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『負けるのは美しく』
(児玉 清、集英社:2005、9、10第一刷
・11、21第五刷)
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JALの出している雑誌『Agora』の2006年1月号で紹介されていた児玉さん。そこに載っていた著書、読んでみたくなって買いました。ご存知「アターック・チャンス!」と握りこぶしを見せている某局のクイズ番組の司会でも有名な児玉さん。自分は東宝13期ニューフェイスで俳優の道に入ったものの、俳優としては落ちこぼれ・・・というような話から、「この人はもしかしたら人生をちょっと斜めから見ているアマノジャクなところがあるのではないかな」と感じました。私の父ぐらいの年齢(1934年生まれ)でありながら、やんちゃな子どものような一面もあるようである。
また読書家としても知られ、読書番組も担当していて、ドイツ語や英語の原書を読むのが趣味という「知性あふれる俳優」(帯の宣伝文句)なのはいいのだけれど、ちょっとそんなインテリな知性(インテリ臭)が嫌味に取られる危険性を十二分に孕んでいるような気がする・・・。しかし、児玉さんはそれも甘んじて受け入れるつもりなのだと思う。「教養」がカッコイイ時代の全盛期に、青年期を過ごせたことは幸いだったのではないだろうか。「軽(カル)チャー」の時代に青年期が当たった我々は不幸だったのかもしれない。
3年前に若くして胃癌で逝った娘さんは、私とほぼ同世代。(少し若い。)娘や息子を失うことほど、つらいことがあろうか。順番は守って欲しい。一番、そう感じているのは児玉さん自身だろう。

★★★
(2006、2、4読了)
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