ヘッダー Space 『大阪破産』
(吉富有治、光文社:2005、10、30)
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この本が出たのは10月の20日頃か。奥付より早かった。すぐに買って、11月27日の大阪市長選挙までに読み終えようと思ったのだが・・・無理だった。
洋書のペーパーバックス風の装丁で横書き、300ページ以上の分厚さ。なぜか本文の中で頻繁に単語に英語でルビがついて、読みにくいったらない。読み飛ばせるようになるとリズムが出てきます。
大阪市のマニフェストを勉強会で読んでいたので、まだ全体像が捕まえることができたのだが、これ全部読み通すのは苦行ですね。でもこれだけよく調べてまとめたなあ、こういうことをジャーナーリストは、やらなあかんのに、自分ができていないということに、忸怩たる思いが・・。
通して読んでわかったこと。大阪市の財政が現在のような危機的なものになったのは、バブル崩壊後、つまりここ12、3年。それまでなんとなく、ゆるーくやってきたことが、バブル崩壊で急に締め付けが厳しくなったので、「今までの分、保証してくれ」と職員組合側が要求、選挙やらなんやらで職員たちの力を借りなくてはならない市役所側もそれに応じて、国や市民にバレないような形で(つまり大阪市の好きな「ヤミ」で)金を払ってきた。本給でやるとバレるから、さまざまな形の「手当」や「福利厚生」がそれである。しかも大阪市の職員数は、他の自治体と比べてもかなり多い。
そして、放漫経営の第3セクターを天下り先として確保、維持にまた金がかかる。さらにここ10年ほどの「生活保護世帯」の増大も、財政を圧迫している。府立高校の授業料を払えないという生徒(とその親)がかなりの数に上っているという現状。
財政再建のためには、出すものを厳しくチェックして収入を増やすということが必要であるが、これまであまりにも支出のチェックが行われなかったことが、財政破綻への道を進んできた理由であろう。

★★★
2005、12、5読了
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