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『ジャンケン文明論』
(李御寧イー・オリョン、新潮選書:
2005、4、20)
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タイトルに引かれた。著者は韓国人。読み始めて気づいた。そうか、世界中に・・・と言っても主に東アジアにジャンケンは存在するのだな。
以前、グループを二つに分けるやり方に「グッパ」(ジャンケンの「グー」か「パー」を出して二つに分ける)とは別に、「ウラオモテ」というのがあるのを取材したことがある。これは手のひらの表と裏で、グループを二つに分ける手法だ。関西ではなぜか神戸だけで行われているが、九州や中国地方のほか、日本全国に「ウラオモテ」を使う地方は点在している。このときに、
「『ウラオモテ』を使うところは、コインの裏表と同じ文化だから、もしかしたら外国航路の船員さんなどが持ち込んだ文化ではないか?」
と考えたことがあったが、この本でもやはり「じゃんけん」という「3すくみの文化」(=アジアの文化)と、「トッシング」(コイントス=欧米の文化)という「ウラオモテ文化」について書いてあって興味深い。
最初の方に載っているチャーチル、トルーマン、スターリンの3巨頭による「ジャンケン」の写真は、なんだかパロディ写真のようで、おもしろい。これって、ほんまもんかいな?

★★★
2005、8、18読了
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