ヘッダー Space
『ジャーナリズムとしてのパパラッチ
〜イタリア人の正義感』
(内田洋子、光文社新書・2005、10、20)
トップページ
過去掲載分
ヘッダー

Space
ダイアナ妃が自動車事故で亡くなった時に、その原因は彼女を追いかけた「パパラッチ」によるものではないか、と言われた。その時に初めて「パパラッチ」という言葉を知った。だから「パパラッチ」と言うと悪いイメージがあるが、それを払拭すべく(?)、通信社・ウーノアソシエイツの代表である著者が、ふだんから付き合いのある「パパラッチ」たちの評伝を書いた、というようなもの。イタリアを代表するパパラッチ達の、「人と、なり」を知ることが出来る。
「パパラッチ」の呼び名の由来には、定説はないそうだが、一説には、蚊のようにまとわりついてうるさく刺されると痛い<パッパターチオ>という虫の名前からだとか、撮影する時の様子をイタリア語で「スカッパ・ア・ラッツオ(弾丸のように逃げる)」と言い、それが縮まって<パパラッツオ>になったという説、そして一番有力なのは、映画監督のフェデリコ・フェリーニが造語したという説。彼は映画『甘い生活』(1959年)で、その頃、町に出没し始めたフォト・ジャーナリストを主人公にした。その主演のマルチェロ・マストロヤンニとフェリーニ監督が、当時滞在していたホテルの主人の愛称「パパラッツオ」から取って、この職業の呼称を「パパラッツオ」に決めたのだという。『甘い生活』、以前にビデオで見たが、「また見てみようかな」と思った。

★★★★
2005、10、29読了
Space

Copyright (C) YOMIURI TELECASTING CORPORATION. All rights reserved