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『びんぼう自慢』
(古今亭志ん生、ちくま文庫:
2005、1、10)
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私は、今古亭志ん生は知らない。息子の志ん朝でさえ、高座を聞いた覚えはない。でもこの『びんぼう自慢』という本を読むと、志ん生の声が聞こえてくるような気がする。「なめくじ長屋」に行ったことがあるような気になる。志ん生の話を書き取り構成されているんだろうけど、生き生きと、人となりが浮かび上がってくる。言文一致である。
志ん朝の一周忌の時に出た、志ん生の娘・美濃部美津子さんが語ったものをまとめた本『三人噺〜志ん生・馬生・志ん朝』(扶桑社)を以前読んだが、あの本とこの本をあわせて読むと、より立体感を持って、志ん生一家の様子が浮かび上がってくる。
志ん生はニッポン放送の専属であった期間があり、その口演テープはニッポン放送のライブラリーに眠っているという。ホリエモンは興味ないかもしれないが、売り飛ばしたり処分したりしないで欲しいと思う。
なお、このちくま文庫から2005年2月より、志ん生の噺(滑稽ばなし、艶ばなし、人情ばなし、長屋ばなし、廓ばなし)全5巻が出るとのこと。読んでみたい。

★★★
(2005、3、15読了)
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