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『球団消滅』
(中野晴行、ちくま文庫:2004、10、10)
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今年のプロ野球は、どこが優勝したとか阪神が優勝しなかったとかそんなことよりも、やはり球団の合併、リーグ分裂騒ぎ、新球団誕生といった日本プロ野球の根幹に関る問題に否応なく注目させられた。
そんな中で、約50年前の終戦直後、セ・パ両リーグ分裂の時は一体どんな感じだったのだろうか?と思った人も多かったのではないだろうか。
本書は、その時期のプロ野球界の異端児でロビンスのオーナーだった田村駒治郎にスポットを当てた物語である。
あとがきで、えのきどいちろうは、「駒治郎の魅力に引きずり込まれた」と書いているが、私はそれほどでもなかった。しかし、こういう人物がいたことは驚きだったし、50年前も今も、オーナーやリーグのエゴでチームが引っ掻き回されているという状況は何にも変わっていないんだなということがよくわかった意味でも、やはり歴史を学ぶということは有益であるなと感じた。
しかし歴史を学んだところで、同じ轍は踏まないかどうかは、また別問題なのである。
コマッタモンダ。

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