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『部首のはなし〜漢字を解剖する』
(阿辻哲次、中公新書:
2004、7、25初版、8、25・3版)
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阿辻先生が週刊誌に漢字の話を連載されているのは、時々読んで知っていたが、こうやってまとまった本を読むのは初めて。でも連載をまとめたような漢字で、いや感じで、一話一話が4ページという読みやすさ。それが1画の漢字から17画のものまで50字載っている。「へー」ネタ満載である。
たとえば「覆水盆に返らず」の「盆」は、「トレイ」の「お盆」ではないとか、イタリアには「イタヒカリ」というおコメがあるとか、数千首の詩を作った杜甫ですら、トータルでは5300種類あまりの漢字しか使っていない、とか。
そのほか中国の笑話集にある話で、やっとのことで結婚することになった男が花嫁に結婚式当日まで一回も会ったことがなく、結婚式の翌日に悪友が「夕べはどうだった?」と聞くと、男は地面に「北」という字を書き、翌日の朝に同じ質問をすると今度は「比」という字を書き、3日目の朝には、男はニヤニヤしながら「臼」という字を書いたという話も紹介されている。ニヤニヤ。漢字の国に生まれてよかったなあ。一読の価値あり!

★★★★
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