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『死んだらどうなるの?』
(玄侑宗久、ちくまプリマー新書:
2005、1、25)
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玄侑宗久さんと言えば2001年の芥川賞作家であり、福島県のお坊さん。作品は読んだことはないが、エッセイは新聞などで読んだことがあった。
この「ちくまプリマー新書」というのは今回創刊されたばかりの新しい新書。第二次新書ブームか?最初はこの本、読むつもりはなかったのっだが、書評などでも取り上げられていたので、ためしに買って読んでみた。まず感じたことは、
「字が少ない」
ということ。余白が妙に白い。数えてみたら、1ページに13行しかないのだ。ほかの新書はたとえば光文社新書は1ページ15行、文春新書や講談社現代新書は16行であるから、それと比べるとかなり文字が少ない。妙に白っぽい理由がわかった。色即是空か。
その空いた余白を利用して、ルビがたくさん振ってある。「上昇・天界・増大・迎える・宇治・平等院・蝦夷地・丸天井・吊るす・振る舞い」などといった語にルビが振ってあるのだ。中学生向けかなとも思ったが、内容は大人が読んでも十分に読める内容で、子ども向けという感じはしない。結構、難解である。
まさに「坊さんの講話」のように(って、お坊さんが書いているのだけれども)、わかったようなわからないような気持ちにさせてくれる。
タイトルの「死んだらどうなるの?」の答えは明確には書かれていないが、別に、明確な答えを期待していたわけでもないので、そういう意味では失望感はなかった。
中学校の国語の教科書を読んだみたい、というのが感想である。

★★
(2005、2、28読了)
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