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『ドラえもん学』
(横山泰行、PHP新書:2005、5、2)
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「ドラえもん」を学問として研究している先生が富山大学にいることは、去年だったか、新聞で読んだ。その先生による「ドラえもん学」の本。
ふーむ、何でも突き詰めて研究すると”学問”になるんだなあ。
実を言うと、私の年代・世代は、「ドラえもん」で育ったとは言えない。少し「ドラえもん」で育った世代よりは上に当たる。アニメ放送が始まった頃には大学受験をしていたぐらいだからだ。ただ、小学校の頃に学年雑誌のマンガで読んだことはあったので、多少はなじみがあるという感じ。
「ドラえもん」と「学問」というと思い出すのが、5,6年前に立命館大学の鈴木みどり教授の教え子の人が講師をしていた「メディアリテラシー」の市民講座に出席した時のこと。この「ドラえもん」のアニメを見て、その中で気づいたことを抜き書きするという作業をしたのです。
この講座での作業は、メディアリテラシーの中でもジェンダー関係がメインだったこともあって、「しずかちゃんは常にサブの役割しかしていない」とか「のび太のおかあさんはいつも家にいる」とか「しずかちゃんの服装はいつもスカート」とか、「のび太のお父さんは、よく酔っ払ってお土産のお寿司をぶら下げて千鳥足で帰ってくる」とか、アニメの中に当然のように組み込まれた仕組みは、どういう意識が反映されているのか?というようなことを考えました。その講座で取り上げていたのは「ドラえもん」だけではなかったので、「ドラえもん学」とはならなかったけど、ああいった学問もあるのだなあ、と新鮮だったことを思い出しました。
現在、「ドラえもん」のコミック・アニメは世界に広がっていて、特にアジアでは、ほぼ、くまなく広がっているとのこと。118〜119ページの世界地図を見ると、自分のことのように、なんとなく誇らしい気分になるのでした。

★★★
2005、6、15読了
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