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『自由という服従』
(数土直紀、光文社新書:2005、1、20)
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この本も書評で取り上げられてほめられていたので読んだ。タイトルが良い。たしかに本人は「自由」だと思っていても、実は「服従」させられているのだということは、そうかもしれないなと思うし、
「お釈迦様の掌の上の孫悟空」
を思い出させる。この本ではその例としてヤマンバ・ファッションの高校生、サッカー・ワールドカップ日韓大会のトルシエ監督下の日本代表選手、OL、自由恋愛の男女、建築労働者という具体例を挙げて、その自由と服従の関係について説いている、のだが・・・わかりにくいー。論文だからしょうがないのか?このわかりにくさは。「です・ます体」なので、一見読みやすいように感じるのですが、内容は回りくどくてわかりにくい。「だ・である体」で書いた方がよかったのではないか?
ファシズムは民主主義の中から生まれてくることや、圧政の呪縛から逃れるために英雄を渇望したり宗教にすがりつくという図式は、まさに「自由という服従」に当たると思うのだが、そういった事例から説いていってくれた方が、もっと興味が湧く内容になったと思う。事例のピックアップを誤ったのではないか?残念。

★★
(2005、3、1読了)
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