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『白秋愛唱歌集』
(藤田圭雄編、岩波文庫:1995,11,16一刷、2003,7,16二刷)
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9月末に北原白秋の故郷・福岡県の柳川で、所属する男声合唱団が演奏会を開き、私もステージに立った。演奏曲目は、北原白秋の詩「日本の笛」に曲をつけたもの。そういった意味で白秋への関心が私の中では高まっていたので、本屋でこの本を見付けた時に、ふと手にとって見たのだった。それと、もう一つの理由は、たまたま休みの日に家で聞いていた「高石ともやとザナターシャーセブン」のCDの中の「野茨と鳩」という曲の作詞が北原白秋であるというのに気づいたこと、そしてその中に出て来る「荒れるばかしか」という歌詞、「ばかり」ではなく「ばかし」となっていたのは、白秋がそう書いていたのかどうかを確認しようと思ったことも購入の動機。ただ「野茨と鳩」はこの本には収録されていなかったのだが。
本には私たちが演奏した曲も何曲か載っていたが、何より驚いたのが、これだけ多くの”よく知られた曲”を白秋が作詞していたということ。「砂山」「ペチカ」「からたちの花」「この道」「ゆりかごの歌」などなど。私にとっては子供の頃によく聞かされた曲ばかり。すごい!と改めて思った。ただ、今の若い人たちは、知らないのじゃないかな・・・とは思うが。
「歌は世につれ、世は歌につれ」と言うが、確かに世の中の流れの中で、これだけ素晴らしい白秋の歌の数々も、これからは埋もれて言ってしまうかもしれないと思うと、少しさびしくなった。

★★★★
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