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『NHK日本語なるほど塾3月号・
基礎関西語』
(山下好孝、NHK出版:2005、3、1)
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このテキストのシリーズの最新号。講師は北海道大学で初めて「関西語」を方言ではなく「外国語」として、正規の「第二外国語」の講座として開講・講義した山下好孝先生。以前、取材でお会いしたことがあります。その後、去年『関西弁講義』という本も出されています。去年の『読書日記10』にその感想は書きました。
この本ではその「関西語」のエッセンスを抽出してあります。
最初に、関西弁の使い手の人数は、近畿2府4県に三重県を加えた2府5県の人口2281万人もいて、これはスウェーデン人894万人・ノルウェー人456万人・デンマーク人538万人のトータル1888万人よりもはるかに多いという事実を記し、関西弁という言葉は、その使用者の規模から言うと方言としての「関西弁」ではなく、もう「関西語」と呼んで良いのだと、冒頭の「関西弁ちゃうで、『関西語』やで」で堂々と述べてはるのです。こういう論を張ること自体が、既に「関西的」です。
ま、単にその言葉を使っている人数が多ければ、その地域の名前を関して「○○語」と呼ぶべきなのか、それとも政治的区分である国の名前を関して「△△(国名)語」と呼ぶべきなのかは、結局、「方言とは何か、国家語とは何か」という考えに行き着き、意見が分かれるところでしょうけどね。
とにかく、この本がユニークであることは論を待たないでしょう。

★★★
(2005、3、21読了)
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