ヘッダー Space『同時代も歴史である一九七九年問題』
(坪内祐三、文春新書:2006、5、20)
トップページ
過去掲載分
ヘッダー

Space
坪内祐三には、
『慶應三年生まれ 七人の旋毛曲り』
『一九七二—「はじまりのおわり」と「おわりのはじまり」』

という「年号」をタイトルにした著作がある。このうち『一九七二—「はじまりのおわり」と「おわりのはじまり」』は読んだことがあるから、
「あれ?坪内さんは『1972年』がターニングポイントとした年だったんと違(ちゃ)うの?この1979年というのは、どういう意味?」
と疑問を持って本を手に取った。タイトルの「1979年」には、私は高校3年生、大学受験の年でした。つまり同時代を生きた者としても興味を持って読んだ。また、タイトルそのものが「同時代も歴史である」とあるが、これは、高校生の時にはわからなかったが今ならわかる。「現代」は、刻一刻と「歴史」になっていってるのであって、その中を我々は生きているのだ、と。
結論だけ言うと、1979年は「ソ連のアフガニスタン侵攻」の年だった、と。つまり、21世紀に入って起きた「9・11」以降のテロの芽は、1979年に始まっていたのであると。そういう見方もたしかに出来るな、と思ったのでありました。
次に坪内さんが「ターニングポイント」とする年代は、何年かな?

★★★
(2006、6、5読了)
Space

Copyright (C) YOMIURI TELECASTING CORPORATION. All rights reserved