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『わたしの詩歌』
(文藝春秋編、文春新書:2002、12、20)
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もう2年以上前に買って、ほったらかしになっていたもの。書棚を眺めて目に付いたので手に取り読んだ。47人の有名人の心に残る詩歌が上げられているので、気に入ったところから順に読んでいった。それぞれの人の傾向がわかっておもしろい。漢詩を挙げる人が思った以上に多かったことと、文語詩を挙げる人の多さが目立った。文語の韻律が、やはり心地良いからだろうか。
中では、齋藤孝という人は何か余り好きではないのだが、この人が上げた宮沢賢治の詩「眼にて云ふ」の中の表現、「がぶがぶ湧いてゐるのですな」は、たしかにすごいと思った。また、岸田秀の「ゴンドラの唄」の解釈は、「へえー、そうだったのか」と、言われて納得。また、出久根達郎と阿刀田高が続けて出てくるところが良い。阿刀田高は、こんな短い文章であっても、名前を見なくてもその文体で彼だとわかる。これはすごい個性だと思う。
私の場合、どの詩歌を選ぶだろうか?吉野弘の「祝婚歌」を挙げた時期もあったが。吉野弘と言うと、中学1年の時に国語の時間に習った詩が「I was born」というものだった。中1にはちょっと重い詩だよなあ。今の方がわかる気がする。と思う。


★★★
(2005、4、1読了)
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