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『ロゴスの名はロゴス』
(呉智英、双葉文庫:2001、10、15)
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この本の名前は耳にしていたが、見かけることがなかったので、まだ読んでいなかった。ところがある日、いつもの本屋さんで目の前の棚に、まるで「買ってください」というようにポンと置いてあったので、思わず手にとってカバンの中へ・・・じゃなくてカウンターに持って行って購入したのでした。
と言っても新刊ではなく、2001年に出たもの。それが読み出したら、おもしろいのなんのって。目からウロコの話が満載!「平成ことば事情」でも取り上げているような、たとえば「上弦の月」についても、すでに取り上げられているほか、いろんなハテナ??の話に明快な答えが記されていて、ヘえーヘーえーの連発。やはり言葉について考えることは世の中のすべての事象を対象にしているようなものなのだなあ、と改めて認識。呉さんの博識ぶりにも驚き、感心しました。
あとで読んだ『ぼくの翻訳人生』(中公新書)の著者・工藤幸雄さんが「うるさすぎる言葉談義」の中で、「ドレミのうた」の「レ」は「RE」なので「レモン(Lemon)」ではありえないし「ラ」は「La」なので「ラッパ」はおかしいと言っているが、これはすでに呉さんが、この本の中で書いている。
また、表紙カバーの、著者略歴のところに、
「くれ・ともふさ、ご・ちえい、読み方は両方可。」
と、ご親切に書いてあって、このあたりも、
「さすが言葉のこと(漢字の読み方、名前も含めて)に詳しい、心にくいばかりの著者略歴である!」
と感激した。
これ、今の時点で今年一番の収穫かもしれない!

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