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『世にも美しい数学入門』
藤原正彦・小川洋子、ちくまプリマー新書
:2005、4、10初版
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あの『博士の愛した数式』の著者・小川洋子と、数学者の藤原正彦の対談集。
学生時代、私は数学が嫌いで嫌いで、「憎い!」とまで思ったことがあるくらいだったが、受験勉強で仕方なく数学の問題集を解いていたとき、3か月ほど我慢してやっていたら、ある日突然、問題がスッと解けて「問題を解く喜び」を味わうことができた。あれは貴重な経験だった。でもやっぱり、あんまり数学は向いてないよなあ、と感じたのも事実。そんな私でも、ついつい惹きつけられてしまう小川作品のエッセンスの一部が、この対談にも表れていると思う。
「完全数」(約数を全部足すと、その数自体になる数)と江夏の背番号「28」というつながりの発見が『博士の愛した数式』の作品を成立させたというのも、なるほどと思った。
数学は「美しさ」を求めるんだよね。でも美しくないと価値がないかというと、そんなこともないんじゃないかなぁ。


★★★
2005、6、21読了
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