁』なども「口述筆記」だったり、藤原正彦のベストセラー『国家の品格』も、講演をまとめたものだったりするが、この本(『SF魂』)の文体も、相当軽い。とは言え、意気込みはすごく、自分の半生・・・以上のものを、ここに語って残そうとしているようだ。
今年は「日本沈没」が33年ぶりに映画化されるし、「日本沈没」の第二部も刊行されるし、
今年は「小松左京イヤー」かも。
ところでタイトルの「SF魂」の「魂」は、「だましい」と読んでも「コン」と読んでも良いと、著者本人が「はじめに」に書いている。まるで「呉 智英」のようだ。でも、奥付を見ると「SF魂(エスエフだましい)」とルビが振ってある。このあたりは、編集者とよく話をして、統一して欲しい。
この本を読み終わってから、『日本沈没・第二部』を書店で見かけたので買ってしまった。

★★★
(2006、7、28読了)
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